M&A
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2021/02/08

【M&Aを考えたら】自社の魅力の見つけ方(営業力編)

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企業力≧営業力
M&Aを考えたら、自社の魅力の見つけ方 営業力編です。 特に営業組織を持つ、人的な営業について考えてみたいと思います。 企業の様々な機能、能力のうち、なぜ営業力なのか、 さらに最近は、ネット販売、ネットを使った集客が拡大して人的な営業の比重が低下している企業も多いかと思います。 しかし、一方で営業担当がいながら、十分に機能していない、あるいはもう少し工夫すれば成果が上がるはずなのにと思われる中小企業は数多く存在すると思います。 そんな中で、しっかりした営業組織がある企業は強いです。 M&Aで企業を買いたいという企業からも魅力的に見えると思います。 しかし、何をもって営業力か、これは結構難しい話です。 そもそも商品やサービスに魅力があるのか、強力な商品があれば営業は楽です。 技術力や生産能力が営業の足を引っ張ることもあります。 主要な取引先の下請け構造に組み込まれて営業らしい営業をしなくても受注できる環境にある場合もあるでしょう。 私は、営業力というものを単体で考えても意味はなく、企業全体の総合力があって、そのうえで営業の力が効いてくるものだと考えています。 そのため営業の力を引き上げることも重要なのですが、企業の総合力をあげることも併せて重要です。 今回は、そのあたりを重々承知したうえで、人的な営業の力を考えていきます。 そして自社の魅力を見つけるきっかけにしていただければ幸いです。
営業力は組織力
人的な営業というと、どうしても特定の優秀な営業にフォーカスが当たってしまいます。 もしかするとその特定の優秀な営業パーソンは社長自身である、ということもよくある話です。 しかし、それは企業の総合力か、継続的に持続可能な力かというと、M&Aを考えた場合、どうでしょうか。 社長がいなくなったら、特定の優秀な営業パーソンが退職してしまったら、一気に営業が機能しなくなることが想定されます。 組織としての営業力、一人一人の力は突出していなくても、会社としてのやり方が一定していて全体として成果を上げる仕組みになっている、このような会社の方がM&Aの買い手から魅力的と見えることでしょう。 営業に限らず、成果を上げている企業の多くは、その会社としての仕組みを作っています。社長がすべてを行わなくても、特定の優秀な人材に頼らなくても回る仕組みを作っているものです。
営業力としての情報収集力
営業をどのように仕組化しているか、それは、その会社が営業をどのように位置づけているかとも言えます。つまり営業の役割、機能はなにか。 お客様との折衝窓口、関係を作って、売上予算を達成するため、商品を売り込む・・・・などなど。 その中でも私が重要と考えていることが、お客様の情報をどれだけ的確に収集しているか、それを仕組化しているかだと考えています。 特に、BtoBの場合、顧客情報、例えば、顧客の組織や人の情報、顧客の意思決定プロセス、顧客の経営方針や戦略など、これらの情報がこの顧客を開拓し、関係を強化し、自社の製品を売り込んでいく、まさに営業戦略を考えるうえでの基礎データになります。 これらの顧客情報がなければ、行き当たりばったり、感覚だけの営業にならざるを得ません。 しかし、これらの情報をもとに営業戦略を考えて行動する、いわゆるPDCAを回すことができていれば、組織として顧客攻略にあたることができます。
情報収集を仕組化する(営業のPDCA)
例えば、私が営業力強化のご支援をする際などによく使うのが、顧客戦略シートと案件戦略シートという2つのシートです。 顧客戦略シートは、中長期でどのように顧客を開拓するか、関係を強化するか、そこからどうやって案件をだしてくるかを考えるシート、 案件戦略シートは、具体化された案件をどうやって受注につなげるかを考えるシートです。 このようなシートをもとに、定期的にミーティングをしながら、戦略の確認と問題点の対策、社内の協力体制などを議論します。 このようなシートを作ろうと思うと、顧客のことを十分に理解していないと作れません。 これを作るために、顧客の情報収集活動から始めます。そうするうちに顧客に対する様々な気づきが見つかり、攻略の糸口が見つかることが多々あります。 シートの名称や内容はともかく、なんらか顧客の情報を収集し、それをもとに考え、行動し、評価する仕組みがあるか。 もし、無いのであれば、M&Aに向けた磨き上げとして取り組んでみてはいかがでしょうか。 この内容は、YouTubeでも情報提供しています。ぜひご覧ください。 https://youtu.be/Hb2mc0JfVqc
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