譲渡
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2026/10/27

赤字の町工場は譲れるのか。製造業の社長が先に確かめること

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赤字の町工場でも、譲れるのか
譲れます。ただし買い手は、その製品を作れる人が残るか、売り先が続くかを特に気にします。機械の古さや赤字の額だけで、話が決まるわけではありません。 この二つを説明できれば、赤字や債務超過でも話を進めやすくなります。反対に、段取りを知っているのは社長だけで、主な売り先とも口約束しかない、という状態のままでは、買い手は判断の材料を持てません。 当社が仲介する譲渡案件について、2026年1〜10月に買い手から受けた質問(44案件・999問)を分類しました。いちばん多かったのは「従業員が残るか・雇用の条件」で、質問全体の16.6%、7割を超える案件で聞かれていました。続いて決算・損益の中身が14.2%、引き継ぐ資産が13.4%、取引先・売上が続くかが12.3%です。 順位は質問の多さで、譲渡の成否を決める順番ではありません。人・決算・資産・取引先のどれについても、聞かれたら答えられるようにしておくことが大切です。業種が分かっている案件では、製造業は工事業と運送業に次いで多い業種です。
買い手が最も多く聞くのは、技術を持つ人が残るかどうか
当社が仲介する譲渡案件全体では、買い手から最も多く受けるのは現場の人についての質問です。製造業でも同じ点を確かめられます。2026年1〜10月には「現場の中心となる職人の年齢・健康状態と、技術を引き継げる見通しはどうか」という質問を受けています。 社長が手元で確かめておきたいのは、どの工程を誰が担っているかです。図面を読める人、機械の段取りを組める人、検査を任せられる人の名前を書き出すと、一人に頼りきっている工程が見えてきます。あわせて「雇用契約書や労働条件通知書はあるか。勤怠をどう管理しているか」と聞かれることもあるため、書類の有無も見ておきます。 雇用の扱いは、譲る形によって分かれます。株式譲渡なら会社そのものは変わらないので、雇用契約もそのまま続きます。事業譲渡で従業員を買い手の会社へ移すには、一人ひとりの承諾が要ります(民法625条1項)。 中心になっている職人が移らないと決めれば、その工程は買い手の側で止まります。給与や勤務地などの条件を買い手と先に詰め、それから本人に説明する。この順番を守ることが、事業の値打ちを守ることにつながります。
機械と工場は、自社のものか、リースか、借りているかで話が変わる
引き継ぐ資産についての質問は全体の13.4%で、6割を超える案件で聞かれています。製造業で中心になるのは、機械・設備と工場の建物です。 会社が自分で持っている機械なら、事業譲渡の対象に含めて買い手に移せます。リースの機械は持ち主がリース会社なので、契約を引き継げるかどうかをリース会社と詰めなければなりません。買い手からも「リース契約を引き継げるか。残りの支払額はいくらか」と聞かれます。 工場や倉庫を借りている場合も、考え方は同じです。事業譲渡で借りる権利を買い手に移すには、家主の承諾が要ります(民法612条1項)。株式譲渡なら借りている会社は変わりませんが、契約書に株主や代表者が替わったときの定めがないかは見ておきます。 リース契約書と賃貸借契約書は、早めに一か所にまとめておいてください。それだけで、買い手とのやり取りがずいぶん早くなります。
決算書では、利益が動いた理由を説明できるかが問われる
決算・損益についての質問は14.2%で、約7割の案件で聞かれています。買い手が見ているのは、赤字かどうかよりも、なぜ赤字なのかを社長が説明できるかどうかです。 実際に受けた質問には、「売上総利益率が期ごとに大きく動いているのはなぜか」というものがあります。製造業なら、材料の値上がりを売値に乗せられなかった、特定の製品で不良や手直しが続いた、といった理由が考えられます。 判断の分かれ目は、損がどこで出ているかです。特定の製品や取引先で損が出ているなら、それを外したときの姿を買い手に示せます。全体に薄く損が広がっているなら、値付けや工程の見直しを買い手と一緒に考えることになり、話の進め方が変わります。 製品別・取引先別に、売上と材料費をざっくり分けてみるだけでも、説明の材料になります。今期の月次試算表があれば、足元の動きもあわせて見せられます。
「事業譲渡なら、借入はすべて置いていける」は半分だけ正しい
事業譲渡は、引き継ぐ財産を選べる形です。当社が扱う譲渡案件も9割を超えるものが事業譲渡で、借入は売り手の会社に残し、事業だけを買い手に移しています。とはいえ、置いていけばそれで終わり、というほど単純ではありません。 気をつけたい点の一つ目は商号です。買い手が売り手の会社の商号を引き続き使うと、買い手も、売り手の事業で生じた債務を弁済する責任を負います(会社法22条1項)。譲り受けたあと遅滞なく、責任を負わない旨を本店所在地で登記するか、買い手と売り手の双方から債権者に通知すれば、この責任は免れます(同条2項)。長年の社名に信用がある町工場ほど、ここは見落とせません。 二つ目は価格です。残る債権者を害すると知って事業を譲った場合、その債権者は買い手に対し、引き継いだ財産の価額を限度に支払いを求められます(会社法23条の2第1項)。買い手が譲渡の時点でそれを知らなかったときは、この限りではありません。安すぎる値段で移すと、買い手の側にまで話が及びうる、ということです。
最初に用意するもの・確かめること
相談の時点で、全部そろっている必要はありません。まずは決算書(直近3期分)と借入の一覧があれば、話を始められます。そのうえで、製造業なら次のものを順に集めていきます。 1. 決算書(直近3期分)と今期の月次試算表 2. 借入・未払い・滞納の一覧 3. 従業員の一覧(担当工程・資格・勤続年数)と、残ってほしい人の名前 4. 機械・設備の一覧と、リース契約の一覧(残りの支払額がわかるもの) 5. 工場・倉庫の賃貸借契約書 6. 主な取引先の一覧と、おおよその売上の割合 6の取引先の一覧は、とくに大事です。「取引先・売上が続くか」は約7割の案件で聞かれています。売上が一社に偏っていると、買い手はその取引先が譲渡後も続けてくれるかを確かめたがります。「赤字や債務超過だと分かって、取引を切られていないか」と聞かれることもあります。
あさひ国際会計なら、こう進めます
あさひ国際会計は、赤字・債務超過の会社のM&Aと、経営者の連帯保証の解除を専門にしています。当社が支援して成約した案件には、売上1億円規模・従業員数名の小規模な製造業もあります。 最初に、借入の一覧と保証契約の中身を確かめます。どの金融機関のどの借入に社長の保証が付いているか、保証契約書の写しが手元にあるか、会社の借入のほかにリース契約や工場の賃貸借契約でも保証人になっていないか。ここを一つずつ見ていきます。そのうえで、会社の譲渡とあわせて、連帯保証の解除を見据えたスキームを設計し、ご提案します。 成約した案件で、保証が残ったままになった例はありません。ただし、解除には金融機関の同意が必要で、すべての会社で同じ結果になると言い切れるものではありません。法的な手続きが必要な場面では、依頼者が委任する弁護士等の専門家と並行して進めます。 赤字・債務超過の案件は、おおむね2〜4週間で成約まで進むことが多く、相談した月のうちに成約することがほとんどです。報酬は成功報酬のみです。成約時に譲渡代金の中から精算するため、手元からの持ち出しはありません。
赤字の町工場の社長は、一度ご相談ください
他社に断られた会社、赤字が続いている会社、借入が多い会社でも構いません。設備が古い、職人が高齢で先が心配、という段階でのご相談もお受けしています。平日の営業時間内のご連絡には、最短で当日に対応します。 なお、状況によっては、破産や清算などの法的整理のほうが適切な場合もあります。その場合も、従業員や取引先への影響を含めて、どの道がよいかを一緒に整理します。 債務超過の会社が事業を譲るときの進め方は、資料にまとめています。 債務超過でも事業は譲れる(https://asahi-int.com/download/saimuchoka-demo-yuzureru/)
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