M&A
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2023/07/27

買収価格に相場はあるのか

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買収時の取引価格の相場
M&Aを初めて実施する際に、買収価格が妥当なのかという点をよくご質問としていただきます。 ではまずそもそも物の価格とはなんでしょうか。一般的に、企業も含めた「価格」とは、需要と供給のバランスによって決まります。売りたい人が多い一方で、買いたい人が少ないと値段が下がります。買いたい人が多いにも関わらず、売りたい人が少ないと値段は上がります。季節ごとに野菜の値段が変動するのと同じですね。ではM&Aにおいてはどのように買収価格は算定されるのでしょうか。 まず上場企業などの場合は、株価(時価)をもとに企業価値を算定することが多いですが、中小企業のいてはM&Aを実施する場合、当然株価(時価)はありませんので、他の方法を用いて価値を算定します。そこで一般的に用いられる方法が以下の4つの手法です。 ・インカム・アプローチ:評価対象会社から期待される利益、ないしキャッシュ・フローに基づいて価値を評価する方法 ・マーケット・アプローチ:上場している同業他社や、評価対象会社で行われた類似取引事例など、類似する会社、事業、ないし取引事例と比較することによって相対的な価値を評価する方法 ・ネットアセット・アプローチ:主として評価対象会社の貸借対照表記載の純資産に着目して価値を評価する方法 (日本公認会計士協会 企業価値評価ガイドラインより https://jicpa.or.jp/specialized_field/publication/files/2-3-32-2a-20130722.pdf) ・その他一般的なアプローチ:時価純資産+EBITDAの○○倍 上記の算定方法(やそれらの組み合わせ)で価格を算定するのが一般的であり、この方法で算出された価格が最初の買収価格の相場となることが多いです。その相場に加えて、上記の需要と供給のバランスやシナジーなどをもとに最終的な取引価格に落ち着くことが一般的です。 しかし、小規模企業や個人ですと上記手法を用いた場合価値がつかないことが多く(特に理美容室は借入があったり、将来の期待利益やCFが投資額に比べて小さい場合が多いため価格が付きにくいです。)結果、売り手様の売却希望額を価格の基礎として案件がスタートします。しかし、買い手様は上記手法で相場を理解して企業を探しているため、あきらかに相場よりも価格が高いと買われず、また低すぎると何かあるのではないかと疑いが強くなってしまい案件が進まないことが多くございます。 そのため、売り手様は案件を進める場合はまず相場を把握して、そのレンジを意識した価格設定を行うと案件がスムーズに進みますので是非ご参考ください。もし希望の価格がつかないのであれば、顧問税理士等と相談してより良い数字作りのためにどのようにすればよいのかや、会計士などの専門家にプレデューデリジェンスの実施しを依頼し、企業価値を向上させるために方策を相談し希望価格が付くように対応されてはいかがでしょうか。結果、より希望の値段で売却が進むことでしょう。 買い手様は、上記相場を理解することで高値掴みや安物買いの銭失いのリスクを低減させることができます。また買収時に各デューデリジェンスを実施することで、事前にリスクを把握しより有利な価格や条件で取引を行うことができます。 相場を理解してより良い事業承継・M&Aをされてはいかがでしょうか。ご不明な点がございましたらいつでもご気軽にご連絡ください。
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