公開日 | 2023/12/04 |
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記載者 | FPスマイル&リッチ株式... |
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新NISAで失敗しないために ・・・「長期分散投資」に騙されないポイント! 【後編】
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その「分散投資」本当に大丈夫?
次に、分散投資について検証してみます。
投資の世界でいう「分散」には、主に「時間の分散」と「投資対象の分散」があります。
新NISAも含め長期積立投資であれば、月一回などのペースで長年にわたって購入することで、購入時期が分散されますので「時間の分散効果」が得られます。これはリスク軽減効果として確かな価値があります。
一方、「投資対象の分散」についてはどうでしょうか。
新NISA関連でよく話題になる投資対象が、「全世界型株式投資信託」です。「全世界型株式投資信託」とは、世界全体の株式市場の値動きを示す指数に連動するタイプの投資信託です。世界中の株式に分散投資したのと同じ効果が得られることや、投資初心者や投資対象の選定に手間をかけたくない人に最適な投資対象だ、などと説明されることが多いです。
ただし、各投資信託の中身によっては、特定の地域や特定の業種に偏った構成になっている場合もあり、必ずしも分散効果が十分ではないケースもあります。
さらに、全世界が対象だといっても、対象が株式だけに限定されているのでは分散効果は十分とは言えません。世界同時株安など、市場はこれまで何度も苦い経験をしています。その頻度も「滅多に起きない」などと言えるレベルではありません。
本来、分散効果を意識するなら、債券や不動産、コモディティなどまで含めて、資産のバランスを考える必要があります。
個人個人の資産規模にもよりますので、「教科書的な投資対象の分散」が必ずしも必須とまでは言えない場合もありますが、少なくとも「株式だけの資産構成」では、それが全世界型だったとしても相当リスキーだということは確かです。
もし、「全世界型株式投資信託」を意識的に重点的投資対象として選定しているのでしたら、それは投資家の戦略の一つですので、リスクを承知で狙うのなら、それはそれで宜しいでしょう。一方、安全性を求めて「リスク分散」を意図したつもりで「全世界型株式投資信託」を購入している場合は、今一度、ポートフォリオの見直しが必要かと思われます。
例えば、NISAの中だけは特定の投資信託を保有したとしても、その他の口座などでは別の投資対象を保有することでバランスを図るなど、NISA以外の口座も含めたご自身の全資産を俯瞰したうえで資産構成を組み立てるような、そういった工夫があるといいと思います。
「みんなが買っている」とか「誰かが推奨していた」といった話題の投資信託や人気の投資対象であっても、自身の投資スタイルや目的に合致していなければ、将来、思ったような結果が得られていないかもしれません。投資は自己責任の世界ですから、慎重に見定めて欲しいと思います。
まとめ
「長期分散積み立て投資」なら投資初心者でも始めやすいのは確かでしょう。リスクもかなり限定的です。
それでも投資ですから、注意するべきポイントも多くあり、やるからには計画性をもって、出口戦略等も含めてよく考えて実行すべきです。
「何となく流行っているから」、「みんながやっているから」、「話題になっているから」では、後々泣きを見る羽目になります。
投資に回す資金=余裕資金の仕分けから始まり、口座選択、投資対象の選定、長期の時間軸での投資計画、メイン・シナリオだけでなくネガティブ・ケースも含めたいくつかのサブ・シナリオの想定、出口戦略に至るまで、新NISAでは入念な計画性が求められます。
新NISAには損失への「救済」がありません。
「救済」のある課税口座でしたら、仮に「何となく」投資してそれが少しくらい失敗したとしても「救済」があるので、損失を補うことは可能です。
でも、NISAにはそれがない、「負けたらそれでお終い」これがNISAの現実です。
NISAという口座は、ある意味「ハイリスク・ハイリターン」な口座といえます。
「長期分散なら安全」という話もケース・バイ・ケースだったりで「絶対的な安全」を保証するものではありません。
家計や資産の状況は、人それぞれです。新NISAが向いている人もいれば、向いていない人もいます。
向いていないと思われる人の中でも、投資対象や口座の選択にひと工夫を加えることで理想的なマネープランになる場合もあります。
投資の世界は自己責任です。
自分のマネープランにとって何が最適なのか、様々な宣伝文句などに踊らされることなく冷静に見極め、実りのある資産形成を実現していただきたいと思います。
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