| 公開日 | 2026/10/01 |
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| 記載者 | 株式会社日本財務戦略セン... |
買収
中国から日本の会社を引き継ぐとき、資金は両国のどんな手続を通るのか
金が国境を越えるには、出る側と入る側に別々の門があります
在留資格「経営・管理」で日本にいる人は、2025年12月末で46,781人。そのうち中国籍は24,840人、53.1%です。日本で会社を引き継ぐ、起こすという話は、外国人が会社を買うのは自由か、在留資格はどうか、と日本側の制度だけで語られることが多くあります。けれど金が動くには、出る側と入る側に門があります。中国側は国家外汇管理局の細則、日本側は外為法と所得税法と在留資格。別々の役所が別々の目的で作ったもので、噛み合ってはいません。両側の条文を突き合わせると、開いている道と、定義されていない道がありました。
年間5万ドルの枠は、「持ち出せる金の全部」ではありません
中国の《个人外汇管理办法实施细则》第二条は、個人が外貨を買う量を一人あたり年間5万ドル相当としています。この5万ドルが持ち出せる金の全部だと読まれがちですが、条文は、枠を超えた分を経常項目なら第十条から第十二条の手続に、資本項目なら「资本项目个人外汇管理」の章に振り分けています。
その資本項目の章の第十六条は、対外直接投資について、外貨管理局の核准を得れば購入も送金もでき、境外投資の外貨登記をする、としています。個人が外国の会社に投資する道は、核准という関門つきで開いています。
会社として出る場合は、国家発展改革委員会の令第11号《企业境外投资管理办法》が核准と备案を使い分けます。日本向けの普通の事業投資は备案側に落ちます。ただし《境外投资敏感行业目录(2018年版)》は、房地产(不動産)、酒店(ホテル)などを制限する業種として挙げており、不動産やホテルを持つ日本の会社を中国の企業が買う場合は、核准の対象になりえます。
日本側では、「誰が何を買うか」を見ています
外国投資家が日本の会社の株式を取得すると、外為法上の「対内直接投資等」に当たります(第二十六条)。財務省告示の指定業種なら第二十七条の事前届出、それ以外は第五十五条の五の事後報告です。届出をしなかった場合の罰金の上限は、取引額に連動します。
不動産の取得は第五十五条の三の事後報告で、業種審査はありません。ただし売主が非居住者の場合は、買った側に源泉徴収の義務が生じ、税率は復興特別所得税を含めて10.21%です。そして、日本の不動産を取得することと、日本に滞在できることは、別の法律の別の話です。
数字を並べると、人数と金額の順位は入れ替わります。日本銀行の対内直接投資残高(2025年末)で、中国は4,832億円。香港の6分の1、シンガポールの11分の1です。
答えは、両国の条文の「噛み合わないところ」にあります
中国の細則の資本項目の章で、定義されていない道はどれか。運用の側では、何が名指しで年間枠の使い道から外されているのか。そして、「経営・管理」の資本金要件が500万円から3,000万円に上がったことは、中国の個人の年間枠の何倍にあたり、誰が日本に来られるかをどう変えたのか。両国の原文の条文と統計で、日本財務戦略センターの一次調査にまとめています。
中国から日本への投資|購汇枠5万ドルと在留資格46,781人を両国の条文で突き合わせた(https://jfsc.jp/research/china-japan-investment-route/)
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