| 公開日 | 2024/04/24 |
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| 記載者 | 株式会社日本財務戦略セン... |
M&A
仲介会社と契約する前に、売り手は書面で何を求めてよいのか
仲介会社を選ぶときの「物差し」が、2025年から変わっています
会社を譲ることを考え始めると、仲介会社やファイナンシャル・アドバイザー(FA)から提案が届きます。手数料の数字を並べて比べたくなりますが、その前に確かめられることがあります。中小企業庁が公表した数値では、M&A支援機関登録制度に登録された機関数は2,841件(2025年2月時点)です。銀行、証券会社、税理士法人、専業仲介会社など、多様な相手の中から選ぶことになります。そして今は、契約の前に売り手が書面で受け取れるものが、ガイドラインで具体的に決まっています。
契約の前に、17項目を書面で説明することになりました
経済産業省・中小企業庁は2024年8月30日、中小M&Aガイドラインを第3版に改訂し、2025年1月1日から適用しました。法令そのものではないものの、M&A支援機関登録制度では登録機関にガイドラインの遵守宣言が求められ、事実上の業界共通ルールとして機能しています。
売り手にとって大きいのは、契約締結前の書面説明義務として17項目が明示されたことです。これまで口頭での説明、契約書の中での記載、ウェブサイト掲載など各社まちまちだった開示が、書面での事前提示として標準化されました。手数料についても、レーマン方式の場合は適用対象の定義を書面で示すことが求められます。譲渡対価のみか、負債承継額を含むのかで、同じ料率でも実額は大きく異なるためです。
また、仲介者は売り手と買い手の双方から手数料を受け取る「両手取引」です。第3版は、仲介者がこの両手取引である旨と潜在リスクを双方に説明する義務を明記しました。
してはいけない行為も、初めて具体的に並べられました
第3版の第2章Ⅱ5は、仲介者の利益相反禁止行為を5類型として初めて具体的に列挙しました。仲介契約書には、これらを仲介者が行わない旨を「仲介者の義務」として定めることが求められています。あわせて、仲介者(両手取引)はデューデリジェンスを直接実施すべきでない、と初めて明示されました。
営業・広告にも規律が新設されました。「買い手候補が既にいるかのような虚偽の勧誘」「断ったにもかかわらず執拗に営業を繰り返す行為」「過大な広告・過剰な宣伝活動」が禁止行為として列挙されています。
買い手の調査も求められています。仲介契約・FA契約を結ぶ前に、買い手についてどのような調査をするのか、その概要を売り手に説明しなければならない、とされています(原文p.101)。経営者保証についても、売り手の意向を聞き取り、保証の提供先である金融機関へのM&A成立前の相談も選択肢である旨を説明することが求められています(原文p.96)。
さらに2025年8月5日には「中小M&A市場改革プラン(中間とりまとめ)」が公表され、個人資格試験の創設が打ち出されました。令和8年度(2026年度)中の初回試験実施が想定されています。
答えは、ガイドラインの頁と契約書の条項にあります
書面で受け取るべき17項目は具体的に何か。利益相反の5類型はどんな行為で、契約書のどこを見れば確かめられるのか。手数料を比べる前に確認しておくべき軸と、問題があったときに情報を寄せられる窓口はどこか。ガイドライン原文の該当頁とあわせて、日本財務戦略センターの解説記事にまとめています。
中小M&Aガイドライン第3版・市場改革プラン2025の現在地(https://jfsc.jp/ma-brokerage-guideline-revision-impact/)
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