| 公開日 | 2026/10/26 |
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| 記載者 | あさひ国際会計株式会社 |
M&A
赤字の美容室を譲るときに、確かめておきたいこと
赤字・債務超過の会社の再生型M&A。成約は年間60件以上、最多は運送・物流。経営者の連帯保証の解除まで見すえて進めます。成功報酬のみ・相談無料
専門分野
M&Aアドバイザー(全般相談)
事業再生
サーチ(譲渡案件発掘)
デューデリジェンス
PMI
海外対応
対応可能エリア
日本全国対応可能
海外全般
赤字の美容室でも、譲ることはできるのか
赤字の美容室でも、譲れる可能性はあります。ただし、買い手が確かめにくる点について、書類をそろえて答えられるようにしておく必要があります。
当社が仲介する譲渡案件44件について、2026年1〜10月に買い手から受けた質問999問を分類すると、もっとも多かったのは「従業員が残るか・雇用の条件」で16.6%でした。次いで「決算・損益の中身」が14.2%、借りている物件やリースを含む「引き継ぐ資産」が13.4%と続きます。「許認可を引き継げるか」という質問も、約3分の1の案件で出ています。順位は質問の多さで、譲渡の成否を決める順番ではありません。
当社も、美容の事業を譲る案件を扱った経験があります。譲渡案件の9割を超えるものは事業譲渡で、借入を売り手の会社に残し、店の事業だけを買い手に移す形をとっています。
買い手がいちばん多く聞くのは、スタッフが残るかどうか
スタッフについての質問は、7割を超える案件で出ています。美容室で最初に整理したいのは、誰がどの条件で働いているかです。
当社が仲介する譲渡案件では、買い手から「雇用契約書や労働条件通知書はあるか。勤怠をどう管理しているか」という質問が届きます。業務委託で働いているスタイリストがいる店では、雇用なのか委託なのかを、まず書面で整理しておく必要があります。歩合の計算方法が口約束のままなら、計算の根拠を紙に起こしておくと、買い手に説明しやすくなります。
分かれ目は、指名のお客様が誰についているかです。売上の多くを特定のスタイリストが持っているなら、その人が残るかどうかで買い手の見方は変わります。社長ご自身がいちばんの稼ぎ手なら、譲ったあとも一定期間店に立つかどうかが話し合いの対象になります。同じ集計で、社長・役員が譲渡後にどう関わるかは、半数を超える案件で聞かれていました。
事業譲渡では、スタッフ一人ひとりの同意が要る
社長が誤解しやすいのは、「店を譲ると決めれば、スタッフも一緒に移る」という点です。事業譲渡の場合、そうはなりません。
民法625条1項は、使用者は労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない、と定めています。雇用契約の相手を元の会社から買い手に替えるには、スタッフ本人の同意が要ります。社長が譲渡を決めただけでは、雇用契約は移りません。
同意を得るには、先に条件を示す手順が要ります。移ったあとの給与や歩合の計算、勤める店舗、勤務時間を買い手と詰めて書面にし、そのうえで一人ひとりに伝えます。条件が見えないまま「店が替わる」とだけ伝えると、スタッフは判断の材料を持てません。
株式譲渡は会社の持ち主が替わる形で、中小M&Aガイドライン(第3版)も、譲り渡し側の法人格に変動がないと説明しています。雇用契約は同じ会社との間で続きます。どちらの形でも、条件を先に詰めてからスタッフに伝える順番は変わりません。
店舗の賃貸借は、大家さんの承諾がないと引き継げない
民法612条1項は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡せない、と定めています。承諾なく第三者に使わせれば、賃貸人は契約を解除できます(同条2項)。事業譲渡で店舗を買い手に移すなら、大家さんの承諾が前提です。
株式譲渡なら借主の会社は変わりません。それでも、契約書に代表者や株主が替わったときの届出や承諾の条項がないかは確かめておきます。当社が仲介する譲渡案件では、2026年1〜10月に、買い手から「事務所や車庫の賃貸借契約書を見せてもらえるか。賃料と保証金はいくらか」という質問を受けています。美容室なら、事務所や車庫を店舗に読み替えてください。店舗の賃料と保証金に加えて、内装を元に戻す義務の範囲もあわせて読んでおきたいところです。
シャンプー台やセット面がリースなら、リースを引き継げるか、残りの支払額はいくらかも聞かれる項目です。リース契約書の譲渡や名義変更の条項を読み、リース会社の承諾が要るかを先に確かめておきます。許認可については、通知書の写しを用意して、譲ったあとも引き継げるかを早めに確かめます。
最初に用意するもの、確かめておくこと
相談の時点で、すべてがそろっている必要はありません。まずは決算書(直近3期分)と借入の一覧があれば、話を始められます。そのうえで、買い手の質問に答えるために、次のものを順に集めていきます。
1. 決算書(直近3期分)と今期の月次試算表
2. スタッフの一覧(担当、勤続年数、雇用か業務委託か、残ってほしい人と残る見込み)
3. 店舗の賃貸借契約書(賃料、保証金、原状回復の条項)
4. シャンプー台・セット面など設備の一覧と、リース契約の一覧
5. 借入・未払い・税金や社会保険料の滞納の一覧
6. 許認可の通知書の写し
7. 回数券や前払いのメニューを売っている場合は、その残高
決算書は、数字の動きを説明できるかが分かれ目です。買い手からは、粗利の率が期ごとに大きく動いている理由や、勘定科目に何が含まれているかも聞かれます。材料費や歩合の変化など、理由を短く答えられるようにしておきます。
7は見落とされがちな項目です。お客様からすでに代金を受け取っているサービスを、譲ったあと誰が提供するのか。ここは買い手との間で決めておく必要があります。
借入や税金の滞納は、買い手に引き継がれるのか
事業譲渡なら、借入を売り手の会社に残し、店の事業だけを移す形を組めます。当社が仲介する譲渡案件でも、買い手から「金融機関の借入・税金・社会保険料・未払金は、買い手が引き継がないということでよいか」という質問が届き、借入・未払いの扱いは約半数の案件で聞かれています。社会保険料の滞納をいつまでに解消するか、取引先への未払いをだれが払うかも、買い手が確かめにくる点です。
ただし、何もしなくても債務が切り離されるわけではありません。買い手が売り手の会社の商号を引き続き使うと、買い手の会社も売り手の事業で生じた債務を弁済する責任を負います(会社法22条1項)。責任を免れるには、譲り受けたあと遅滞なく、責任を負わない旨を登記するか、双方から債権者へ通知する必要があります。店名をそのまま使い続ける場合の扱いも、買い手と事前に確認します。
税金の滞納がある場合は、譲る相手にも注意が要ります。生計を一にする親族など特殊な関係のある個人や、納税者が支配する会社に事業を譲り、そこが同じか似た事業を営むときは、滞納処分をしても足りない分について、譲り受けた財産の価額を限度に滞納税を負う対象になりえます(国税徴収法38条)。法定納期限より1年以上前の譲渡は対象外です。第三者の買い手に適正な対価で譲るなら、この対象にはなりません。
あさひ国際会計なら、こう進めます
あさひ国際会計は、赤字・債務超過の会社のM&Aと、経営者の連帯保証の解除を専門にしています。会社の譲渡とあわせて、連帯保証の解除を見据えたスキームを設計し、ご提案します。
相談の最初に拝見するのは、決算書と借入の一覧です。そこから、借入を売り手の会社に残して店の事業を移す形をどう組むかを考えます。
保証は、事業譲渡を選んだからといって自動的に外れるわけではなく、金融機関の同意が前提です。中小M&Aガイドライン(第3版)も、経営者保証の解除や引継ぎを、株式譲渡・事業譲渡のどちらでも最終契約で取り決める項目に位置づけています。成約した案件で、保証が残ったままになった例はありません。ただし、すべての会社で同じ結果になると言い切れるものではありません。
一般的なM&Aは半年以上かかると言われます。当社では、赤字・債務超過の案件はおおむね2〜4週間で成約まで進むことが多く、相談した月のうちに成約することがほとんどです。報酬は成功報酬のみで、成約時に譲渡代金の中から精算しますので、手元からの持ち出しはありません。
赤字の美容室をどうするか迷っている社長は、一度ご相談ください
他社に断られた会社、赤字が続いている会社、借入が多い会社でも構いません。平日の営業時間内のご連絡には、最短で当日に対応します。
なお、状況によっては、破産などの法的整理のほうが適切な場合もあります。その場合も、スタッフやお客様への影響を含めて、どの道がよいかを一緒に整理します。
借入の多い会社が事業を譲るときの進め方は、資料にまとめています。
債務超過でも事業は譲れる(https://asahi-int.com/download/saimuchoka-demo-yuzureru/)
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