中小企業支援
35
2024/07/23

中小企業における生産性向上

記載者情報
中小企業の人手不足
 近年、日本社会は人口減少と労働力不足という深刻な課題に直面しており、中小企業にとっても例外ではありません。2030年には644万人の人手不足が予測されており、この課題解決のためには、従業員一人当たりの労働生産性の向上が必須となっています。  生産性向上とは、従業員一人当たりの付加価値額を高めることを意味します。具体的には、「付加価値の向上」と「効率の向上」という二つの側面からの取り組みが考えられます。
付加価値の向上
 顧客に提供するサービスの価値を高めることで、より高い対価を得ることが可能になります。そのためには、誰に何をどのように提供するのかという事業コンセプトの見直しが重要となります。例えば、スターバックスコーヒーは、「家庭や職場でもない第3の場所を提供する」というコンセプトで付加価値を高め、高価格帯のコーヒー販売やブランドライセンスなどで収益を上げています。
効率の向上
 限られた資源(時間、人材、コストなど)を有効活用することで、より多くの成果を生み出すことができます。具体的な方法としては、以下の3つが挙げられます。 1.業務プロセスの見直し: 無駄な工程や重複作業を排除し、業務の標準化やマニュアル化を進めることで、業務全体の効率化を図ります。また、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの導入により、定型業務の自動化を進めることも有効です。 2.設備投資とIT化の推進: 最新の生産設備の導入や自動化システムの構築によって、作業工程の改善や人手不足への対応を進めます。また、クラウドサービスなどのITツールを活用することで、業務効率化を図ることも可能です。 3.人材育成: 社員の能力開発や専門性の向上に取り組むことは、生産性向上に不可欠です。特に、デジタルスキル習得は喫緊の課題であり、リスキリングコンソーシアム(https://japan-reskilling-consortium.jp/)などの団体が提供するトレーニングプログラムを活用するのも、有効な手段です。 これらの取り組みを通じて、継続的に生産性を向上させていくことが、中小企業が厳しい経営環境を生き残り、成長していくための鍵となります。             問い合わせ先:中小PMI支援センター株式会社 コンサルタント                中小企業診断士 西村 公志 e-mail:info@pmis.jp
関連コラム