アパレル・ファッションのM&A案件一覧

アパレル企画・小売業の特徴 アパレル企画・小売は、男子服、婦人服や子供服などに分かれ、さらにフォーマルとカジュアルに分かれ、幅広いものとなっています。アパレル業界では、SPA（Speciality store retailer of Private label Apparel）という、企画から製造、販売までの機能を垂直統合したビジネスモデルが業界構造に変化をもたらし、大きな影響を及ぼしています。その代表的な国内企業がユニクロです。中小のアパレル企画・小売は、ユニクロのように海外店舗を持てないため、少子高齢化による顧客数減少の流れは止めらないため、リピーター獲得が生き残りへの方法といえるでしょう。

セレクトショップ（EC・店舗）事業の特徴 セレクトショップは、複数のブランドを取り扱っている店のことをいいます。国内大手セレクトショップは、BEAMS、SHIPSやUNITED ARROWSなどが代表的であり、自社ブランドを取扱っています。中小のセレクトショップは、独自のコンセプトやテイストを持ち、存在感を高めています。セレクトショップは、ブランドを選んで、そのブランドを仕入れるバイヤーのセンスが重要であるといえ、M&Aにおいてはバイヤーを引継げることは最重要ポイントの一つです。セレクトショップは、実店舗の展開はもちろん、インターネット販売（ECサイト）にも力を入れています。大手セレクトショップは自社サイト、中小セレクトショップは楽天やヤフー（ZOZO）などに出店していることが多いです。"

靴・かばん事業の特徴 靴・かばんの製造業者は、事業者の高齢化による廃業が原因で、国内の事業者数は減少を続けています。安価な中国やアジア諸国からの輸入品は消費者の低価格志向と実用性、高価な欧米諸国からの輸入品は優れたデザインとブランド力で市場は二極化されています。さらに、アパレル業者をはじめとする異業種参入など、ますます競争が激しくなってきています。靴・かばん業界は、卸売が行った企画を製造業者が生産するというビジネスモデルでしたが、付加価値の高い製品の開発、地域ブランドの立ち上げやECサイトによる販路拡大など、今後は積極的な経営戦略と営業活動が求められます。

ファッション小物事業の特徴 ファッション小物とは、鞄、マフラー、ハンカチ、帽子やアクセサリーなど、取扱商品が多種多様あり、アイテム数も多いため、在庫管理が難しいのが特徴です。加えて、ファッションの流行に左右されやすく、流行期間が短くなりがちであるため、不良在庫が発生しやすい構造となっています。今ではインターネットの普及により、独創的な個人デザイナーと一般個人の直接取引が急拡大していて、店舗を構える小売業者との競合が激しさを増しています。このことから、商品だけでなく、流行やブランド知識などの情報収集力とInstagramなどのSNSを活用した情報発信力は、競争に勝つための重要なポイントです。

和装関連事業の特徴 和装関連事業は、消費者の和装から洋装へのライフスタイルの変化や商品の高額化のため、着物離れが起こり、市場規模は大きく縮小しています。このため、産地の疲弊が発生しており、生産体制に影響が出てくる可能性は高く、業界構造自体の見直しが迫られています。生産体制の合理化、複雑な流通経路の見直しやインターネット販売やリサイクルによる販路拡大、また消費者の関心が「所有する」ことから「使用する」ことに移ってきており、観光地における観光客や若者をターゲットとしたレンタル着物など、顧客ニーズに合わせた新しい商品やサービスを開発することが不可欠であるといえるでしょう。

縫製・編み工場事業の特徴 縫製とはミシンを使って縫製をすることをいい、編み（ニット）とはセーターやカーディガンなどを製造することをいいます。編みの類似語でメリヤスとありますが、下着や靴下のことをいいます。縫製・編みともに、生産工程が分業制で行われていて、事業者の多くは小規模・零細であり、同業者が一定の地域に集まっています。日本の縫製技術・品質は海外でも高く評価されていて、高級ブランド服の縫製を受注している事業者もいます。縫製機械や編み機において、技術の進歩は著しく、全自動運転のものが出現しているものの、小規模・零細事業者は設備投資できないため、生産性を上げることもできていません。アパレル業界全体にいえることですが、消費者は安い輸入品を好んでいるため、国内事業者の競争は激化しています。

テキスタイル関連事業の特徴 テキスタイルとは、衣料品に使われている織物やなどの生地のことです。織物を作る業種を機屋（はたや）、ニットを作る業種をニッターと呼び、それらを総称してテキスタイルメーカーとしています。素材は綿・絹・毛やニットなどがあり、織り方や編み方の組み合わせのノウハウと技術が同業他社との差別化要素となっています。テキスタイルメーカーは、アパレルメーカーや商社からの受注により、生地を作りますが、短納期・多品種・小ロットが業界の特徴で、コストダウンとスピードを両立できなければ、生き残っていけない状況です。メイドインジャパンの技術力は海外からも高い評価を得ているので、今後の成長のカギは、消費者ニーズの情報収集、アパレルメーカーとの共同開発やブランディングを強めることだと思われます。