M&A
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2024/09/03

M&Aで買い手から「従業員面談をしたい」 と言われたときの、売り手のベストな対応は?

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はじめに
「従業員と面談したいのですが……」――M&Aの交渉を進めていると、買い手の社長からそう切り出されることがあります。 買い手の社長からすれば、相手企業の従業員についてできるだけ詳しく知りたいのは当然です。 そんなとき、売り手の社長は、どのように対応すればいいのでしょうか? 対処法のポイントを解説します。
事前に従業員面談をめぐる買い手の思惑と、売り手の懸念とは?
買い手の社長からすれば、自分が買う会社の「人・モノ・金」について詳しく知りたいのは当然です。 このうち「人」に関しては、経営者とのやり取りや書類などで各部署の人員構成などは把握できても、「人となり」「考え方」「スキル」などは、実際に会って話してみなければわからい部分が多い。このため、当社がM&Aを仲介する際にも、買い手側から「従業員と面談したい」というご要望を受けるケースが意外と多いものです。 問題はいつ、だれと面談をするのかという点です。 買い手の社長が買収先の従業員と面談する目的は主に3つあります。 1.買収後の従業員の離職を防止するため 自社にないスキルを取り込めることを期待して買収したにもかかわらず、従業員が辞めてしまってはM&Aのメリットが激減してしまいます。 2.買収先のキーマンを把握するため 「企業は人」とはよくいわれる言葉。とりわけサービス業や流通業は人ありきです。たとえば介護事業ならスタッフを束ねるマネジャーと会いたいと考える買い手の社長もいます。製造業でも、工場長などのキーマンに会っておきたいと考えるでしょう。「実は副工場長がやり手で部下からの信頼も厚く、実質的キーマンだった」という裏事情が見えてくることもあります。 3.従業員の能力やスキルを確認するため 面談でスキルを把握すれば、買収後の人員配置の最適化を検討する材料になります。 ただし、売り手の社長が買い手による事前面談を避けたがるケースもあります。というのも、買い手の社長に従業員を会わせた結果、途中でなんらかの事情でその候補先とのM&Aが中止になったとき、「M&Aで社長が代わる。」という不安を面談した従業員が感じてしまうという恐れと面談した従業員が他の漏らすかもしれないという恐れ。しかし、売り手側が従業員面談を頑なに断ると、交渉が決裂してしまうリスクもあります。 だから、まずはキーマンとの面談。この人を押さえておけば、事業はまわっていくというキーマンとの面談をして、判断いただくことになります。それが重要ですし、基本的には基本合意後をお勧めしております。
基本合意後、DD(デューデリジェンス)で従業員と面談を希望する買い手候補・・・
基本合意後、従業員に会いたいと希望する買い手候補の社長もいます。それはリスクヘッジという観点ではわからなくもないですが、やや自分勝手な要求です。「社員がどんな人わからないと判断しようがない」というのが主張ですが、会社の業績と組織、経営のやり方をみて、従業員がどのような役割を担っているかは把握できます。まだ、買収すると決まる前から従業員との面談はいくらなんでも乱暴です。ですので、せめて、キーマンとの面談で判断してもらいたいとお伝えします。 キーマン:社長の右腕レベルの幹部との面談は、基本合意契約の締結後、従業員とは最終契約後というのが、王道です。
売り手は隠しごとをしてはいけない
買い手は、従業員面談を断られたら「何か後ろめたいことがあるのでは……?」と疑心暗鬼になりかねません。当社が関わった事例では、買い手から「従業員のキーマンとの面談」を希望されて、売り手が「最終契約後でないと情報漏洩のリスクがある」と頑なに拒んで交渉が決裂したことがありました。 それぞれの言い分はありますが、せめて、売り手側もリスクをとって、キーマンにはお会いいただくようにしないと交渉も前にすすみません。 人ではなく、モノですら破談の原因になるのです。売り手は、M&Aを成立させるためには、隠しごとをしないのが肝要です。 買い手から「キーマンや従業員の主要な方と面談をしたい」と言われたら、誠意をもってリスクがあることをあらかじめ伝えて、それをいかにヘッジできるかを相談し、できる範囲で応じる方がいいと思います。売り手は、自社の情報を開示すればするほどM&Aが成功しやすくなります。 ・ ・ ・ ▼つづきはこちら▼ https://www.kizuna-corp.com/column/interview/
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