M&A
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2021/08/24

データでわかる! M&A市場のトレンドを徹底解説

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はじめに
我が国では、以前と比べてM&Aという事業承継手法は一般的になりました。 では、実際に数字で見ると、M&Aの市場はどのように推移しているのでしょうか? 発表されているデータをもとに、M&A市場の推移とトレンドを具体的に見てみましょう。
M&Aの市場規模は?
まず、M&Aの市場規模について中小企業庁のデータを紹介します。M&Aの市場規模推移というテーマに絞った国の分析としては、最新のものです。 参考:中小企業庁「M&Aの現状」 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/html/b2_6_2_2.html
増加傾向を続けるM&A件数
中小企業庁「M&Aの現状」内にあるレコフデータ調べの数字から、M&Aの市場規模の変遷を見てみます。 まず、調査開始年度であった1985年におけるM&Aの成立件数は260件。 これが1986年になると、531件まで増えます。バブル崩壊により多くの会社がダメージを負った関係で、競争力を失い買収される会社が増加したという背景がうかがえます。 さらにその後もM&A件数の増加基調は継続し、1999年には1169件のM&Aが成立。1000件の大台を史上初めて超え、調査開始時と比べると約4倍の市場規模になりました。
00年台に1度目のブレイクスルー
さらに、翌年となる2000年のM&A成立件数は、なんと一気に1635件に。1年間での増加幅はこの時点での過去最大です。 大きな増加要因としては、いわゆるネットバブルでしょう。現在の大手ネット企業が成長過程で多くのネット企業を吸収していた時代です。 そして2006年には年間のM&A成立件数が2775件となり、1度目のピークを迎えます。
リーマン・ショックで件数落ち込み
ところが、2010年ごろにトレンドが変わります。 2009年には1957件、2010年には1707件と、それまで一貫して増加傾向にあった件数が突如、減少に転じたのです。 その理由として真っ先に思い出されるのは、2009年のリーマン・ショック。M&A市場に対する影響が大きかったのは、リーマン・ショックでは特に金融機関が深い傷を負ったためでしょう。 M&Aに際しては買い手が多額の資金を用意する必要があり、多くの場合は金融機関からの融資によって資金が調達されます。リーマン・ショックで金融機関が大ダメージを受けたせいで、本来できたはずのM&Aの多くがストップしてしまったのだと考えられます。
再び件数が増加!
しかし、リーマン・ショックによるM&A件数の低下はあくまで一時的な現象でした。 2011年に底を打ったM&A成立件数は、その後再び増加基調に。2016年には2652件と、リーマン・ショック前の水準まで回復しました。 そして、資料内の最終年である2017年には、3050件のM&Aが成立。史上最多を記録したのです。 なお、レコフデータの継続調査を見ると、2019年にはさらに増加して4000件を超えるM&Aが成立しています。 参考:マールオンライン「グラフで見るM&A動向」 https://www.marr.jp/genre/graphdemiru
トレンドはどう移り変わっているのか?
ここまで、M&Aの成立件数から市場規模の推移を見てきました。次に、特徴的なトレンドを分析します。 ↓つづきはこちらから↓ https://www.kizuna-corp.com/column/ma_data/
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