譲渡
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2026/10/29

債務超過の会社を譲るとき、何を移すかで代金はどう変わるのか

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債務超過でも、買い手は事業の中身を見る
買い手は事業の中身を見ます。代金は、移す範囲と譲渡の形で動きます。 債務超過の会社でも、買い手がつく例は少なくありません。当社が支援した案件では、売上1億円台、債務超過3,000万円規模、従業員10名前後の運送業の会社が成約した例もあります。 当社が仲介する譲渡案件は、9割を超えるものが事業譲渡です。借入は売り手の会社に残し、従業員や取引先、車両や設備といった事業だけを買い手に移す形です。この場合、買い手が払う代金は、移ってくる事業と資産に対するものになります。 気をつけたいのは、売り手の会社に残る借入についている社長の連帯保証です。保証は事業を譲っただけでは自動では外れず、金融機関の判断が要ります。決算書と借入の一覧を並べ、譲渡の代金で返せる額、残る借入の額、それぞれに保証がついているかを書き出すと、代金で足りる分と足りない分の境目が見えてきます。
株式譲渡か事業譲渡かで、引き継ぐものが変わる
株式譲渡では、買い手は会社ごと、つまり借入も含めて引き継ぎます。中小M&Aガイドライン(第3版)は、株式譲渡では法人格に変動がなく、債務はそのまま会社に残ると説明しています。簿外債務や偶発債務のリスクが比較的高くなりやすく、より詳細な調査が行われる傾向にある、とも書いています。 事業譲渡では、移す財産を選べます。同じガイドラインによれば、事業譲渡は譲り渡し側の法人格から切り離せるため、簿外債務や偶発債務のリスクを比較的遮断しやすい形です。そのぶん、移す財産の特定や不動産登記、許認可の取得といった作業が増えます。 どちらを選ぶかで差が出るのは、簿外債務のリスクがどこに出るか、移す財産を選べるか、許認可などの作業がどれだけ要るか、という点です。借入の額だけで形が決まるわけではありません。 ただし、事業譲渡なら借入はいっさい移らない、とも言い切れません。譲り受けた会社が売り手の商号を続けて使う場合、譲受会社も売り手の事業で生じた債務を弁済する責任を負います(会社法22条1項)。譲り受けたあと遅滞なく、責任を負わない旨を本店所在地で登記するか、譲受会社・譲渡会社の双方から第三者へ通知すれば、この責任は負いません(同2項)。譲渡後に今の社名や屋号を使い続けるかどうかは、譲渡の形を選ぶ段階で買い手と決めておく項目です。
買い手からは、どんな質問が多いのか
当社が仲介する譲渡案件で、2026年1〜10月に買い手から受けた質問(44案件・999問)を分類しました。多い順に、従業員が残るか・雇用の条件が16.6%、決算・損益の中身が14.2%、引き継ぐ資産が13.4%です。取引先・売上が続くかは12.3%、価格・時期・契約の条件は11.1%でした。順位は質問の多さを示すもので、譲渡の成否を決める順番ではありません。 従業員の質問は7割超の案件で出ており、「ドライバー(職人)のうち、何人が残ってくれるか」がその典型です。決算については、たとえば「売上総利益率が期ごとに大きく動いているのはなぜか」という質問が届きます。 どちらも、社長の手元の書類で答えられる質問です。従業員なら、担当業務・資格・勤続年数の一覧に、残ってほしい人と残る見込みを書き添えます。決算なら、決算書と月次試算表を並べ、利益率が動いた期に何があったか、どの仕事で利益が出ていないかを書き出します。 赤字の理由も、この利益率の動きと一緒に聞かれる前提で準備します。数字の動きを社長の言葉で説明できるかどうかが、決算の質問に答えられるかどうかの分かれ目です。
何を移し、何を残すかで、代金は動く
事業譲渡の代金は、移すものの範囲で変わります。同じ会社でも、車両や設備を含めるか、売掛金を含めるか、借りている事務所の契約を引き継ぐかで、金額は違ってきます。 引き継ぐ資産についての質問は、6割超の案件で出ています。「売掛金・未収金は譲渡の対象に入るか」はその一つで、リース契約を引き継げるか、残りの支払額はいくらかも確かめられます。リースの残りを買い手が払うなら、その分を代金の中でどう扱うかも話し合いの対象です。 借入・未払いのうちどれを引き継ぐかは約半数の案件で聞かれ、金融機関の借入・税金・社会保険料・未払金を買い手が引き継がない前提でよいか、という確認が入ります。範囲がはっきりしないまま金額だけを詰めると、あとで食い違いが起きます。車両台帳やリース契約の一覧をもとに移すものの一覧を先に固めておけば、金額の話はその一覧の上で進められます。 手取りの見込みにも注意が要ります。事業譲渡で譲渡益が出た場合は、売り手の会社に法人税がかかります。令和7年4月1日現在の法令では、資本金1億円以下の中小法人なら、年800万円以下の所得の部分は15%、それを超える部分は23.20%です。実際の手取りは、税理士に試算を頼んで確かめてください。
安く譲ると、あとで債権者から請求されることがある
手放せるなら値段は問わない、と考える社長もいます。ただ、借入が残る会社が、債権者を害することを知って事業を安く譲ると、あとで債権者が買い手に支払いを求めてくる余地が生まれます。 会社法23条の2は、譲渡する会社が、引き継がれない債務の債権者を害すると知りながら事業を譲渡した場合について定めています。その債権者は買い手に対し、承継した財産の価額を限度として支払いを求められます。ただし、買い手が譲渡の時点でそれを知らなかったときは、この請求はできません。 税金の滞納がある場合は、さらに注意が要ります。法定納期限の1年前の日以後に、無償または著しく低い対価で財産を譲ると、受け取った側は、受けた利益の限度で第二次納税義務を負います(国税徴収法39条)。第三者の買い手に適正な対価で事業を譲る場合とは、別の話です。 譲る前に確かめるのは、滞納している税・社会保険料の種類と金額です。納税通知書・督促状から拾い出し、法定納期限は税務署か顧問の税理士に聞いておきます。社会保険料の滞納をいつまでに解消するかは、買い手からも聞かれる項目です。
代金の話を始める前に、用意しておくもの
買い手の質問に答える材料は、次のとおりです。相談の時点ですべてそろっている必要はありません。 1. 決算書(直近3期分)と今期の月次試算表 2. 借入・未払い・滞納の一覧 3. 車両・設備の一覧、リース契約の一覧(残りの支払額が分かるもの) 4. 事務所・車庫などの賃貸借契約書 5. 主な取引先の一覧と、おおよその売上の割合 6. 従業員の一覧(担当業務・資格・勤続年数)と、残ってほしい人・残る見込み 7. 許認可の通知書の写し 3と4は移す範囲を決める材料に、1と6は事業の中身を説明する材料になります。赤字の理由を書き出したメモが1枚あれば、買い手に説明するときの土台になります。
あさひ国際会計なら、こう進めます
相談は無料で、着手金はかかりません。報酬は成功報酬のみで、成約時に譲渡代金の中から精算するため、手元から費用を持ち出す必要はありません。相談の時点では、決算書(直近3期分)と借入の一覧があれば話を始められ、そろっていなくても相談できます。 連帯保証の扱いは、株式譲渡・事業譲渡のどちらでも、最終契約で取り決める主な項目の一つです。中小M&Aガイドライン(第3版)は、保証の解除は最終的に金融機関等の判断によるものだと説明しています。当社は、会社の譲渡とあわせて、連帯保証の解除を見据えたスキームを設計し、ご提案します。 成約した案件で、保証が残ったままになった例はありません。とはいえ金融機関の同意が前提で、すべての会社で同じ結果になると言い切れるものではありません。法的手続きは、弁護士など委任された専門家が担います。 赤字・債務超過の案件は、おおむね2〜4週間で成約まで進むことが多く、相談した月のうちに成約することがほとんどです。
何を移すか、代金がいくらになるかで迷っている社長は、一度ご相談ください
他社に断られた会社、赤字が続いている会社、借入が多い会社でも、かまいません。平日の営業時間内のご連絡には、最短で当日に対応します。 なお、状況によっては、破産や清算などの法的整理のほうが適切な場合もあります。その場合も、どの道がよいかを一緒に整理します。 債務超過でも事業が譲れる理由と進め方は、こちらの資料で扱っています。 債務超過でも事業は譲れる(https://asahi-int.com/download/saimuchoka-demo-yuzureru/)
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