公開日 | 2021/03/08 |
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記載者 | 株式会社イノベーション・... |
M&A
【個人M&A】個人のM&Aを成功させるポイントとは
バトンズ認定アドバイザー
認定バトンズDD調査人
【バトンズベストアドバイザー2020受賞】 神奈川県を中心に地域密着でM&Aおよび事業承継支援で活動。 年間80社以上の経営相談を元に事業の継続・発展をご支援。
専門分野
M&Aアドバイザー(全般相談)
企業/事業評価
企業/事業概要書作成
事業再生
サーチ(譲渡案件発掘)
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資金調達
PMI
経営支援
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個人M&Aで創業する意味
個人の方がM&Aで会社を買う。M&Aで創業を考える個人の方に向けて考えておきたいポイントをお伝えしたいと思います。
まず、なぜM&Aで創業なのか?
会社を創業して、3年後に生き残っている確率はどのくらいかご存知でしょうか。
会社の生存率データによると、
企業は設立して年数を経るにしたがって生存率は上がっていきます。
設立1年後の生存率は72.8%・・・つまり約3割の企業が1年持たない。
3年生存率で52.8%・・・つまり約半数が3年間で淘汰されてしまうと考えてよいと思います。
もちろん業種や設立のタイミングなど、状況によって違いはあると思いますが、
創業から最初の3年程度をどうやって生き残るかが重要なテーマになります。
創業してどこでつまずくか、どこが3年を超えて生き残るポイントでしょうか。
開業時に何に苦労したかのアンケート結果を見ると、
多少の差異はあっても「顧客・販路の開拓」と「資金繰り・資金調達」の2つが必ず上位トップ2の課題です。
創業してゼロからお客さんを獲得していくのは大変です。時間もかかります。
その間もコストはかかりますから、資金は必要。創業間もなければ資金的余裕もない。
お客さんを獲得するまでに時間がかかれば、資金がショートしてしまうということです。
そのように考えると、M&Aで創業しよう、個人でM&Aをして事業を始めようと考えることは、理にかなっています。
創業期の一番苦しい時期、創業後の数年を生き残った段階からスタートできるわけです。
つまり、時間やコストや手間や工夫や努力を重ねた顧客を持った状態からスタートできる。時間をかけて教育して、仕事を覚えてもらった従業員がいる状態からスタートできる。
会社が持つ、資源やノウハウなど諸々のリソースを最初から活用することができるというのは、非常に有利です。
また、小規模M&Aの環境が整ってきたという点も追い風です。
比較的小規模なM&Aの市場が確立されてきて、個人でも投資できる規模の価格帯での買収が可能になってきました。
今後はさらに、後継者不在企業やコロナで経営環境が激変してしまった企業など事業を引き継いてくれる企業や個人のニーズは高まると思います。
アドバイザーは、個人よりも法人を優先する
個人でM&Aをする場合に、資金面だけ用意できれば良いかと言いうとそうではありません。
まず、少額案件について次の点を考慮する必要があります。(業界や企業の状況によりますが)
一つは、企業規模が小さいために、今後の事業展開を考えた場合、追加投資・追加で社内のリソースを増強する必要がある可能性が高いということです。
ある意味、企業規模が小さいから、少額案件である。当たり前の理屈です。
もう一つは、財務的に傷ついている可能性が高いということです。
特にこのコロナ禍で、業績不振・売上減少、借入の増加などによって、厳しい経営環境に置かれた企業が売りに出ている可能性もあります。
規模が小さくても、業績がよい優良企業はそれなりの価格が付きます。
つまりM&Aで、ある一定のラインから事業を開始できるといってもすべてがそろっている状態とは限らないということです。
さらに、M&Aで会社を買うということは、多くの買い希望者の中から選ばれる必要があります。
M&Aは、売り希望よりも圧倒的に買い希望が多いことはご存知かと思います。
「これは」という売り案件には、買い希望が殺到します。
その中から、最終的にマッチングされ、契約できるのは、1社・一人だけです。
M&Aアドバイザーを行っていて、法人からも個人からも質問や問い合わせを受けて、対応していますが、まず法人を優先します。
それは、大きく2つの理由があります。
一つは、先ほどの、「不足するリソース」、「経営改善の必要性」について
法人の方が、法人の経営者の方が、解決策を持っている、あるいは解決できる可能性を持っているからです。
売り案件の企業で不足している部分を、買い希望の企業が持っている場合やうまく相乗効果を生み出してプラスに換える可能性が法人にはあるからです。
もう一つは、問い合わせや質問の内容によるものです。
先ほどの不足するリソースや経営改善と関連しますが、法人からの質問や問い合わせは、自社のリソース組み合わせたらどうなるかを想定して、売り案件の状況について質問してきます。将来の経営をどうするかの視点です。
一方、個人の方の質問は、すべてではありませんが、買収価格の多寡やM&Aの手続きに関するもの、現状の経営状況のマイナス面についての質問が多いものです。
どちらを優先して話を進めるかは言うまでもありませんね。
買い希望の中で個人が勝ち抜き、選ばれるためには
個人のM&Aは、買い希望の中から勝ち抜いて選ばれる必要があるということを前提に考える必要があります。
そのためには、売主やアドバイザーに、「この人なら、譲渡企業を維持・発展させてくれそうだ」と思ってもらわなければなりません。
そのための戦略をそれぞれ考えなければならないということです。
まずは、案件を選ぶにあたり、ご自身の知見のある業種・業界を選ぶということです。
その業界に熟知し、この業界ならどうすれば利益が出るか、経営のポイントはどこかをある程度知っていること。
さらに、業界内で顧客を紹介できたいり、自身で顧客リストなどを持っているなど業界内にネットワークをもっていると強い。
もう一つは、経営改善の視点を持つ、そのノウハウを習得しておくことです。
たとえ、サラリーマンでも、ご自身のお仕事を通じて勉強することはできます。社外に目を向ければ学ぶ場所はいくらでもあります。
個人でM&Aするということは、これから社長になって企業経営することですから、自分の視点ではなく、会社の視点で考えられるかがポイントと言えます。
個人でM&Aは、多くの買い希望の中から厳しい競争を勝ち抜く必要があります。
売主の多くは、個人だからダメとは、あまり言いません。(ケースバイケースですが)
将来的にM&Aで創業したいとお考えの方は、日ごろから意識をもって活動して、ぜひ夢を実現させていただきたいと思います。
この内容は、YouTubeでも情報提供しています。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/8VcxrGd-OBg