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2023/08/31

《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 マッチング編~

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《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 マッチング編~
《M&A成功への秘訣》M&A/事業承継で気を付けるべきポイント~売り手 マッチング編~ まず、M&A/事業承継の大まかなプロセスは以下のとおりです。 M&A/事業承継のプロセスとスケジュール感:https://batonz.jp/learn/expert_articles/3303 ①案件化 《M&A成功への秘訣》 M&A/事業承継で気を付けるべきポイント~売り手 案件化編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3298 《M&A成功への秘訣》 M&A/事業承継で気を付けるべきポイント~買い手 案件化編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3308 ↓ ②マッチング 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 マッチング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3302 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 マッチング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3317 ↓ ③トップ面談・基本合意契約の締結 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 トップ面談・基本合意編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3299 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 トップ面談・基本合意編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3327 ↓ ④デューデリジェンスの実施 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 デューデリジェンス編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3300 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 デューデリジェンス編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3335 ↓ ⑤契約締結・クロージング手続き 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~売り手 契約・クロージング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3346 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~買い手 契約・クロージング編~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3348 今回は、売り手側における「②マッチング」について解説していきます。 このプロセスでは、基本的に仲介会社が動きますので、売り手のタスクは多くありません。売り手の「②マッチング」は主に以下の工程に分けられます。 ⑴:ロングリストへアプローチ まず売り手は、買い手候補のリスト(ロングリストやショートリスト等と呼ばれています)へアプローチをします。 バトンズなどのプラットフォームの場合は、買い手候補に一斉にアプローチができます。 ⑵:NMシートの提供 次に売り手は、⑴で案件に興味を持った買い手にNMシートを提供し、案件の大まかな内容を伝達します。 ⑶:ネームクリア+IMの提供 そして、⑵で更に興味を持った買い手から詳細を知りたいと希望が来た場合、ネームクリアと呼ばれる企業名の開示手続きをして、詳細な企業情報を記載したIM(企業概要書)を提出します。 上記を実施したのち、双方買収に向けて真剣に検討したい場合は、③トップ面談・基本合意契約の締結に続いていきます。
★各プロセスにおける注意点とポイント
★各プロセスにおける注意点とポイント ⑴:ロングリストへアプローチ ここでのポイントは、アプローチをかける買い手候補を事前検討しておくことです。 アプローチをかける相手が少ないと、案件に興味を持ってくれる相手が出てくる可能性が単純に低くなります。しかし、買い手が誰でもいい訳ではないと思いますので、どのような相手に買ってほしいかを事前に具体的に検討しましょう。それは、同業他社でしょうか。個人事業主でもいいのでしょうか。大企業に買い取ってもらって自社を更に発展してもらいたいでしょうか。また、買って欲しくない相手もいると思いますのでそれも含めて検討します。 その買い手候補となりうる相手方に対して仲介会社がアプローチを掛けますので、ここが抽象的だと効果的・効率的なアプローチができません。売りたくない相手に興味を持ってもらったも仕方ないですからね。 ⑵:NMシートの提供 ここでのポイントはNMシートのクオリティと情報漏洩への注意がポイントです。 NMシートの情報が少ないと買い手は案件のイメージがわかず興味を持ちづらいです。結果、せっかくアプローチした買い手候補が案件に興味を持てず、次のステップに進む件数が少なくなります。それは良い買い手候補が減ることに繋がります。 一方で、NMシートを詳しく書きすぎると、売り手企業がどこか分かってしまう可能性が高くなります。 売り手企業が分かると、その噂が広がりその企業に勤めている従業員が不安になってしまい、最悪退職してしまいます。あるいは取引先企業に伝達した際に不利な条件で取引することになったりする可能性があります。 事前にM&Aの情報が外部に伝わることで、良い影響は基本的にないと考えた方がいいです。もちろん、事前に従業員や取引先にM&Aするかもしれないと伝えて、M&Aに備えて準備することもできますが、この段階ですることではありません。まだ契約もしていない段階で余計な情報を出して混乱を招くのは辞めましょう。最悪、事業運営に影響がでます。 上記両方のバランスをとるために、NMシートの作成を仲介会社に任せきりにするのではなく、売り主も積極的に作成に参加しましょう。 自社の魅力をちゃんと伝えつつも、情報漏洩しないように一緒になってNMシートを作りこみましょう。ここでの作りこみが買い手候補を多く捕まえる秘訣です。 ⑶:ネームクリア+IMの提供 ここでのポイントは対応のスピード感です。 このステップに来る相手は、仲介会社がアプローチをかけてNMシートを見た結果、案件に興味を持ってくれた買い手候補です。 つまり温度感が高い買い手候補ですので、買い手候補の温度感を下げてはいけません。温度感を下げないために、ネームクリアとIMの提供は買い手候補からリクエストがあった時はすぐに対応しましょう。そして買い手候補から質問があった場合は、なるべく早く回答することです。ここでの対応が遅いと買い手候補は温度感が下がり、案件に興味を失ってしまいます。 ネームクリアとIMの提供をする際、基本的に仲介会社から売り主へ、買い手候補に対して売り手企業の名前を出して詳細な資料を共有していいかと必ず聞きます。ネームクリアの手続きをすることで、売り主が売りたくない買い手候補や、情報開示したくない相手に対して、案件の情報開示を防ぐ効果があります。そのため仲介会社は売り主に対して、ネームクリアのリクエストがあった場合は、基本的に売り主に対して開示の確認をしますが、ここのネームクリアの手続きをできるだけ早く対応しましょう。 仲介会社もちゃんとこの対応が早い会社が(つまり今までのレスの対応が早い会社)ベストです。仲介会社が遅いと売り主がどれだけ頑張っても、どうしてもレスポンスが遅れがちになります。売り主自身もすぐに検討して連絡を返すようにすることで、最終的な制約へ進む可能性がグッと高まります。 買い手候補の温度感を下げないことが重要です。
用語解説:
用語解説: ・M&A仲介会社: M&Aの仲介業務を行う会社のこと。 譲渡企業と譲受企業の間に立ち、双方の希望を擦り合せながらM&Aの成約までをサポートします。それぞれ会社によって特徴が異なり、一人の担当が案件獲得から成約まで行うところもあれば、譲渡企業と譲受企業ごとに担当を分けてるところもあるなど、会社によって様々です。バトンズのようなプラットフォームを含んでM&A仲介会社という場合も多い ・ファイナンシャルアドバイザー(FA): M&Aにおける計画の立案から成約までの助言業務をする会社のこと。 契約締結した譲渡企業/譲受企業の利益の最大化支援や専門知識を生かした法務・財務・税務面への助言や戦略立案、交渉への参加などをします。どこまでするかは会社によって様々です。 ・顧問: 会計士や税理士、弁護士などの士業事務所のこと。 M&Aのプロセスにおける財務や法務といった分野で専門的な知識を持っているのが強みです。特に、M&Aの中で最難関ともいわれるデューディリジェンスについては、譲受企業からこれらの士業事務所に委託することが一般的です。 ただし、一般的に士業事務所については、デューディリジェンスなどの一部の業務においては強みを発揮しますが、M&Aの全体感や経験といった面ではFAや仲介に劣ることがあるため、その点は注意が必要です。 ・ノンネームシート(NM): 会社が特定されない範囲の情報をまとめた資料のこと。 このノンネームシートは主に仲介会社が譲受企業へ譲渡企業を紹介する際に使用され、大まかな会社概要や財務内容などが記載されることが一般的です。 ・企業概要書(IM): ノンネームシートよりも詳細に企業概要を記載した資料のこと。 ノンネームシートによって譲受を希望した企業には、より詳細な会社概要、財務状況や譲渡企業の強みなどをまとめた企業概要書(IM)が開示されます。この企業概要書などの資料をもとに譲受企業はM&Aを進めるか判断します。これらの仲介会社等を介して譲受企業に提供される情報を正確にするため、自社に関する資料の準備は早い段階から準備することをお勧めします。 ・ネームクリア: ノンネームで打診した譲渡対象となる企業名を買い手候補企業に開示すること ネームクリアは買い手候補であれば誰でも開示するものではありません。 売り手にとって、買い手候補が直接の競合企業であった場合などには、ネームクリアを拒否することもでき、ネームクリアをするかどうかの判断ができます。ノンネームシートからネームクリアのステップを経ることで、対象会社は自社の経営情報の漏えいを防ぎつつ、買収してもらえる可能性の高い買い手候補により詳細に検討を進めてもらえるというメリットがあります。ネームクリアのデメリットは企業名や各種情報が買い手候補に開示されることで、機密情報が漏えいするリスクが高くなってしまうことです。 ・デューデリジェンス(DD): 買収監査のこと。 M&Aを実行する前に、対象となる企業の価値やリスクなどを調査することを指します。デューデリジェンスには、組織や財務活動の調査をするビジネス・デューデリジェンス、財務内容などからリスクを把握する財務デューデリジェンス、定款や登記事項などの法的なものをチェックする法務デューデリジェンス、税務リスクを把握する税務デューデリジェンス、人事労務面のリスクを調査する労務デューデリジェンスがあります。 買い手のリスクを減らすために行われるため、買い手によっては実施しない場合があります。バトンズ等で専門家が間に入らない場合、デューデリジェンス業務が実施されないことが多いです。
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