譲渡
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2026/10/28

会社を譲ったあと、社長は会社に残らなければいけないのか

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譲ったあと社長が残るかどうかは、買い手との取り決めで決まる
会社を譲ったあと、社長が必ず残らなければいけない、という決まりはありません。どこまで関わるかは、譲渡の形と、買い手との取り決めで決まります。 当社が仲介する譲渡案件で、2026年1〜10月に買い手企業から受けた質問(44案件・999問)を分類すると、「社長・役員が譲渡後にどう関わるか」は質問全体の6.0%でした。割合は大きくありませんが、聞かれた案件は半数を超えます。譲渡の話を進めるうえで、避けて通れない確認事項のひとつです。 「譲ったら、すぐに身を引けるのか」「何年も縛られるのではないか」。この心配への答えは、株式譲渡か事業譲渡かで変わります。買い手と話す前に書き出しておく項目は、後半の確認リストにまとめました。
株式譲渡と事業譲渡で、社長の立場はまったく違う
株式譲渡は、会社の持ち主が入れ替わる形です。中小M&Aガイドライン(第3版)は、株式譲渡では譲り渡し側の法人格に変動がないと説明しています。会社はそのまま買い手のものになり、社長は株主ではなくなります。取り決めの中心は、代表取締役を退く時期と、退いたあとに役員として残るかどうかです。 株式譲渡では、借入などの債務がそのまま会社に残ります。帳簿に載っていない債務の心配も残りやすいため、買い手の調査は丁寧になる傾向があります。社長には、その調査に答える役目が残ります。 事業譲渡は、事業だけを買い手の会社に移す形です。当社が扱う譲渡案件は9割を超えるものが事業譲渡で、借入を売り手の会社に残し、事業だけを買い手に移しています。元の会社の代表者を続ける場合は、整理が終わるまで手続きに関わります。 そのため事業譲渡では、確かめることが二つに分かれます。一つは、買い手の会社で役員・従業員・顧問のどの立場で、いつまで働くか。もう一つは、元の会社に残る借入と保証を、だれと、どの手順で片づけるかです。
買い手が社長に残ってほしいと考えるのは、事業が社長に頼っているとき
買い手が社長の関与を求めるかどうかは、事業がどれだけ社長個人に頼っているかで分かれます。主な取引先との窓口、見積もりや段取り、現場の判断を社長がひとりで握っているなら、一定の期間は引き継ぎに関わるよう求められやすくなります。番頭役の社員がいて、社長が抜けても仕事が回るなら、関わる期間は短く済みます。 買い手の質問にも、それが表れています。当社が仲介する譲渡案件で実際に受けた質問には、「現場の中心となる職人の年齢・健康状態と、技術を引き継げる見通しはどうか」というものがあります。取引先については、主な取引先や1社への売上の偏りに加えて、「赤字や債務超過だと分かって、取引を切られていないか」と聞かれます。社長がいなくなった後も、人と取引先が残るかを確かめているのです。 建設業のように、許可の基準に人の要件がある業種では、なおさらです。建設業の許可には、経営業務の管理を適正に行う能力のある者を置くことが求められます(建設業法7条)。社長本人がその役割を担っているなら、譲渡後に誰が引き継ぐかを早めに決めておく必要があります。
契約を結んだ日に、連帯保証が外れるわけではない
社長が誤解しやすいのは、「譲渡の契約を結べば、その日に連帯保証も外れる」という点です。保証は、金融機関と社長個人との契約です。買い手との合意だけで、自動的に消えるものではありません。 中小M&Aガイドライン(第3版)は、経営者保証の解除や移行は最終的に金融機関の判断によるもので、正式な手続きはクロージングを経て、登記簿上で代表者が変更された後に行う必要がある、と説明しています。株式譲渡で社長が代表取締役を退くことは、保証の解除に進むための前提でもあります。 事業譲渡では、借入が元の会社に残ります。そのため保証の扱いは、買い手との契約だけで決まる話ではなく、元の会社の借入をどうするかという金融機関との話になります。保証を外せるかどうかは、ここでも最終的に金融機関の判断です。当社が仲介する譲渡案件でも、買い手からは「金融機関の借入・税金・社会保険料・未払金は、買い手が引き継がないということでよいか」と確かめられます。借入が元の会社に残る前提で話が進むからこそ、保証の行き先を先に整理しておく必要があります。 業界の自主規制として、M&A支援機関協会の特定事業者リストという仕組みもあります。2024年10月1日に始まったもので、M&A取引の実行日から60営業日以内に経営者保証が解除されない場合、その買い手は掲載の対象になりえます。社長が手元で確かめるのは、最終契約書の案です。買い手が保証の解除に取り組む義務と、解除されなかったときの扱い(契約の解除や補償)が書かれているかを、署名の前に見ておきます。
譲渡後の関わり方を決める前に、確かめておくこと
譲渡後にどう関わるかは、口約束のままにしないことが大切です。最初に、次の点を書き出しておくと話が早く進みます。 1. 譲渡後に関わる期間と、関わりが終わる時点 2. 買い手のもとでの立場(役員、従業員、顧問など)と報酬 3. 社長がひとりで持っている仕事の一覧(取引先との窓口、見積もり、資格者としての役割など) 4. 主な取引先へ、だれと、いつ挨拶に回るか 5. 残ってほしい従業員と、残る見込み 6. 事業譲渡の場合、元の会社の整理にかける時間 相談の時点で、これがすべてそろっている必要はありません。まずは決算書(直近3期分)と借入の一覧があれば、話を始められます。
事業譲渡のあと、元の会社をどう閉じるか
事業譲渡では、事業を移したあとも元の会社が残ります。社長の仕事は、買い手のもとでの引き継ぎだけでは終わりません。借入を残した元の会社をどう閉じるかを、譲渡と同じ時期に決めておく必要があります。 借入を返しきれる見込みがあるなら、株主総会で解散を決めて清算に進む道があります。清算では、債権者に債権の申し出を求める公告を官報に出し、個別にも催告します。その申し出の期間は、2か月を下ることができません(会社法499条1項)。 返しきれない借入が残るなら、話は変わります。中小M&Aガイドライン(第3版)は事業再生の場面について、中小企業活性化協議会の関与のもとで事業譲渡等を行い、そのあと譲り渡し側の会社を特別清算で整理したり、特定調停を使ったりする方法を紹介しています。どの手続きが合うかは借入の額や債権者の状況で変わるため、要件は個別に確認します。 社長が元の会社の代表者を続けているなら、整理が終わるまで、債権者への説明や登記の手続きに関わります。買い手のもとで働く期間と重なるなら、その分の時間も見込んでおきます。
あさひ国際会計なら、こう進めます
あさひ国際会計は、赤字・債務超過の会社のM&Aと、経営者の連帯保証の解除を専門にしています。初回のご相談では、まず決算書(直近3期分)と借入の一覧を拝見します。書類がそろっていなくても、相談は始められます。 次に、金融機関との保証契約書を確かめます。どの借入に社長の保証が付いているかを一本ずつ見ていくと、譲渡のあとに社長個人に何が残りうるかが分かります。元の会社に残る借入のうち、保証が付いているものがどれかによって、元の会社の閉じ方も変わってきます。 そのうえで、連帯保証の解除を見据えて、事業譲渡にするか株式譲渡にするかを含めた譲渡の形をご提案します。買い手との話に入る前には、従業員の一覧(担当業務・資格・勤続年数)、主な取引先の一覧とおおよその売上の割合、借入・未払い・滞納の一覧も順に用意していきます。どれも買い手の質問に答えるための資料で、相談の前にすべてそろえる必要はありません。 成約した案件で、保証が残ったままになった例はありません。ただし解除には金融機関の同意が必要で、すべての会社で同じ結果になると言い切れるものではありません。赤字・債務超過の案件は、おおむね2〜4週間で成約まで進むことが多く、相談した月のうちに成約することがほとんどです。報酬は成功報酬のみで、成約時に譲渡代金の中から精算するため、手元からの持ち出しはありません。
譲ったあとのことで迷っている社長は、一度ご相談ください
他社に断られた会社、赤字が続いている会社、借入が多い会社でも構いません。譲ったあと自分はどうなるのか、という段階のご相談で十分です。平日の営業時間内のご連絡には、最短で当日に対応します。 なお、状況によっては、破産などの法的整理のほうが適切な場合もあります。その場合も、どの道がよいかを一緒に整理します。 相談してから事業が引き継がれるまでの流れは、資料にまとめています。 相談してから、事業が引き継がれるまで(https://asahi-int.com/download/soudan-kara-hikitsugi/)
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