M&A
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2025/05/12

医療法人のM&Aにおける譲渡対価の簡易計算

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はじめに
最近ありがたいことに医療法人の理事長や奥様、勤務医の先生方からホームページ経由でのご相談が増えてきました。 ご相談内容として圧倒的に多いのがM&Aでの妥当な対価とスキームについてです。 そこで今回はM&Aにおける対価の簡易的な計算方法をご説明させていただきます。 ▼藤澤文太税理士事務所ホームページ https://fujisawa-taxaccount.com/ ▼Xの投稿もぜひご覧ください https://x.com/5oleg6g3lr077na?s=21&t=d_LoMA-axQyUbexpR9x1yQ
クリニックM&Aにおける簡易評価
クリニックのM&Aの譲渡金額は「時価純資産価額+のれん代」を基に決めることが多いと考えられます。 この、時価純資産価額とのれん代を知るためには、法人の直近の決算書が必要になります。 時価純資産価額は貸借対照表、のれん代は損益計算書から算定することとなります。 つまり、時価純資産価額は、貸借対照表を基に、主に資産の実在性と負債の網羅性を検証し、資産負債の帳簿価額を時価換算することにより割り出すことが出来ます。 また、のれん代は、直近の損益計算書の税引後損益から非経常的な損益を除外し、売り手固有の損益を平準的な損益に引き直した後の修正後損益を基に割り出すこととなります(1~2年分が目安となることが多い)。
貸借対照表で論点になりやすい項目
貸借対照表で論点になりやすい項目は主に下記のとおりです。 ①現金、自費未収金:売り手が自主的に管理していないと帳簿残高と実際残高が乖離しやすい(保険未収金は支払基金や国保連合会からの2か月分の通知書により残高を合わせることが出来るためズレにくい) ②減価償却資産:過去に償却額を調整して簿価が過大な可能性あり ③土地、建物:重要性が高ければ不動産鑑定士に別途鑑定評価依頼、そうでなければ類似物件の相場や固定資産税評価額・路線価等から割り出す ④借地権:土地を借りて建物を建てているが帳簿上計上されていない場合は計上が必要な場合あり  ※不動産はMS法人や理事長個人が賃貸している場合は、不動産も譲渡の対象とするのか、不動産は売り手に残して賃貸を継続するのか検討が必要 ⑤保険積立金:保険会社に確認して解約返戻金に引き直す ⑥退職給付引当金:役員以外の現時点での退職金見込額から外部積立額(例:中退共)を控除、退職金規程がなくても慣例化していたら計上 ⑦未払(未収)法人税等:計上するケースが少ないように見受けられるが、例えば「保険積立金の差益ーM&Aによる役員退職金」に対する法人税等相当額を計上すべきと考えられる、医療法人の法人税の実効税率は一般法人と異なるため注意が必要(例:保険診療に対する法人事業税非課税、それ以外の部分も軽減有)
損益計算書で論点になりやすい項目
損益計算書で論点になりやすい項目は主に下記のとおりです。 ①役員報酬:平均的な金額に引き直す ※役員報酬をいくらと仮定するのかはいくつか考え方があります。  ❶3,600万円:特定や認定医療法人の上限、多くの都道府県における理事長給与の上限額、医療経済実態調査における院長給与の平均  ❷1,400万円:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を何年分か私が調べた全体の医師の平均給与です。  ❸現在の買い手(勤務医)の収入:承継した場合の買い手の機会損失  ②減価償却費:償却限度額に引き直す ③交際費:現役員の属人的なものを除外 ④保険料:現役員の退職金準備や節税目的の保険料などを除外 ⑤法人税等:上記の修正後の税引利益前を基に計算。なお、医療法人の法人税の実効税率は一般法人より低いので注意が必要です。保険診療の事業税は非課税なのと、それ以外についても税率が抑えられています。
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