中小企業支援
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2021/03/03

企業の将来ビジョンを考えるツール 経営デザインシートの活用

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経営デザインシートとその活用
経営デザインシート、ご存じでしょうか? 内閣府が2018年にリリースしたもので、企業が将来を構想するための思考補助ツールです。 1枚で現在と将来について、全体像を把握することができるで、利用が広がりつつあります。 ネットで「経営デザインシート」、「内閣府」で検索すると、すぐに見つけることができます。 このサイトから、フォーマットや活用事例などをダウンロードできます。 企業が生き残り、成長・発展していくためには、継続的に顧客に選ばれることが必要です。 選ばれるということは、企業が商品やサービスを通じて提供した価値に顧客が満足し、ファンになるということです。 それをフォーマットの左側に、どんな価値を提供しているのか、それを提供する仕組みはどのようなものか、その仕組みを作るための社内外のリソースを記載していきます。 そしてこれからどうなりたいかをフォーマットの右側に同様に記載します。 そして、右と左を見比べて、何が必要かを考えていきます。 これからどうなりたいかを考えることがポイントですね。 それを考えるためのフォーマットが用意されています。 いつまでに、どうなりたいか そのなりたい姿を、一言で表すキャッチフレーズを考えていきましょう。 企業が生き残り、成長・発展していくためには、継続的に顧客に選ばれることが必要です。 いわば、ファンを作っていくわけです。ファンづくりには、自社の「こだわり」に対する共感を得る必要があります。 そのこだわりはなにか、どうやって伝えるかを明確にしていくわけです。 ここでいう、こだわりとは、製品やサービスそのものかもしれませんし、そこに至る技術やノウハウ、歩いて提供方法など他社とは違う顧客に選ばれる理由です。 また、顧客のニーズや志向は変化します。 その変化にどのように対応していくのか、どのような方向で対応していくのか、それがどのような姿になるのかを考えてみましょう。 有名な話ですが、体重計のタニタという会社は、自社のコンセプトを「はかる」として、体重計などの商品を提供してきましたが、 現在では、「健康をはかる」として、肥満の予防・改善のNo.1 トータルサポート企業を目指すとして、そのための製品やサービスを提供しています。 自社の提供しているものや自社の強みを一度、再定義することで、新しい方向性やビジョンが見えてくることがあります。 M&Aの買い手、売り手の観点でどのように活用できるでしょうか。 買い手の立場で考えてみます。 買う側は売る側以上に戦略が必要です。それは、買収した企業の将来を維持・発展させていく役割を負うからです。 買収先を選ぶにあたり、単に業績がよさそうな企業ならどこでもいい、では将来の成功はおぼつきません。 どんな企業を、どのような理由で選定し、将来どのようにしていくのか、自社のグループでどのような位置づけで考えるのかを考えておく必要があります。 その将来に向けての構想をこのシートを材料に考えてみてはいかがでしょうか。 売り手の立場ではどうでしょうか。 売り手においても、従業員や顧客の将来を買い手に託すわけですから、買ってくれればどこでもいいというわけにはいかないでしょう。 どんな企業に買ってもらうか、どんな企業に買ってもらえば、自社を発展させてくれそうか、 売り手を選ぶ際の基準を想定する際に、このシートで考えておくという活用方法もあると思います。 もちろん、M&Aではなく、親族内や従業員承継においても後継者を中心に将来ビジョンと戦略づくりに活用できます。 経営者の皆様は、当然のように普段から将来ビジョンについて考えているかと思います。しかし、それを言語化して整理することまではしていないのではないでしょうか。 一度、時間を作って将来ビジョンについて、整理してみてはいかがでしょうか。 この内容は、YouTubeでも情報提供しています。ぜひご覧ください。 https://youtu.be/aDFhiMPrBDQ
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