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2023/11/10

《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~PMI 統合・100日プランの決定~

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《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~PMI 統合・100日プランの決定~
《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~PMI 統合・100日プランの決定~ これまで、M&A/事業承継のプロセスとスケジュール感のご紹介から、実際の作業の流れとポイント・注意点を①案件化~⑤契約締結・クロージングまでご紹介してまいりました。 以下、リンク参照 M&A/事業承継のプロセスとスケジュール感:https://batonz.jp/learn/expert_articles/3303 しかし前回の以下コラムに記載したように、M&A/事業承継を実行して終わりではありません。 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~M&A実行後~M&A未経験者必見! https://batonz.jp/learn/expert_articles/3297 上記コラムの繰り返しになりますがM&A後は、【PMI】の対応が重要となっていきます。 この重要性について、令和4年3月に中小企業庁から公表された「中小PMIガイドライン~中小M&Aを成功に導くために~」にも次の記載があります。 「譲受側が、M&Aの目的を実現させ、その効果を最大化する上では、M&Aにおける最終契約の締結・決済はいわば「スタートライン」に過ぎず、その後の統合等に係る取組(PMI:POSTMERGER INTEGRATION)こそが重要であるにもかかわらず、PMIの重要性についての理解すら中小企業には十分に浸透しておらず、PMIの取組を支援する支援機関も十分に存在していない状況です。」 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/pmi_guideline.pdf そのため、PMIについてしっかり学んで本当のM&A/事業承継の成功を目指しましょう! 【PMIとは】 まずPMIとはPost Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の頭文字を取った略称で、「M&A後の経営統合」を指します。そして、PMIの大きな流れは以下のとおりです。 ①課題の識別・統合方針の決定 ↓ ②統合プランの策定 ↓ ③100日プランの策定 ↓ ④統合の実施・モニタリング 今回コラムで解説するのは、 【②~③PMI 統合プランの決定】になります。
【②~③PMI 統合プラン・100日プランの決定】
【②~③PMI 統合プラン・100日プランの決定】 前回は、以下のコラムにて全体の流れと目的を踏まえて、【①課題の識別・統合方針の決定】について理解しました。 《M&A成功の秘訣》M&A/事業承継において留意すべきポイント~M&A後 PMI 統合方針の決定~ https://batonz.jp/learn/expert_articles/3412 そしてセカンドステップとして【②~③PMI 統合プラン・100日プランの決定】があります。 ここでは【①課題の識別・統合方針の決定】で識別した課題と決定した方針に従い、具体的な統合プランを組み上げてスケジュールに落とし込んでいきます。 では、具体的に実施すべき作業とタイミングについて解説していきます。 【②、③-① 統合プラン・PMI推進体制を構築しよう!】 ★統合プランの策定 デューデリジェンス業務やM&Aの目的を達成するための課題を【①課題の識別・統合方針の決定】で識別して、大きな統合方針を決定したら、その方針に従い、具体的な統合プランを策定しましょう! とは言ってもぼんやりしすぎてイメージがつかないと思いますので、まずは各種DDにおいて指摘された課題から検討すると良いでしょう。 以下の項目からそれぞれ考えるとイメージが付きやすいと思いますのでご参考下さい。 具体的なポイントは各社それぞれですが、一番は売り手と買い手の信頼関係です。まずはこれを意識しましょう。 ・シナジー創出の施策検討 ・経営体制 ・ガバナンス体制 ・人事制度 ・従業員や関係者との信頼関係の構築 ・業務プロセスや拠点の統廃合 ・情報システムの統合 ★PMI推進チームの発足 同時に、PMI責任者や推進チームを発足させます。旗振り役と責任の所在を明確にすることで、スピード感と実行力の伴うプランにできます。 ここで、中小M&Aでは、譲受側・譲渡側ともに人員に余裕がない状況で、通常業務に加えてPMIの取組を実施することになります。そうした中でPMIプロセスを円滑に進めるためには、PMI推進に求められる役割を整理し、譲受側・譲渡側の適切な人材で役割分担しながら進める必要があるでしょう。 また、PMIにおける検討事項は、会計や税務、法務、労務、IT、ビジネス、経営方針等々多岐にわたるため、自社の人材だけでは専門的な知見等が不足することが想定されます。必要に応じて外部の支援専門家の支援を得るなど、外部リソースの活用も検討することが望ましいでしょう。 可能であれば、小規模案件では売却した元オーナーに協力してもらうことも検討しましょう。 プロジェクトチームは買い手側/売り手側双方の企業の人材の混成チームで編成することが望ましいと言われてます。 これはプロジェクトチームに偏りがあると、両者いずれかの都合が優先される可能性があるため、それだけM&Aの成否に影響するのです。 また売り手側の事情をよく把握しており、かつ影響力(=協力)を得やすいのは売り手のオーナーであるため、上手く協力関係にできると小規模案件ではよりPMIの成功可能性が高まります。 ★推進体制の構築に向けた取組例 • 譲受側経営者をサポートする人材として、譲受側から信頼できる従業員を派遣する • 譲渡側から信頼できる従業員を選任する 両者のチームメンバーは、M&A後には売り手買い手という利害が対立する関係ではなく同じグループの仲間になりますので、必要な協力を得ることができるよう信頼関係を構築することが重要です。 「中小PMIガイドライン~中小M&Aを成功に導くために~」には以下の記載があります。 経営力再構築伴走支援モデル、課題「設定」のための支援を強化すること、対話を通じて経営者の「腹落ち」を促し、潜在力を引き出し自走化に導くこと PMIの推進において必要な役割は、主に重要意思決定、企画・推進、実務作業の3つが想定される。それぞれ適切な人材で役割分担することが望ましいが、企業の規模や状況によっては、役割を兼務させることも想定される。 ❶ 重要意思決定 譲受側経営者を中心にPMIに関する重要な意思決定を行う。 • PMIプロセス全般における責任を負う。 ❷ 企画・推進 PMIの取組の全体を把握し、各取組の企画・推進、管理(進捗管理、タスク管理)等を行う。 • 必要に応じて、譲受側・譲渡側にてPMI推進チームを組成する ❸ 実務作業 PMIに関する具体的な実務作業を行う。 • 必要に応じて取組テーマごとにチーム(分科会)を組成する 【②、③-② 優先順位を決めて100日プランに落とし込もう!】 ★「100日プラン」とは? 大きな方針を決めてそれをプランに落とし込んだら、「100日プラン」を作成します! 「100日プラン」と呼ぶ理由は、統合初期に短期的な成果を出すことが非常に重要とされており、本当の意味で経営統合を図る原動力になるためです。 PMIを達成しM&Aを成功させるには、マネジメントの観点から1つの区切りとしての3カ月の間に何らかの成功をおさめ、従業員に新マネジメントのリーダーシップを示す必要があります。従業員の観点では、変化を受けいれる期間が約3カ月といわれており、3カ月を超えてしまうと変化への寛容度・需要度が徐々に低くなりやすく、大きな変化に対して抵抗勢力が出てくることも想定されます。 そのため、組織においてPMI達成しM&A成功のために最初に必要な期間が3カ月(≒100日)とされています。 そのような背景から「100日プラン」と呼ばれています。 ★優先順位の決め方 「100日プラン」の重要性について理解し、課題とその解決策を具体的に「100日」プランに落とし込んでいきます。 PMIプロセスにかけられるリソースが不足しがちな中小企業では、どの課題から取り組んで、どの課題を後回しにするか優先順位を付けて対応をしていく必要があります。DD等の結果を踏まえて人員、資金等の制約を踏まえ、取り組むべき課題に優先順位を付けていきましょう。 優先順位を検討する視点(例): ⚫重要度 ✓ M&Aの目的や戦略との適合度合い ✓ 実行した場合、しなかった場合の経営へのプラス・マイナスの影響とその大きさ ⚫緊急性 ✓ リスクが顕在化するまでに想定される期間 ✓ 実行しなかった場合のリスク要因の発生確率 ⚫実行可能性 ✓ 実行にかかるコストの大きさ(人員、資金等) ✓ 効果が出るまでの期間 ✓ 実行において必要な人材や協力を得るべき関係者の有無 またM&A成立直後は、M&Aの成果がなかなか出ないと「このM&Aは必要がなかったのではないか」という空気が漂い、従業員のモチベーションの低下につながりやすいです。 従業員等に取組の意義を感じてもうため、是非「100日プラン」には早期に成果を得られる取組(クイック・ヒット)を優先して行うことも併せて検討しましょう! 具体的な例としては、「従業員の処遇改善を行う」「統合直後から社内イベントや社員研修の中で経営方針やM&A後のビジョンの共有」をするなど即効性のある施策を行うと、従業員はM&Aのメリットを実感できPMIへのモチベーションを期待できます。 ★ガントチャートへ落とし込む 課題を識別して、優先順位を決めたらガンドチャートへ落とし込みましょう!! ガントチャートへ落とし込むことで、実際にリソースが足りているのか、作業に漏れがないか、実施する作業の順番がこれでいいのかなどが見えてくるようになります。 実際にガントチャートへ落とし込むこともお忘れなく! 加えて、あるあるですがガントチャートへ落とし込んで満足するのではなくタスク管理と進捗管理のためのツールですので、定期的な更新と進捗のモニタリングはしっかりしていきましょう。 以下の「無料ご相談」のフォームからお問い合わせいただけましたら、ガントチャートのフォーマットをプレゼントいたします! 上記を実施したら、次回のコラム「④統合の実施・モニタリング」をご覧ください! 参照及び引用元:「中小PMIガイドライン~中小M&Aを成功に導くために~」 令和4年3月に中小企業庁から公表 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/pmi_guideline.pdf
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