| 公開日 | 2026/10/01 |
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| 記載者 | 株式会社日本財務戦略セン... |
譲渡
米作りの法人を閉じるとき、借りている田んぼごと誰かに引き継げるのか
「コメ農家の撤退、過去最多ペース」という見出しが出ました
2026年9月21日、共同通信は「コメ農家の撤退、過去最多ペース 1〜8月の倒産・廃業32件」と配信し、全国の地方紙に載りました。秋の概算金も前年から2〜4割下がった年です。見出しだけを読むと、米づくりが崩れ始めたように見えます。自分の法人をこの先どうするか、考え始めた経営者の方もいると思います。ただ、農業法人の引き継ぎには、ふつうの会社にはない制約があります。そして引き継ぎの形によって、借りている田んぼの扱いが大きく変わります。
同じ1〜8月で比べると、前年並みでした
配信記事の数字は、帝国データバンクが9月6日に出した発表によるものです。1〜8月に廃業28件、負債1,000万円以上の倒産4件、計32件。増えているのは確かで、2020年の19件から、2024年と2025年は42件になりました。ただ、同じ1〜8月で比べると、2024年が約34件、2025年が33件、2026年が32件で、わずかに減っています。「過去最多ペース」は、年間の最多(42件)と比べた言い方でした。
国税庁の法人番号データで、清算を終えて閉じた農業法人を数えると、2016〜2019年の平均305社から、2023〜2025年の平均348社へ、1割あまり増えています。帝国データバンクによると、2025年度に増益だった米作農業の事業者は77.8%で、過去20年で最も高い割合でした。廃業した事業者の代表者の平均年齢は70代後半です。値段が良かった年を区切りに、高齢の経営者が事業を閉じている。数字はこの見方と食い違いません。
閉じた法人の9割は清算、田んぼは大きな担い手へ
2015年から2026年4月までに、合併で消えた農業法人は396社でした。同じ期間に清算で閉じた法人は約3,500社です。法人番号の記録で見る限り、閉じた農業法人のおよそ9割は清算で、合併でほかの法人に引き継がれたのは1割ほどです。ただし、事業譲渡や株式譲渡は法人番号の記録に出てきません。
法人が閉じても、田んぼがそのままなくなるわけではありません。農業を営む経営体は、2015年の137万7千から2025年に83万6千へ減りましたが、耕地面積の前年からの減少は0.8%でした。20ha以上の経営体が耕す面積の割合は、2015年の37.5%から2025年の49.7%に上がっています。
規模は費用にも表れます。米60kgあたりの生産費は、0.5ha未満で27,217円、50ha以上で9,978円でした。そして農業経営体が耕す田畑の44%は借りた土地です。農業法人の価値の多くは、地主から借りている田んぼの権利にあります。
答えは、引き継ぎの形の選び方にあります
利益が出ている年は、事業に値段が付く年でもあります。ただ、農地を所有できる法人は、農地法第2条第3項で、議決権の過半を農業関係者が持つことなどが求められます。合併、事業譲渡、株式譲渡、農地を借りる形での参入。それぞれで、借りている田んぼと所有している農地はどう扱われ、地主の承諾や農地法の許可は要るのか。どの形がどんな場面に向いているのかを、条文と統計で日本財務戦略センターの一次調査にまとめています。
コメ農家の撤退は「過去最多ペース」なのか ── 倒産・廃業の後、田んぼはどこへ行くのか(https://jfsc.jp/research/kome-nouka-tettai/)
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