| 公開日 | 2024/06/12 |
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| 記載者 | 株式会社日本財務戦略セン... |
M&A
赤字の運送会社でも、引き継いでくれる相手はいるのか
継ぐ人はいても、渡せるものがあるのか
運送業の事業承継の話は、たいてい後継者不在から始まります。ところが東京商工リサーチの2025年の調査では、運輸業の後継者不在率は57.26%で、全産業の62.60%より低い数字でした。運輸業は、後継者がいる方の業種です。それでも会社を手放す社長がいます。決算が赤字、借入が重い、こんな会社を引き継ぐ相手がいるのか。実際に引き継がれた運送会社は、どんな財務状態だったのでしょうか。
合併で消えた運送会社は711社、引き継いだのは誰か
国税庁の法人番号データで、商号に運送業の語を含む法人44,094社のうち合併で解散した会社を数えると、2015年10月以降で711社ありました。2025年の81件が期間中の最多です。
このうち433社はグループ内の再編で、第三者への承継は267件でした。承継先の52.1%(139件)は運送会社として掲載されている会社で、車両数は中央値80台。業界全体の法人の中央値は12台です。売り手と承継先の車両数が両方分かる31組では、承継先は売り手の中央値で3.1倍の規模でした。承継先が同じ市区町村にあるのは22.8%、同じ都道府県まで広げても49.4%です。上場企業本体が直接引き継いだのは22社(3.1%)で、その半数近くは自社の物流子会社の統合でした。
なお、実務上の主流である株式譲渡は、会社が存続して登記記録が閉鎖されないため、この711社には一件も含まれていません。
赤字の会社も、債務超過の会社も引き継がれていました
全日本トラック協会の経営分析報告書(令和6年度決算版)では、営業損益が赤字の事業者は48%、10台以下に限れば62%です。
官報には、合併する会社の貸借対照表の要旨が載ります。711社の官報記録を照合して財務を確認できた53社を見ると、純資産がプラスで黒字の会社が25社、純資産がプラスで赤字の会社が11社、債務超過の会社が13社でした。債務超過の13社も、すべて合併によって引き継がれています。13社のうち4社は、債務超過でありながらその年は黒字でした。
健全なまま手放した会社も珍しくありません。自己資本比率の中央値は49.5%で、80%を超える会社が9社あり、社歴の中央値は第36期です。
ただし、財務が確認できたのは決算公告を出した会社に偏っており、この分布を業界全体に一般化することはできません。
答えは、買い手の側の損益計算書にあります
赤字の会社に、なぜ買い手がつくのか。全日本トラック協会の規模別データを使うと、その理由は計算で示せます。どの規模の会社がどの規模の帯に入ると、何がどれだけ変わるのか。債務超過の会社は、誰に引き継がれていたのか。譲渡のあとに個人保証や雇用をどう扱うのか。国税庁の法人番号データと官報の公告まで遡って、日本財務戦略センターの一次調査にまとめています。
運送会社はM&Aで、どこに買われるのか|合併で消えた711社を法人番号データで数えた(https://jfsc.jp/research/trucking-ma-japan/)
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