公開日 | 2024/08/09 |
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記載者 | 北村経済研究所 |
M&A
「私の経営は成功しているのか?」:ベテラン経営者が後継者に会社を託すために今できること
経営判断の成否指標は事業承継段階になると変化する
よくご相談を受けるのは、「今までワンマン経営でやってきたが、客観的な評価を聞きたい」という声です。確かに、会社を成長させてきた実績は素晴らしいことです。しかし、事業承継を視野に入れると、これまでの経営手法を見直し、新たな視点で会社全体を見つめ直す必要があります。
多くの経営者が、一度は自問自答する問いではないでしょうか。特に、長年会社を率いてきた中高年の経営者の方々にとっては、引退を控え、後継者に会社を託すことを考える時期が訪れます。
「これが事業承継段階での成否指標です」という明らかなポイント
それは、要償還債務です。これは、借入金から現預金を差し引いたもので、企業の財務状況を最もシンプルに表す指標の一つと言えるでしょう。
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これまで、シェア拡大や売上拡大など、様々な目標に向かって舵を切ってきたことと思います。しかし、事業承継を考えると、これらの目標も重要ですが、会社を安定的に運営し、後継者に安心して引き継げる状態にすることが最優先課題となります。
なぜ、要償還債務に着目するのか?
後継者の安心感: 後継者にとって、会社を引き継ぐ際に最も気になるのは、会社の財務状況です。要償還債務が低いほど、会社は安定しており、将来的な経営の不安が軽減されます。
事業承継のハードル低下: 要償還債務が大きい場合、後継者は多額の借金を背負うことになります。これは、事業承継の大きなハードルとなります。要償還債務を減らすことで、後継者の負担を軽減し、事業承継をスムーズに進めることができます。
会社の安定化: 要償還債務を減らすことは、会社の財務体質を強化し、不測の事態に備えることにつながります。
現状の把握: まずは、自社の要償還債務の現状を正確に把握しましょう。
目標設定: 要償還債務をどれくらいの期間でどの程度減らすのか、具体的な目標を設定します。
実行計画: 目標達成のために、どのような施策を実行するか、具体的な計画を立てます。例えば、
不要な資産の売却
経費削減
収益性の高い事業への集中
資金調達
定期的な見直し: 定期的に計画の実行状況を見直し、必要に応じて計画を修正します。
ワンマン経営から、持続可能な企業へ
事業承継は、企業の存続に関わる重要な決断です。要償還債務に着目し、財務体質を強化することで、後継者に安心して会社を引き継ぎ、企業の永続的な発展につなげることができます。
本記事に関するお問い合わせ
北村真吾(中小企業診断士)
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