M&A
134
2025/08/26

後継者不足の現状と解決策、企業存続のための戦略とは?

記載者情報
はじめに
日本の中小企業は、後継者不足という深刻な問題に直面しています。少子高齢化に伴い、後継者が見つからない企業が増え、事業継承の重要性がますます高まるばかりですが、後継者不足は企業の存続や地域経済に大きな影響を及ぼすため、早急な対策が求められます。 本記事では、後継者問題の現状と、その解決策として注目されるM&Aや専門機関の活用方法について詳しく解説します。
後継者不足の現状は?
日本は未曾有の少子高齢社会を迎え、多くの場面で人口問題に端を発するさまざまな懸念が表出しています。 2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、中小企業の多くの経営が引退を考えるなか、後継者のなり手が見つからない現状となっています。
中小企業における後継者不在の実態
中小企業庁の発表によれば、中小企業における後継者不在率は2018年から減少傾向にあるものの、改善幅としては停滞が見受けられ、直近でも半数以上の企業で後継者がいない状況となっています。 事業継承に対して、官民関係なくその重要性を広く呼びかけ、相談窓口も全国的に普及したことから問題意識が高まってきていますが、いまだに予断を許さない状況ではあります。 2023年の調査では、後継者が決まっている企業はわずか1割程度、反対に後継者が決まっておらず廃業を予定している企業が60%に迫るものと、厳しい現状を数字が表しています。 参照:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2023年調査)」 https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/sme_findings230323_1.pdf
業種別・地域別の後継者不足の傾向は?
業種別に不在者不足の傾向をみていくと、建設業・小売業・サービス業で不在率が高い数値で推移してることが確認できます。   特に建設業では、専門技術の習得に時間がかかるなど、短いスパンで改善することが難しい面が要因としてあるでしょう。細かく業種を確認すると、住宅建築などの「職別工事業」や病院・診療所といった「医療業」がワースト上位に入るなど、やはり特殊な技術を要する業種で高い不在率が見られました。 また、都道府県別では、秋田県と鳥取県が70%を超える率を示すなど、全国平均を大幅に上回る結果となりました。秋田県は65歳以上と75歳以上の人口比率でトップクラスの「高齢県」。他の東北県では50%台、山形は40%台以下となっていることから、不在率高さの背景がうかがえます。 山陰や四国など地域経済に課題を抱える、若年層の都市部への流出が懸念されるような地域では後継者不在率が目立つようです。 全国的にみると、後継者不在率が60%を下回った都道府県は減少し、後継者問題に一定の効果が認められるものの、大きく改善されたような状況とはいえないようです。 ちなみに、都道府県でもっとも不在率が低かったのが三重県で、4年連続全国低水準。ただ、18年では69.3%を記録していたので、後継者問題にきちんと取り組めば効果を期待できることがわかります。 参照:帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/economic/succession2024/
後継者不足を招く主な原因は?
生活様式の変化や時代の流れとして、さまざまな業種業態で人材確保が困難になっていることもありますが、後継者不足の主要な原因としては以下の要素が挙げられます。
少子高齢化による後継者候補の減少
少子化により、そもそも人口減少傾向です。2020年の出生数が過去最低を記録し、2030年にはあらゆる業界で深刻な影響が生じることが懸念されています。いわゆる2030年問題です。 少子化による労働人口の減少が顕在化し、人材不足が深刻な状況に陥る可能性が指摘されています。人材獲得に向けた競争の激化、人を呼ぶための人件費高騰などが懸念され、後継者候補どころか、普通の働き手にも事欠く事態となりかねません。 さらに地方都市では若年層による都市部への転出が頻繁に起こるため、地域人口における若者比率は低下する一方です。   親族内での継承の場合、後継者や後継候補者は「30〜39歳」がボリュームゾーンとなっています。また、候補者としては「29歳以下」が2番目に高い割合で、の若い人材を求める傾向にあります。 少子化や東京への人口一極集中によって適齢年齢の人材が少なくなることから、後継者不足を招くのです。
経営環境の変化に対する先行き不安
グローバル化が当たり前の時代、競争相手が商圏内の同業他社だけでなく、世界規模での競争にさらされるような状況も珍しくはありません。 また、ITやデジタルといったテクノロジーの進化による急激な社会の変化に対応することも難しいでしょう。いま世の中を席巻しているAIなど、今後どういった影響を及ぼすかわかりません。 さらに、新型コロナウイルスによる世界的流行を筆頭に、戦争、地震、異常気象といった不測の事態が頻繁に起こる可能性も少ない状況で、将来に対する将来の不透明さが、事業継承という責任の重さを考えたときに躊躇してしまう要素となり得ます。
事業承継の準備不足
中小企業庁が公表する「事業継承ガイドライン」には、事業継承に必要な準備期間を5〜10年としています。   しかし、中小企業の経営者は日常の業務が忙しく、なかなか事業継承の準備まで手が回らない現状があります。また、そんな時間と予算があるなら、いま会社を成長させるために使ったほうがマシだと考える経営者も少なくないでしょう。 中小企業の経営者を年齢別でみると、60代が約30%、70代が約20%と、この二世代だけで半分を占めます。また、70代の割合が年々増加しており、経営者の高齢化をデータが示しています。 平均健康寿命は70代前半なので早めに着手しないと何が起こるかわかりません。経営者の平均年齢は62.2歳なので、そのあたり、還暦くらいには経営継承に着手しないと準備不足となってしまいます。  ・  ・  ・ ▼つづきはこちら▼ https://www.kizuna-corp.com/column/lack-of-successors_solution/
関連コラム