事業再生
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2026/10/23

借入の多い会社、廃業と譲渡はどちらを選ぶべきか

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値打ちが残っているうちなら、譲渡を先に考えてください
取引先や従業員、許認可が事業に残っていて、給料や仕入れの支払いもまだ回っているなら、廃業より先に譲渡を検討してください。会社をたたんでも借入は消えません。譲渡なら、事業の対価を返済に回せます。 一方で、支払いがすでに止まり、従業員も取引先も離れてしまった会社もあります。事業そのものが損失を出し続けていて、引き継ぐ相手が見込めない会社もあります。そうした場合は、破産や特別清算などの法的整理のほうが筋がよいこともあります。 どちらを選ぶかは、借入の多さだけでは決まりません。買い手から見て事業に値打ちが残っているか。その値打ちが失われるまで、どれだけ時間があるか。選べる道は、この2つで変わります。
廃業しても、借入は消えません
「たためば楽になる」と考える社長は少なくありません。けれども、会社をたたむことと、借入がなくなることは別の話です。 株主総会の決議で会社を解散するには、特別決議が要ります(会社法471条・309条)。解散した会社は清算をしなければなりません。債権者に申し出を求める官報公告と、分かっている債権者への個別の催告をし、2か月以上の申出期間を置く必要があります(同法499条)。 この間に資産を売り、借入や未払いを払っていきます。払いきれれば、普通の清算で終わります。けれども借入の多い会社では、設備や車両を売ったお金だけでは足りないことが多くなります。
返しきれない分は、社長個人に請求が向かいます
清算中の会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は裁判所に特別清算を申し立てなければならないとされています(会社法511条)。払いきれない会社は、社内の手続きだけでは閉じられません。 社長が会社の借入に連帯保証をしていれば、会社が返せなかった分の請求は社長個人に向かいます。連帯保証人は「まず会社に請求してほしい」「会社の財産から先に取り立ててほしい」と主張する権利を持っていません(民法454条)。会社の清算が終わるのを待たずに、社長に請求が来ることもあります。 廃業を考えるときは、会社の借入の残高と、そのうち社長が保証している額を分けて見てください。保証している額が大きいほど、会社をたたむだけでは片づかない部分が大きくなります。
譲渡なら、事業の対価を借入の整理に回せます
譲渡では、動いている事業をそのまま買い手に渡します。廃業すれば設備や車両を一つずつ売ることになりますが、譲渡では取引先や従業員ごと引き継いでもらうので、事業そのものに値段がつきます。その対価を、会社に残る借入の返済や保証の整理に充てられます。 当社が仲介する譲渡案件は、9割を超えるものが事業譲渡です。借入を売り手の会社に残し、事業だけを買い手に移す形です。2026年1〜10月に、当社が仲介する譲渡案件44件で買い手から受けた質問999問を分類しました。借入・未払いのうちどれを引き継ぐかを聞く質問は全体の8.5%で、約半数の案件で出ています。たとえば「金融機関の借入・税金・社会保険料・未払金は、買い手が引き継がないということでよいか」という質問です。 従業員を買い手に移すには、本人の同意が要ります(民法625条)。社長の判断だけでは移せないので、条件を示して話す段取りが必要です。 当社が支援して成約した案件でも、債務超過の会社は少なくありません。売上5億円規模の運送会社で、借入が売上を上回っていた例もあります。借入が多いことは、譲渡をあきらめる理由にはなりません。
「譲れば借入を置いていける」で終わりではありません
社長が誤解しやすいのは、事業譲渡なら借入を古い会社に置いていけるので、それで片がつくと考えることです。借入は買い手に移らなくても、古い会社には残ります。その返済と社長の保証をどうするかは、別に段取りが要ります。 対価の決め方にも注意が要ります。引き継がれない借入の債権者を害すると知りながら売り手の会社が事業を譲ると、その債権者は買い手に対し、引き継いだ財産の価額を限度に支払いを求められます(会社法23条の2)。買い手が譲渡の時点でそれを知らなかったときは除かれます。中小M&Aガイドライン(第3版)も、対価が不当に低い場合のリスクとしてこの条文を挙げています。 保証は、売り手と買い手が合意しただけでは外れません。同じガイドラインでは、保証の解除や移行は最終的に金融機関等が判断し、正式にはクロージングを経て代表者が変わった後に行う、とされています。譲渡の段取りは、金融機関がどう受け止めるかまで見て組む必要があります。
最初に用意するもの・確かめること
廃業か譲渡かを決める前に、手元で次のものを確かめてください。相談の時点では1と3があれば足りますし、そろっていなくても相談はできます。 1. 借入の一覧(金融機関ごとの残高と毎月の返済額) 2. 保証契約書の写し(誰が、どの借入を、いくらまで保証しているか) 3. 決算書(直近3期分)と今期の月次試算表 4. 税金・社会保険料・取引先への未払いや滞納の一覧 5. 従業員の一覧(担当業務・資格・勤続年数)と、残ってほしい人 6. 車両・設備・リースの一覧と、事務所や車庫の賃貸借契約書 7. 手元の資金で、あと何か月、給料と仕入れを払い続けられるか 5は、買い手からいちばん多く聞かれるところです。先ほどの質問の分類では、従業員が残るか・雇用の条件についての質問が全体の16.6%を占め、7割超の案件で出ています。「ドライバー(職人)のうち、何人が残ってくれるか」はその典型です。 7が短いほど、動ける時間は減ります。支払いが止まって従業員や取引先が離れ始めると、事業の値打ちは急に下がります。
あさひ国際会計なら、こう進めます
当社は、赤字・債務超過の会社のM&Aと、経営者の連帯保証の解除を専門にしています。廃業か譲渡かを決める前の段階から、相談をお受けしています。 まず決算書と借入の一覧、保証契約書の写しを拝見し、会社に残る借入と、社長が保証している額を分けて整理します。次に、取引先・従業員・設備・許認可のどこに買い手がつきそうかを見て、譲渡の対価で借入をどこまで整理できるかを考えます。そのうえで、連帯保証の解除を見据えたスキームを組み、買い手を探します。 赤字・債務超過の案件は、おおむね2〜4週間で成約しており、相談した月のうちに成約することがほとんどです。相談から最短5日でクロージングした例もあります。一般的なM&Aは半年以上かかると言われますが、支払いが止まりかけている会社にはその時間がありません。 これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、解除には金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど、単純な話でもありません。
借入が多くて廃業を考えているなら、一度ご相談ください
借入が多い会社、赤字が続いている会社、他のM&A仲介に断られた会社でも構いません。平日の営業時間内のご連絡には、最短で当日に対応します。報酬は成功報酬のみです。成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しはありません。 破産の手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家とでは、最初に示される道が違うことがあります。公的な窓口として、47都道府県すべてに中小企業活性化協議会が置かれ、保証債務の整理を含む相談を無料で受けています。いくつかの答えを比べてから決めてください。ただし、比べている間にも手元の資金は減っていきます。 状況によっては、破産や清算などの法的整理のほうが適切な場合もあります。その場合も、どの道がよいかを一緒に整理します。 廃業と譲渡で、手続きと手元に残るものがどう違うかは、資料にまとめています。 自己破産しないで会社をたたむ・譲る方法(https://asahi-int.com/download/jikohasan-guide/)
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