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M&Aの流れを3つのフェーズに分けて解説!一般的な手順と注意すべきポイント

2023年08月03日

M&Aとは会社や事業を買収・合併することです。グローバル社会における国際競争力の強化、中小企業の事業承継の手段などを目的に、その重要性が高まっています。本記事では、M&Aがどのような流れで行われるのかを、「事前準備・検討フェーズ」「マッチング・交渉フェーズ」「最終契約フェーズ」の3つのフェーズに分けて詳しく解説します。

 

 

M&Aの基本的な流れとは

M&Aの基本的な流れはまず大枠として「事前準備・検討」「マッチング・交渉」「最終契約」の3つのフェーズがあり、さらに各フェーズはいくつかのプロセスに分かれます。

・事前準備・検討フェーズでは、まずM&Aの目的の整理を行い、その後M&Aコンサルタントの選定作業に入ります。いくつか候補となるコンサルタントを選んで個別面談を行い、最も良いと判断したコンサルタントと契約します。

・マッチング・交渉フェーズでは、M&Aを行う相手企業を選定して交渉します。複数の候補から対象先を選定し、秘密保持契約(NDA)を締結したうえで売り手側が詳細情報を開示します。その情報をもとに買い手が判断し、スキーム選定とトップ面談、基本合意の選定へと進んでいきます。

・最終契約フェーズでは、売り手企業の詳細を調査するデューデリジェンスを行った後、問題がなければ最終条件を交渉し、M&Aを締結します。締結したらその契約内容にもとづき、M&Aを実行するクロージングへと進みます。

 

 

M&Aの流れを3つのフェーズに分けて解説

ここからは、M&Aの基本的な流れを詳しく解説していきます。フェーズを「事前準備・検討フェーズ」「マッチング・交渉フェーズ」「最終契約フェーズ」の3つに分けて、各フェーズのプロセスを1つずつ解説します。

 

事前準備・検討フェーズ

事前準備・検討フェーズは、M&Aを行う目的を整理し、どのM&Aコンサルタントと契約するかを決めるまでのプロセスです。

M&Aコンサルタントには、それぞれ業種や事業規模などの得意・不得意分野があります。そのため、どのコンサルタントを選ぶべきかは企業によって異なります。

M&Aを行う目的をはっきりさせることで、自社にとって適切なM&Aコンサルタントを選ぶことができます。

 

①M&Aの目的の整理

まず初めに考えるべきことは、M&Aを行う目的です。理由もなくM&Aを検討することはないでしょう。必ず、達成したいことやビジョンがあるはずです。まずは目的を整理しましょう。

M&Aの目的は、企業の売り手か買い手かによって当然異なります。また、今後の経営戦略やM&Aで実現したいことによっても変わってくるでしょう。たとえば、成長分野の事業を買収して自社の多角化につなげたい、と考える企業もあるはずです。また、後継者がいないから今まで大切に成長させてきた会社を別の会社に承継してほしいと考える経営者もいるでしょう。スタートアップのEXIT戦略としてのM&Aもあります。

自社にとって、M&Aを検討する理由とはなんでしょうか。まずは目的を整理し、どのような手段でどのような相手とのM&Aを実践することにより目標の達成が可能なのかという観点で考えてみましょう。

 

②M&Aコンサルタントとの個別面談

個別面談に参加することで、M&Aについてアドバイスをもらったり疑問点を解消したりすることができます。

初めてのM&Aであれば、疑問や不安があって当然です。そもそも自社にもM&Aは可能なのか、M&Aを実施するにあたってはまず何から手を付けたらいいのか、自社の売却額の目安の算出方法、そして相手企業の探し方など、多くの壁にぶつかっても不思議ではありません。

そんな企業のために無料相談会を実施しているコンサルティング会社も数多くあるので、本格的にM&Aを検討するにあたっては、コンサルタントに相談してみるのが近道です。

プロに相談することでM&Aへの心理的なハードルが下がり、前向きに取り組むことができたり次にすべきことがよりクリアになったりする可能性もあります。反対に、面談の結果、M&Aは自社にとって良い戦略ではない、ということに気付くかもしれません。

自分だけではわからないことも数多くあるので、まずは情報収集のつもりで個別面談に参加してみるとよいでしょう。

 

③M&Aコンサルタントの選定

 仲介会社 

個別面談の結果M&Aを進めることに決めたら、仲介会社との契約を検討していくことになります。M&Aに関するノウハウや知見を持ち、数々の案件に携わっている仲介会社にサポートしてもらうことで、M&Aが成功に近付く可能性が高まります。

仲介会社は数多くあるので、どの会社にサポートを依頼するのかよく比較検討しましょう。自社と同規模の会社や同業種の会社の案件を豊富に扱っている仲介会社であれば、よりよい案件に出会いやすいはずです。また、料金体系のわかりやすい仲介会社のほうが安心でしょう。このような観点から、どの仲介業者に依頼するかを決めましょう。

 

 FA(Financial Adviser) 

M&Aのアドバイスを得るためにFAと契約することもあるでしょう。FAとは財務アドバイザーのことで、利益の最大化を目指して相手企業との交渉をしたり自社に助言を与えてくれたりします。M&A仲介会社は売り手企業と買い手企業の間に入り中立的な立場でM&Aを進めますが、FAは一方の企業の専属となるため、より自社の要望に合わせた動きをとってもらえるというメリットがあります。ただし、より大きな利益を得られる一方で、相手企業と利益相反の関係が生じやすくなり交渉が進展しにくくなるという可能性も考えられることに注意が必要です。

 

 

 

マッチング・交渉フェーズ

マッチング・交渉フェーズは、M&Aコンサルタントを決めて契約した後、コンサルタントのサポートのもとで買収・売却先を選んで絞り込み、交渉して基本合意書を締結するまでのプロセスです。

基本合意書を締結した後は容易に交渉相手を変更できなくなるので、しっかり相手を見極めることが重要になります。

 

④M&Aの対象先の選定

M&Aの対象先の選定は、まず売り手側が「ノンネームシート」を作成し、買い手側がそれを参考に交渉相手を絞っていきます。

ノンネームシートとは、企業が特定されない程度に会社概要やM&Aの希望条件などを記した書面です。企業名が特定されると情報漏洩や悪用の恐れがあるので、詳細な情報を開示するのは秘密保持契約を締結した後になります。

買収・売却先を選ぶ基準は、M&Aの目的によって変わってきます。

たとえば売り手の場合、イグジットが目的なら買収価格が重要になりますし、事業承継が目的なら事業をしっかり受け継いでくれるかが重要になるでしょう。

買い手の場合は、たとえば新規事業への進出が目的なら、その事業に対するしっかりした基盤を持っているかが重要になります。他には、期待できるシナジー効果や予想される買収価格などを踏まえて、総合的に判断していきます。

ノンネームシートについて詳しく知りたい方はこちら▼
シナジー効果について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑤NDAの締結

続いて、選定した詳細情報を見てみたいM&A対象先と秘密保持契約(NDA)を締結します。

NDAでは、交渉を通して知った相手企業の情報を漏洩・無断使用しないことや、保持する情報の範囲、情報の返還や廃棄の仕方、契約に違反した場合の損害賠償などが定められます。また、会社に関する情報だけでなく、M&Aを検討していること自体も秘密とするのが一般的です。

NDAはM&Aをスムーズに行うためだけでなく、自社の技術やノウハウの盗難防止のためにも重要です。

NDAの契約は、売り手または買い手とM&Aコンサルタントの間で締結する場合と、売り手・買い手間で直接締結する場合があります。

たとえば、情報開示の時点で「売り手とM&Aコンサルタント」「買い手とM&Aコンサルタント」がそれぞれNDAを締結し、基本合意書に秘密保持の条項を盛り込むことで、あらためて売り手・買い手間で直接NDAを締結するといった流れが考えられます。

秘密保持契約(NDA)について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑥情報の開示

NDA締結後、売り手は買い手に詳細な情報を開示します。買い手に売り手の企業名を開示することを「ネームクリア」といいます。

ネームクリア時に買い手に送る詳細資料は「インフォメーションメモランダム(IM)」といいます。IMには、会社や営んでいる事業に関する詳細情報、財務状況や将来の事業計画などを記載します。

複数の買い手から買収希望価格を提示させる入札方式の場合、売り手はIMに加えて「プロセスレター」という書面を提示します。プロセスレターには、売り手の希望条件や今後の入札スケジュールなどが記載されます。

プロセスレターを見て入札したいと判断した買い手は、売り手に「意向表明書」という書面を提示して意思表示します。

初期段階から買い手がM&A候補を決めている場合、ノンネームシートなしで売り手に交渉を持ちかけることも可能です。この場合は、開示して欲しい情報を売り手に提示し、交渉によって開示する情報を決定します。

M&Aにおけるネームクリアについて詳しく知りたい方はこちら▼
意向表明書について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑦スキームの選定

スキームとは会社を買収する手法のことで、具体的には株式譲渡事業譲渡などがあります。トップ面談に入る前の段階で、どのスキームでM&Aを行いたいかをある程度絞り込みます。

一般的に、スキームは株式譲渡か事業譲渡のどちらかになることが多いですが、大企業による組織再編のM&Aでは、合併や分割、株式交換など他のスキームが用いられることもあります。

スキームはトップ面談の前に絞っておかないと、面談で有益な交渉ができなくなりますし、相手に本気でM&Aをする気がないのではと思われる恐れもあります。

この時点でのスキームの決定は暫定的なもので、後で変更することも可能です。たとえば、会社全体の経営権を得る株式譲渡を予定していたが、買収したくない不採算事業があることが分かり、買収したい事業だけを買い取る事業譲渡に切り替えるといったことがあります。

株式譲渡について詳しく知りたい方はこちら▼
合併について詳しく知りたい方はこちら▼
組織再編について詳しく知りたい方はこちら▼
株式交換について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑧買い手側と売り手側のトップ面談

基本合意書を締結する前の段階で、売り手側と買い手側のトップ面談を行います。ここまでは書面による検討やM&Aコンサルタントとの話し合いがメインでしたが、ここからは買い手と売り手のトップ同士が本格的に顔合わせすることになります。

トップ面談に参加するのは、買い手・売り手の経営者とM&Aコンサルタント、M&Aに深く関与する一部の役員や社員、主要株主などです。M&Aコンサルタントの司会進行のもと、お互いの経営ビジョンや譲渡後の方針などについて理解を深め合います。

トップ面談はM&Aの条件交渉だけでなく、相手の経営者の人間性を見て信頼関係を築く場でもあります。よって、買収価格の交渉などシビアな話はできるだけ避けるのがよいとされています。

トップ面談について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑨基本合意書の締結

トップ面談でお互いのM&Aの意思が固まったら、現時点での合意内容を基本合意書に締結します。スキームや条件、買収価格や今後のスケジュールなどについて、合意した範囲で記載します。

基本合意書は最終決定ではないので、一部を除いて内容に法的拘束力は持たせません。基本合意書で例外的に法的拘束力を持たせるのは、「独占交渉権」「デューデリジェンスへの協力義務」「秘密保持義務」などです。

独占交渉権とは、売り手が他の買い手と交渉しないようにする権利のことです。基本合意書を締結後に、買い手が行うデューデリジェンスにはコストがかかるので、売り手が他の企業と契約してコストが無駄にならないように必要です。
売り手に対するデューデリジェンスへの協力義務も、デューデリジェンスのコストを無駄にしないために必要です。

秘密保持契約はネームクリアの段階で一度締結していますが、ここであらためて条項に盛り込みます。

独占交渉権について詳しく知りたい方はこちら▼
秘密保持契約(NDA•CA)について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

最終契約フェーズ

基本合意締結後、デューデリジェンスからクロージングまでのプロセスが最終契約フェーズとなります。

 

⑩デューデリジェンス(DD)の実施

M&Aの最終契約を締結する前には、デューデリジェンスが行われることがあります。デューデリジェンスとは、買い手側が売り手企業に対しておこなう調査のことで、DDと略されることもあります。

M&Aを締結するにあたっては相手企業の実態を詳細に把握することが不可欠です。そのため、現在の企業価値や将来性、潜在的なリスク、財務状態、人事制度やマネジメントなど、あらゆる観点から相手企業の情報を収集し、分析するのです。その結果をもとに、本当にM&Aを行うべきか、どのようなスキームが適当か、価格はいくらが妥当か、といったことを検討していくことになります。

M&Aを行って本当に問題がないかどうか、徹底的な調査が必要なのです。M&Aを成功させるためには、デューデリジェンスがもっとも重要な過程といっても差し支えないでしょう。

デューデリジェンスについて詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑪最終条件の交渉・締結

デューデリジェンスの結果、M&Aを進めることに大きな障害がないという判断をしたら、いよいよ最終契約に向けた交渉に入ることになります。譲渡のスキームや価格、条件など、具体的な事項に合意し、最終契約書をとりまとめるのです。契約書の締結をもってM&Aは成立となります。

その後、実際に経営権の移転などを完了させて、案件がクロージングされます。

最終契約書(DA)について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

⑫クロージング

クロージングとは、最終契約書の内容にもとづいて実際にM&Aを実行することです。

クロージングの具体的な手続きは、スキームによって全く違ってきます。たとえば、株式譲渡では売り手の株式の売却が行われますが、事業譲渡では株式の譲渡は行われず、事業資産そのものを売却します。

他には、売り手の従業員が買い手企業に移籍するなら雇用契約が必要になりますし、新規事業の譲受にともない許認可の取得が必要になることもあります。

クロージングについて詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

 

 

M&A実施後の統合プロセス【PMI】

PMI(統合プロセス)とは、クロージング後に売り手と買い手の組織構成や業務システムなどを調整することです。

M&Aでは、これまで別々に活動していた企業が親会社子会社などの強い関係性を持って協働していくので、すり合わせ作業が非常に重要になります。統合プロセスに失敗すると想定していたシナジー効果が得られず、M&Aを行った意義が大きく損なわれることになりかねません。

統合プロセスは業務システムの統合なども重要ですが、売り手と買い手の従業員の良い人間関係の構築、組織が大きく変わることに対する不安の解消など、精神的な面での対処も重要になります。

PMIについて詳しく知りたい方はこちら▼
親会社について詳しく知りたい方はこちら▼
子会社について詳しく知りたい方はこちら▼

 

 

M&Aのフロー内で意識すべきポイント

ここまで整理したM&Aのフローの中で、特に意識すべきポイントがいくつかあります。

重要な点を再度確認しておきましょう。

 

NDAの必要性

先ほども見た通り、NDAとは秘密保持契約のことです。M&Aにおいて知り得る情報は基本的に極秘情報であり、第三者には開示しないことが求められています

買い手側の企業は、売り手側の企業の営業秘密やさまざまな内部情報を得ることができる立場ですが、売り手企業の多くは売却の検討をしていることすら対外的には秘密としているケースがほとんどです。そうした事実がうわさとして流れてしまうと、企業に対して業績悪化の懸念など悪い印象がついてしまう場合があり、業績に多大な影響を及ぼすかもしれないからです。

NDAの契約書には、何をもって秘密情報とするのか、契約の有効期限、損害賠償に関する規定などが盛り込まれているのが一般的です。相手企業を守るためにも、M&Aの検討を進めるうえで得た情報は第三者に漏らさないという誓約が必要となります。

 

デューデリジェンスの必要性

デューデリジェンスは手間も費用もかかるプロセスですが、M&Aを進める上では必須です。デューデリジェンスの目的を確認しておきましょう。

デューデリジェンスの第一の目的は、相手の企業価値を評価することです。M&Aを成功させるためには相手企業への理解を深めることが重要ですが、帳簿上には現れていない経営上のネガティブな実態などがある可能性もあるため、あらゆる情報を集めて多角的に相手企業を分析し、総合的に企業価値を評価しなければいけないのです。

相手企業についてリスクも含めて把握することができれば、M&Aを進めるにあたって適切なスキームを検討しやすくなります。看過できない問題がある場合はM&Aをとりやめるということも選択肢の1つとなりますが、その問題について契約書に何かしらの条件を記載することでリスクの低減を図ることも可能でしょう。

また、相手企業への深い理解により、株主などのステークホルダーに対してM&Aの意義についてより説得力のある説明ができるようになります。

さらに、M&Aは相手企業を買収したら終わり、というわけではありません。むしろ、どのようにシナジー効果を出していくのか、M&Aが終わってからが本当のスタートです。M&A後を見据えた最適な方針を検討するうえでも、デューデリジェンスは大切なのです。

ステークホルダー

 

 

成立期間の長さ

M&Aには時間がかかりそうだ、という印象を抱いている人が多いでしょう。実際、M&Aを成立させるための期間として一般的な目安とされているのは、準備期間も含めて半年から1年程度です。規模にもよるので、小さい案件であれば2~3カ月でクロージングに至る場合もあるものの、大きい案件であれば1年以上かかることも珍しくありません。

初めの段階で、マッチングできる企業がなかなか見つからないケースが多くあります。条件の合う相手を見つけることは困難であり、さらに、自社にとってはいい相手だとしても相手企業にとっても納得のできる条件でなければ先には進めないからです。

また、デューデリジェンスも時間のかかるプロセスです。相手企業の規模に応じて数週間程度はかかるとされていますが、M&Aの成功を左右する大切なプロセスなので、無理に短期間で済ませようとすべきではありません。

重要な場面で焦らなくてよいように、M&Aに関心を抱いたらできるだけ早くに準備を始めるようにしましょう。会社をいつまでにどのような状況にしていたいのか、具体的に思い浮かべながらスケジュールを意識した方針を立てるのがポイントです。

 

M&A仲介会社・サービスを利用してM&Aをする

M&Aが増えている今、M&Aをスムーズに進めるためのサービスにはたくさんの選択肢があります。取引先の銀行証券会社の担当者からいい情報を得られることもあるでしょう。付き合いのある税理士弁護士にM&Aを検討している旨を話してみるのも方法の1つです。また、M&Aを専門に取り扱う会社であれば幅広い情報が手に入るだけでなく注意点やポイントなどをさまざまな観点から教えてくれるはずです。

ただ、会社の規模や業種によっては、相談してもあまりいい案件に巡り合えない可能性もあります。特に金融機関や専門の仲介会社などは、一定の規模以上の会社のM&Aは得意であっても小規模なM&Aについてはあまり前向きではないケースもあります。

そんな時にも便利なのが、インターネット上でのサービスです。ネット上のM&Aマッチングサイトなどを利用すると、企業規模に関係なく多くの案件を見つけることができます。また、自分のペースで進めることができるのもネットを利用するメリットの1つです。

まずは情報収集もかねて気軽に探してみたいというような場合は、M&Aマッチングサービスの利用も検討してみるとよいでしょう。

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仲介会社の業務内容とは

M&Aを進めるにあたっては、ほとんどのケースで専門家から何らかのサポートを受けます。中でも、仲介会社に相談するケースが多いでしょう。仲介会社は、買い手企業と売り手企業との間に立ってそれぞれの条件などをすり合わせることでM&Aを成功に導く手助けをする役割を担っています。

知見を生かし、双方の企業にとって最適となる条件を提案してくれるので、M&Aを円滑に進めることができる可能性が高くなるのが特徴です。

 

ネットM&Aサービスの内容とは

最近では、ネットで完結するM&Aサービスを利用する会社も増えています。M&Aを検討する企業に、売却を検討している会社などの情報をネット上で提供し、M&Aの成立をサポートするサービスです。

中には、完全にサイト完結型のものもあります。仲介会社のサービスを利用するよりも多くの情報を手軽に探すことができ、自社に合う案件を見つけることができる可能性も高いため、人気が高まっています。

ネットのマッチングサービスは、M&Aを検討しているけれど、まずは手軽に情報が欲しいという人や、忙しいので空いた時間に簡単に案件を探してみたい、という人にとって特に使い勝手のいいサービスとなっています。

 

代表的なM&A仲介会社の種類と違いとは

M&Aを手掛ける仲介会社は数多くありますが、有名な会社をいくつか比較してみましょう。

 

日本M&Aセンター

日本M&Aセンターは大手仲介会社で、M&Aや事業承継の成約実績第1位を誇っています。全国各地の金融機関や会計事務所と提携しているため、国内有数のM&A関連データベースを有しているのが特徴です。得意分野は中小企業の支援で、中小企業のM&Aサポート歴30年という確固たる実績が裏付けとなり、多くの企業に信頼されています。

 

M&Aキャピタルパートナーズ

M&Aキャピタルパートナーズも大手仲介会社の1つで、これまで多種多様な案件を手掛けています。検討の初期段階から成約までを1人のコンサルタントが専任で担当するのが特徴で、M&Aに不安を抱いている経営者にとっても安心して利用できるサービスです。相手企業との基本合意に至るまでは料金が発生しないという着手金無料のシステムを採用しているため、しっかり納得してM&Aを進めていきたいという企業におすすめです。

 

株式会社ストライク

M&Aの仲介には多くの会社がありますが、その中でも上場しており業界の中でも早々にネットM&Aに着手した企業です。「SMART」というM&A市場を用いてオンラインでマッチしそうな会社を見つけ出すことが可能です。中堅企業のM&Aに特化しており、事業承継セミナーなどの開催も積極的に行っています。

 

山田コンサルティンググループ

山田コンサルティンググループは、中小企業から大企業まであらゆる案件を取り扱う仲介会社です。最大の特徴はグローバルにサービスを展開していることで、タイやベトナム、アメリカなどに現地法人を持つほか、アジアや欧米など世界各国に提携先があります。海外案件も含め幅広い提案が期待できるため、海外進出を狙っている企業にも人気があります。

 

M&A総合研究所

M&A総合研究所は、多様な業種の中小企業を中心とした案件の実績が豊富な仲介会社です。最大の特徴はスピードで、AIを利用したマッチングシステムを採用しており、通常は半年以上かかることが多いM&Aのプロセスを最短3カ月程度で終わらせることもあります。ネットワークも駆使し、条件に合った候補を迅速に見つけてくるため、できるだけ時間をかけずにM&Aを進めたいという企業にもおすすめです。

 

M&Aの対象先企業はどう選ぶのか

M&Aの候補企業はどのように選んでいけばいいのでしょうか。

まずは業種を絞るのがポイントです。現在の事業における規模拡大を狙うのであれば、同じ業種にターゲットを絞ることができます。また、新事業に参入して経営の多角化を進めるのであれば異業種を見ることになるでしょう。

異業種でも既存の事業との親和性が高い業種を選択するべきであり、そのためには改めて自社の事業を分析したうえで、複数の業界を比較調査していく必要があります。

業種を限定していくつかの候補が上がってきたら、その中からもっとも自社の事業や文化とうまく融合させることができそうな会社を選んでいきます。それぞれの企業の業績や強み、企業理念などを確認しましょう。

 

 

M&Aでおさえておくべきポイントとは

M&Aを進めるにあたって押さえておくべきポイントは何でしょうか。企業の規模やM&Aの目的、経営方針によっても変わってくるはずですが、売り手・買い手それぞれについて意識すべきポイントを見てみましょう。

 

売り手が意識したいポイント

M&Aを成功させるために、売り手が意識しておくべきポイントはどこでしょうか。

一番大切なのは、自社の魅力をわかりやすく相手に伝えることです。当然ですが、買い手はなにかしらのメリットを得るためにM&Aを検討しています。相手にどのようなメリットを提供できるのか、自社の強みを棚卸ししましょう。

技術力やブランド力など強みが見つかったら、相手にそれをわかりやすく説明できるように整理し、メリットを感じさせることができるように準備することが大切です。

ただし、会社をよく見せるために嘘をついたり重要な情報を隠蔽(いんぺい)したりしてはいけません。相手に不利な隠し事などをしていたことが明るみに出ると、契約が締結した後であっても訴訟などのリスクを負います。情報はネガティブなものであっても適切に開示し、誠実な態度で交渉に挑むようにしましょう

また、相手企業が自社の事業や経営理念に理解を示してくれるかどうかは慎重に見極めた方がよいでしょう。自社の思いをくみとってくれる相手であれば、後悔しないM&Aを進めることができるはずです。

 

買い手が意識したいポイント

では、買い手が意識すべきポイントは何でしょうか。

まずは、相手企業に対する理解を深めることです。事業内容や財務状況、商流、社歴など、あらゆる観点から相手のことを知り分析しましょう。そうすることでM&Aにおけるリスクを減らすだけではなく、交渉の上でも熱意を伝えやすくなり、スムーズに話を進めることができます。

売り手企業は、M&Aをしたあとに自社がどうなるのかということについて大きな不安を抱いているものです。信頼してもらうためにも、関心と熱意をもって挑むとよいでしょう。

また、企業文化が似通っていることも重要なポイントとなります。M&Aは、統合してからが本当のスタートです。しかし、企業文化の違いなどによる軋轢(あつれき)が生まれてうまくシナジー効果が出せないこともあります。

相手企業の文化が自社の文化と親和性が高いかどうか、M&A後の様子も想像しながら見極めることが必要です。

 

まとめ

M&Aについて、大まかな流れとポイントが理解できたでしょうか。

興味はあるけれど複雑そうだからなかなか一歩が踏み出せない、とM&Aに尻込みしている経営者も多いかもしれません。けれど、スムーズなM&Aを進めるためのサポートツールはたくさんあります。自社に合うサービスを利用し、M&Aへの第一歩を踏み出してみてください!

 

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