財務・税務
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2026/10/19

【コラム】親族内承継時に持分ありを維持したほうがよいのか?

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ご相談内容
クリニックを持分あり医療法人で経営しており、息子へ承継することとなりました。 持分の評価額が5億円前後となり、将来の相続税が心配なため認定医療法人制度を使って持分なし医療法人へ移行したいと思っていますが、顧問税理士からは「持分あり医療法人は今後作ることができない、持分なし医療法人へ移行するのはもったいない」といわれました。 持分なし医療法人へ移行すべきではないのでしょうか?
医療法人の親族内承継では認定医療法人制度と持分なし医療法人へ移行は非常に有効な手段です。
親族で医療法人を承継する場合、持分に対する相続税を回避する手段として認定医療法人制度の活用と持分なし医療法人へ移行は非常に有効な手段であると考えられます。 現状5億円の持分評価額がある場合、出資持分に対する相続税や贈与税は数億円に上るものと考えられます。現金を受け継いだわけではないところに現金での数億円の納税が必要になりますが、持分なし医療法人の場合は出資持分の承継に対する納税は発生しません。 また、先代経営者や後継者が優良経営を行って法人の財務状況がよくなるほど出資持分の評価額が高くなり相続税や贈与税も高くなる現象も、持分なし医療法人では生じませんので、法人の優良経営を阻害することもなくなります。 確かに持分あり医療法人は平成19年4月以降は設立することは出来なくなりましたが、「現在は設立できない」ところからもう一歩踏み込んで、「なぜ現在設立できないから持分ありを継続すべきなのか」を検討する必要があると考えられます。つまり、「もう設立することができない」こと自体を理由とするのではなく、そもそも持分自体にどういうメリットがあるから持分ありを維持すべきなのかまで踏み込んで考えないと本末転倒の結果になりかねません。 なお、認定医療法人制度を使って持分なし医療法人へ移行する際は下記の事項も検討して意思決定をする必要があります。 ・持分がなくなるため、出資者の払戻請求権や残余財産分配請求権がなくなる(解散時の残余財産は国等に帰属する) ・認定の要件を6年間満たす必要がある(例えば、役員給与や役員退職金の支給額で制限を受ける場合がある) ・出資者の法人に対する間接的な影響力がなくなる(出資者には議決権はなく、社員は1人1議決権であるが、出資持分の払戻請求権の額が大きい場合に発言力が大きくなるケースがありうる) ・M&Aの際に出資持分譲渡のスキーム選択ができなくなる(ただし、M&A自体は持分なし医療法人でも可能であり、持分の有無がM&Aの可否や譲渡対価に与える影響はプラスとマイナスの両方に作用しうる)、認定を受けて6年間にM&Aを行う場合の譲渡対価の清算方法は注意が必要である
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