M&A
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2024/04/15

【M&A実例】先細りしていく将来を見越して、競合企業へのM&Aを決断!【スーパーマーケット】

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はじめに
明治43年創業という老舗企業で、地元密着型で8店舗のスーパーマーケットを展開している「にいつフードセンター」。 「社長のおすすめ」というこだわり商品を陳列するなど、他のスーパーにはない品揃えと独自の魅力で地元民から長く愛されてきましたが、このたびM&Aを成功させました。 「先行きを見越して決断した」という川﨑貴樹社長に、M&A成功に至るまでのお話を伺いました。
「従業員だけは守りたい」という思いに動かされて
――まず、今回のM&Aに踏み切った理由をお聞かせください。 川﨑: M&Aを考えた理由は、私自身に後継ぎがいなかったということもありますが、その前にまず外部状況があります。小売業にとっては、人口減や物価高などで、15 〜20年前から非常に厳しい状況になっています。スーパーの先行きは、県で1番か2番の大規模店、もしくは個人店しか生き残れないのではないかと私は読んでいたのですが、我々のような規模のスーパーは、これからどんどん厳しくなってくると思います。 我々の経営状況はどんどん悪くなってきていて、賞与が出せない年もありました。賞与も出せない社長なんて失格だとも思いましたし、その状況でずっと同じ業種にかじりついて、最悪の事態になってしまうのが一番いけないと思った。従業員やその家族だけは守らなければいけない、そういう使命感があったのです。 ――M&Aを進めるにあたって、こだわった条件はありましたか? 川﨑: なにはなくとも、従業員の環境が悪化することは避けたいと考えました。基本的には、従業員を100パーセント残してほしいというのが一番大きな思いでしたね。 そして、現会長である父にとっては長い間経営してきた会社ですから、「にいつフードセンター」という名前には非常に強いこだわりがありました。結果としてその名が残ることになりましたが、それが父を喜ばせ、納得させる要因だったかなと思います。
驚きのスピード感と行動力に助けられる
――絆コーポレーションとは、どのようなかたちで接点を持たれたのですか? 川﨑: 実はその前にも、銀行を通して企業の社長さんにお会いしたり、毎日のように封書の案内を送ってくるM&A業者の方々とお会いしたりしていたんです。小川社長とは「新潟経済同友会」というところで知り合いました。それまで何度も会合などでお会いしてはいましたが、特に深い話をしたことはありませんでしたね。 あるとき、小川社長が書いている、M&Aのメルマガを読ませていただいて、M&Aを受ける側と買う側の言葉や心理などが、非常に参考になったんですね。私はそのとき、大手のM&A業社の方とやりとりしていたんですが、ちょっと違うなと感じていました。 大手企業ですからM&Aの知識はとても豊富なのですが、新潟のローカル事情のことを知らない。やっぱり一番大切なのは、地域の業種の現状を知っていることだと思い始めたのです。そこで小川社長に相談することにしました。 小川社長に自分の思いや悩みをいろいろぶっちゃけて話したら、非常に親身に聞いていただいて、そのうち「ぜひ手伝わせてもらえないか」と言われました。小川社長は非常に明るくて親身な方ですが、どこか物事を冷静に見ていて、ドライさも持ち合わせている感じがあり、それが信頼できると思ってお願いすることにしたんです。 ――M&Aは、どのように進んでいったのですか? 川﨑: 小川社長は、まずうちの8店舗全部を回ってくださいました。「品揃えのこだわりや、従業員の社長へのリスペクトが現れている感じなどは、地域の中でも特異なスーパーだ」ということをおっしゃってくださいましたね。「我々の良さをなくさず、そのまま引き継いでいただける相手を探さなければ」と思ってくださったようです。 私は当初、最初にお話しさせてもらってから、だいたい2年以内くらいにM&Aが決まるかなと考えていました。それが実際は、驚くほどのスピードで進みました。 「ある程度こんなふうになったらいいな」という希望的な条件をすべて叶えつつ、県外を含めてまたスーパー以外の業種も含めて、相当数の候補をあたっていただきました。そのなかで、それなりに話になりそうだという会社をピックアップいただいたのですが、このスピード感と行動力には本当にびっくりしました。それが一番、印象に残っていますね。 ・ ・ ・ ・ つづきはこちらから↓ https://www.kizuna-corp.com/column/grocerystore/
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