財務・税務
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2026/03/23

クリニック院長の各ライフサイクルにおける生命保険の活用方法

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ライフサイクル1:開業後~個人診療所(個人事業主)
個人診療所での生命保険を活用した所得税の軽減策は限られていますが、生命保険(例:死亡保険)、介護医療保険(例:医療保険・がん保険・介護保険など)、個人年金保険に加入することによる生命保険料控除の活用が考えられます。その他、小規模企業共済やiDeCo、国民年金基金などによる所得控除を受けることも考えられます。 ・生命保険料控除:その年に支払った生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のそれぞれの区分ごとに一定の算式に基づき、所得税では合計で最大年間12万円、住民税では合計で最大年間7万円の所得控除を受けることができます。 ・小規模企業共済やiDeCo、国民年金基金など:その年に支払った金額がそのまま所得控除の対象となります。小規模企業共済は月額7万円、iDeCoは月額68,000円(令和8年12月からは75,000円)が掛金の上限になります。
ライフサイクル2:医療法人成り後
医療法人成り後の税効果を考える場合、所得税率と法人税率を単純に比較するだけでは片手落ちといえます。 「毎年の所得に対する適用税率が個人の場合で最高約56%(所得税・住民税・復興特別所得税)、法人の場合が約30%なので法人の方が有利」と単純に個人と法人の税率の比較をするのではなく、院長(理事長)の退職時に課税される退職金に対する所得税も合わせると法人成り後であっても法人と個人の課税をトータルすると最大で50%近い課税となり、法人成りしたメリットがあまりないことになってしまいます。 役員報酬と損金性のある保険のバランスを考えて、法人成り後のトータルの税負担を軽減する対策が必要になります。 ・対策:全損保険、4割損金、6割損金、養老保険等の保険料を法人で損金算入することができる生命保険を活用。院長(理事長)の退職時に合わせて解約返戻金等を法人で受け取り、それを退職金の原資として支給することにより結果的に医療法人成りによる税負担軽減効果を最大化。 ・目的:法人税と退職所得課税の二重課税回避 ※例えば医療法人成りの際に初年度に租税特別措置法67条の概算経費を使った場合、次年度以降は上記の対策を考える必要があります。
ライフサイクル3:相続税対策
持分なし医療法人であれば出資持分がないため、法人の承継に相続税は課税されません。 ただし、例えば理事長から医療法人へ事業用不動産を賃貸している場合や、その他の個人財産が蓄積されている場合は相続税の納税対策が必要になってきます。 ①事例1 理事長の推定相続財産を洗い出し、推定相続税額を算出する。その相続税については生命保険金で賄うように設計することにより、万が一相続人が遺産分割で争った場合や、不動産や換金性の低い財産が多い場合であっても、相続税の納税は保険金できちんと納税できる状況としておく。 ②事例2 理事長が高齢で通常の保険に加入することが難しい場合は、無告知の一時払終身保険等の活用を検討する。 ③事例3 理事長個人が生命保険に加入してから相当の年月が経過している場合は、もう一度生命保険の加入状況をチェックする。 ・加入当初よりもっと有利な生命保険に加入できるものはないか ・生命保険の受取人を配偶者のみにしている場合も多いが、相続税の納税資金確保や非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の活用という観点からは、配偶者以外の相続人を受取人にした方がメリットが大きいケースも多い。
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