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2023/09/03

《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 マッチング編~

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《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 マッチング編~
《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 マッチング編~ まず、M&A/事業承継の大まかなプロセスは以下のとおりです。 M&A/事業承継のプロセスとスケジュール感:https://batonz.jp/learn/expert_articles/3303 ①案件化 《M&A成功への秘訣》 M&A/事業承継で気を付けるべきポイント~売り手 案件化編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3298 《M&A成功への秘訣》 M&A/事業承継で気を付けるべきポイント~買い手 案件化編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3308 ↓ ②マッチング 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 マッチング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3302 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 マッチング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3317 ↓ ③トップ面談・基本合意契約の締結 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 トップ面談・基本合意編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3299 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 トップ面談・基本合意編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3327 ↓ ④デューデリジェンスの実施 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 デューデリジェンス編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3300 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 デューデリジェンス編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3335 ↓ ⑤契約締結・クロージング手続き 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 契約・クロージング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3346 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 契約・クロージング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3348 今回は、買い手側における「②マッチング」について解説していきます。 買い手の「②マッチング」は主に以下の工程に分けられます。 ⑴:アプローチを受ける 買い手は、売り手の仲介会社より案件のアプローチを受けます。バトンズなどのプラットフォームの場合は、売り手候補からアプローチが来るほか、自分から売り案件を探すこともできます。何度もM&A/事業承継をしている買い手は、関係性のある仲介会社等から優先的に案件が回って来ることがあります。 ⑵:NMシートの受領 次に買い手は、⑴で興味を持った案件のNMシートを受領し、会社が特定できない範囲で譲渡企業の情報を受け取り、買収の検討をします。 ⑶:ネームクリア依頼+IMの受領 そして、⑵で更に興味を持った案件に対して、ネームクリアと呼ばれる売り案件の企業名の開示を依頼します。その許可が売り手から降りた場合、詳細な企業情報を記載したIM(企業概要書)を受領し、より詳細な買収の検討を行います。 上記を実施した結果、買い手がその案件に対してM&A/事業承継に積極的な意思を示した場合、③トップ面談・基本合意契約の締結に続いていきます。
★各プロセスにおける注意点とポイント
★各プロセスにおける注意点とポイント ⑴:アプローチを受ける ここでのポイントは、如何にして案件のアプローチを受けるかです。 買い手は、①案件化の時点で事前に買収候補を具体的にイメージしてM&A/事業承継にどのような効果を求めるかを検討しておくことが重要ですが、実際にM&A/事業承継を実施する場合は、売り案件を入手しないと始まりません。その案件を受領するためには、事前に案件を持ってくる仲介会社と繋がりを確保しておく方がいいです。その結果、売り案件が優先して回ってくるでしょう。不動産等と同じように良い案件は、ストロングバイヤーと呼ばれる、常連の買い手に優先して回されます。その方が成約率が高いからです。 仲介会社から営業を受けることもあるかと思いますが、良い案件は繋がりのある仲介会社から来ますのでM&A/事業承継をすると検討した場合は、仲介会社からの営業を無下にしないほうが、その後の関係を良好に作れるでしょう。その結果、良い案件が来る可能性が高まります。 バトンズ等のプラットフォームを利用する場合でかつ仲介会社が間に入っていない場合は、良い案件が登録されたら、すぐに興味があることを示すアプローチをすることが必要です。良い案件は登録してすぐ成約します。遅れないようにしましょう。 ⑵:NMシートの受領 ここでのポイントは、相場観をもって検討することです。 仲介会社やバトンズなどのプラットフォームで案件を見ていくと様々な条件の案件があるかと思います。しかし、M&A/事業承継における価格の相場観がないと、その買収金額(投資額)に対して、M&A/事業承継から得られるリターンが釣り合っているのか、あるいは買収価格が割安なのかわかりません。その結果、自分の希望に対して進めるべき割安の良い案件を適切に見つけられない状態となります。 そのため最低限、事前にM&A/事業承継における希望案件の価格相場を把握しておくことが重要です。相場観がないと全ての案件が良く見えたり、逆に悪く見えて迷ってしまうでしょう。 価格の相場観を把握するには、価格の算定技法を理解することで対処できます。算定技法については以下のコラムに記載してございますのでご参考ください。中小企業の場合は、時価純資産に調整後営業利益の1~3年分位を加えた金額がおおむねの相場観となります。簡単に算出するのであれば、純資産+営業利益でいったんは問題ないでしょう。 コラム 買収価格に相場はあるのか:https://batonz.jp/learn/expert_articles/3270 他にも相場観を身に付けるために、バトンズ等のプラットフォームでしばらく色々案件を見ていくことも一つの手です。見てくと段々相場観を身に付けることができます。あるいは、仲介会社や専門家に相談するのも一つです。弊社であればいつでもお気軽にお問い合わせください。 ⑶:ネームクリア依頼+IMの受領 ここでのポイントは、案件の見極めです。 ⑵で良い案件や割安な案件を見つけて、ネームクリアを依頼しIMを受領した後、より詳細な情報が入手できて、買収の検討がしっかりとできるようになります。 ここでは、その買収候補の企業の強みや弱み、なぜM&A/事業承継を希望しているのかなどを検討し、この次のステップに進めるべきかを判断するために案件の検討を丁寧にしましょう。その企業を買収することで、自社の希望にあったM&A/事業承継になりますか?買収価格は適正ですか?違和感を感じるところはないですか? まだこの後の手続きでも買収が決定したわけではないですが、次はトップ面談という社長同士の面談になりますので安易な気持ちで臨むのは相手方の機嫌を損ねる恐れがあります。相手先の社長から「なぜその企業をM&A/事業承継したいのか」という事を聞かれたときに、失礼の無いようにちゃんと答えられるようにしましょう。売り主は、その理由がちゃんと答えられる人に売りたいはずです。なんとなくの人には売りません。 またIMなどを受領した際に、その資料の作成日やバトンズ等に案件を登録した日を確認しましょう。いい案件は通常、案件登録をしてから数カ月で成約しますが、良い条件ではない案件は昔から残っていることが多いです。昔からある案件かどうかという点でも、良い案件かあまり良い条件ではない案件かを推察する一つの要素とすることができます。
用語解説:
用語解説: ・M&A仲介会社: M&Aの仲介業務を行う会社のこと。 譲渡企業と譲受企業の間に立ち、双方の希望を擦り合せながらM&Aの成約までをサポートします。それぞれ会社によって特徴が異なり、一人の担当が案件獲得から成約まで行うところもあれば、譲渡企業と譲受企業ごとに担当を分けてるところもあるなど、会社によって様々です。バトンズのようなプラットフォームを含んでM&A仲介会社という場合も多い ・ファイナンシャルアドバイザー(FA): M&Aにおける計画の立案から成約までの助言業務をする会社のこと。 契約締結した譲渡企業/譲受企業の利益の最大化支援や専門知識を生かした法務・財務・税務面への助言や戦略立案、交渉への参加などをします。どこまでするかは会社によって様々です。 ・顧問: 会計士や税理士、弁護士などの士業事務所のこと。 M&Aのプロセスにおける財務や法務といった分野で専門的な知識を持っているのが強みです。特に、M&Aの中で最難関ともいわれるデューディリジェンスについては、譲受企業からこれらの士業事務所に委託することが一般的です。 ただし、一般的に士業事務所については、デューディリジェンスなどの一部の業務においては強みを発揮しますが、M&Aの全体感や経験といった面ではFAや仲介に劣ることがあるため、その点は注意が必要です。 ・ノンネームシート(NM): 会社が特定されない範囲の情報をまとめた資料のこと。 このノンネームシートは主に仲介会社が譲受企業へ譲渡企業を紹介する際に使用され、大まかな会社概要や財務内容などが記載されることが一般的です。 ・企業概要書(IM): ノンネームシートよりも詳細に企業概要を記載した資料のこと。 ノンネームシートによって譲受を希望した企業には、より詳細な会社概要、財務状況や譲渡企業の強みなどをまとめた企業概要書(IM)が開示されます。この企業概要書などの資料をもとに譲受企業はM&Aを進めるか判断します。これらの仲介会社等を介して譲受企業に提供される情報を正確にするため、自社に関する資料の準備は早い段階から準備することをお勧めします。 ・ネームクリア: ノンネームで打診した譲渡対象となる企業名を買い手候補企業に開示すること ネームクリアは買い手候補であれば誰でも開示するものではありません。 売り手にとって、買い手候補が直接の競合企業であった場合などには、ネームクリアを拒否することもでき、ネームクリアをするかどうかの判断ができます。ノンネームシートからネームクリアのステップを経ることで、対象会社は自社の経営情報の漏えいを防ぎつつ、買収してもらえる可能性の高い買い手候補により詳細に検討を進めてもらえるというメリットがあります。ネームクリアのデメリットは企業名や各種情報が買い手候補に開示されることで、機密情報が漏えいするリスクが高くなってしまうことです。 ・デューデリジェンス(DD): 買収監査のこと。 M&Aを実行する前に、対象となる企業の価値やリスクなどを調査することを指します。デューデリジェンスには、組織や財務活動の調査をするビジネス・デューデリジェンス、財務内容などからリスクを把握する財務デューデリジェンス、定款や登記事項などの法的なものをチェックする法務デューデリジェンス、税務リスクを把握する税務デューデリジェンス、人事労務面のリスクを調査する労務デューデリジェンスがあります。 買い手のリスクを減らすために行われるため、買い手によっては実施しない場合があります。バトンズ等で専門家が間に入らない場合、デューデリジェンス業務が実施されないことが多いです。
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