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着物の販売・レンタル事業のM&A!経営コンサルのノウハウを活かし、異業種の事業拡大に挑む

2024年02月21日

東京・六本木に本社を置くバーチャルオフィス事業、プライベートレンタルオフィス事業を営む「株式会社NEW HORIZON」はこの度、東京都で和装レンタル、振袖・一般呉服・紋付袴等のレンタル販売事業を行う「有限会社ベベノジマ」をバトンズを通じて譲り受けされました。
自社のマーケティングを活かした経営戦略として、異業種のM&Aに踏み切ったNEWHORIZONは、どのような事業ビジョンを描き、着物の販売・レンタル事業を引き継がれたのか。代表取締役の牧田友里様にお話を伺いました。


 

譲渡企業
社名 有限会社ベベノジマ
業種 アパレル・ファッション(振袖・呉服 販売、レンタル)
拠点 東京都
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 株式会社NEW HORIZON
業種 法人向けサービス業(バーチャルオフィス事業 など
拠点 東京都
譲受理由 新規事業への参入

 


経営コンサルのノウハウを活かし、M&Aによる事業拡大を目指す

牧田様が代表取締役を務めるNEW HORIZONは、バーチャルオフィス機能を備えたレンタルスペース事業を展開する会社として、2019年に設立されました。

現在は、マーケティングを活用して経営戦略をサポートするコンサルティング事業も手掛けており、2つの事業を掛け合わせて事業を成長させています。

母体となるレンタルスペース事業は、フランチャイズ化をすることで事業拡大を図る経営計画であったNEW HORIZON。二店舗目をFC店として展開し、事業拡大の仕組みが整ってきたことから、次のステップとして経営計画に組み込んでいたM&A戦略へと本格的に乗り出します。

「新しく0から事業を作るとなると、ノウハウ蓄積や業界との関係構築などから地道に始めないといけません。資金も時間もかかりますし、リスクも高くなります。また、私たちはマーケティングと経営戦略によっていくつかの事業を成長させた実績があるので、それらのノウハウを活かすという上でも、M&Aは最適だと思い、経営戦略に組み込みました。」

これまで、経営コンサル事業として多ジャンルで他社の事業成長に貢献してきたNEW HORIZONは、それらのノウハウと経験を活かし、M&Aを活用した自社事業の拡大を図ります。

 

複数の検討基準を設け、経営戦略を活かせる譲渡案件を探索

マーケティングと経営戦略を活かした事業成長を図るにあたり、業種は拘らずに幅広く譲渡案件を見ていたという牧田様。事業再生の戦略が描ける事業を引き継ぐべく、予算内の案件を複数同時並行で検討していました。一方で、具体的な交渉へと進むには8つの基準を設けていたと話します。

「既存事業の拡大には投資金が必要なので、まずはそれに影響を与えない予算で探していました。加えて、自社から1時間半以内で移動できるエリアであることも基準の一つでした。やはり、コスト面やマネジメント面などを考えてもあまり遠くないエリアが良いという思いからです。

ビジネス面で重視していたことは、BtoCの事業が展開できるかどうかです。当社のマーケティング戦略が活かせるのはBtoCの領域なので、BtoCの事業展開が見込めないものは選択肢から外していました。」

譲渡目的では、後継者不在でM&Aを検討している企業を中心に検討していたと話す牧田様。異業種への参入となる場合、業界特有のスキルやノウハウがないため、現経営者や従業員からM&A実施後も協力が得られることが重要だったからだと話します。

「当社はコンサル事業の強みを活かしたM&Aを検討しているので、その業界を詳しく知っているわけではなく、買収検討を始めてから詳しく調べていくので、引継ぎ後も前代表や従業員の協力が得られることが重要となります。そのため、ビジネス側面が強くM&A実施後はすぐに手離れさせたいような事業者ではなく、事業に思い入れがあり、承継後の事業成長に協力的な方から会社を譲り受けたいと思っていました。」

企業の特徴については、一過性のブームに乗ったようなビジネスは避け、経営年数が長い歴史ある事業を中心に見ていたとのこと。年数が長いほど、過去の情報を遡って分析できるため経営改善が見込めたり、取引先含め長年のコネクションが築けている可能性が高いなど、プラスの要素に働くことが見込めるからだといいます。また、立ち上げ後すぐに譲渡を考えられたということは、経営に何かしら問題がある場合や、事業自体が成長しないと判断した場合が多いのではないかとも話します。

「財務面でいうと、売上と営業利益との差も見ていました。たとえば、1000万円の売上があって赤字額が100万円であれば早期に改善が計れますが、1000万円の売上で赤字額が600万円だと、回復まで時間がかかります。人材面やビジネスモデル、予算やエリア、財務面や引継ぎ後の経営構想など、多角的に見て次のステップに進むか否かを検討をしていました。」

 

相手の要望を丁寧に汲み取り、引継ぎの安心材料を揃えて成約に至る

最初の検討段階で裾野を広げ、複数の判断基準から案件を精査していったNEW HORIZON。バトンズで60社ほど目星をつけ、最終的に本格検討したのは3社。そのうちの一つが、着物のレンタル・販売事業を行うベベノジマでした。

「M&Aに向けて本格的に動き始めてからは、約1ヶ月間毎日バトンズの画面を開いてましたね。新しい譲渡案件が出てないか逐一チェックし、見落としている案件がないか再確認し、案件をリストアップする。一つ一つ見定めていく作業は、まるで宝探しをしているような感覚でした。

さまざまな譲渡案件を見ている中で、ベベノジマ様はまさに希望に合った企業でしたが、代表の野島様はもともと同業かシナジーが見込める美容院などの事業者を譲渡先として考えられていたので、その交渉はしっかりと行う必要がありました。

また、こちらとしては早く交渉を進めたい気持ちだったのですが、先方は長期で検討をしており、何年かかってもいいから良い譲渡先をじっくり見つけていきたいという心持ちだったというのもあり、私たちに決めてもらうために試行錯誤しましたね。」

業界を絞らず引継ぎ先を検討していたNEW HORIZONは、買収に向けた交渉を進めると同時に、引継ぎ後の経営戦略を策定する作業を行っていました。周辺エリアや市場・競合の分析、店舗のWEBページ分析を行いながら、面談でヒアリングした内容を元にまた戦略を練り直していく。必要な情報を集めながら引継ぎ後の戦略策定を行う作業と、売り手様の性格や心理を考慮しながら「どうすれば自社を選んでもらえるか」を考えて交渉を進めていく期間は、非常に大変だったと話します。

「交渉に時間がかかるほど、我々が進めていきたい戦略があるのにどんどん損失が生まれてしまう。しかし、焦って進めてしまうと交渉がうまくいかなくなったり、戦略立てが甘くなってしまう。場合によっては『M&Aをしなければよかった』ということも起こり得ます。全てが重要なことなので、それらを同時並行で進めるのは大変でした。」

NEW HORIZONの他にも、同業者含めさまざまな企業から引き合いがあったベベノシマ。最終的に、異業種でありながら売り手様の信頼を勝ち取り、M&A成約に至ったNEW HORIZONは、交渉時どのような拘りや注意をしていたのでしょうか。

相手の求めることをきちんとヒアリングした上で、引継ぎ後の詳細な経営戦略をご提案ができたことが決め手になったと思っています。あとは、しっかり熱意を伝えられたことでしょうか。実際にお店に通ってサービスを使ったり、野島様はオンラインが苦手だったので、直接お店まで足を運んでお話に伺ったりもしました。

また、野島様は、当初は同業やシナジーがある会社じゃないと駄目だと思われていたので、その点もカバーできることをアピールするために、着物の知識を一から勉強し、交渉や会話の中でも専門用語を交えてお話できるようにしました。野島様に安心してもらえるように努めたという面でも、任せても大丈夫だと思っていただけたのかなと思います。」

 

変化に寛容な前代表者と共に、事業のV字回復を狙う

約4ヶ月間かけて交渉や準備を進めていった牧田様にとって、ベベノシマの魅力はどこにあったのでしょうか。今後の事業構想と併せて、ベベノジマに感じていたポテンシャルを伺いました。

「大きなポイントのひとつは、代表の野島様が変化に対して寛容的だったことです。事業を成長させるためには、これまでのやり方を変えていくことが必要です。後継者不足によるM&Aは、これまでの事業の形を存続させてほしいという方が多い中で、野島様は『会社がよくなるのであればどんどん変えてほしい』という姿勢でした。

決算書もしっかり作られていましたし、削減できる項目が多かったので、変化を受け入れていただけたら経営を回復できるという確信がありました。

今回、和装のレンタル業を営むベベノジマの事業を引き継いだので、今後もM&Aを駆使して多店舗展開を進めていきたいです。和服が着られる場面は夏のイベントがほとんどだと思いますが、東京都だけでも年間300回ほどのお花見や花火、お祭りをはじめとしたその地域特有の伝統的なイベントがあります。

『和装をしたいけどどこに頼めばいいかわからない』という声も市場調査では出ているので、和装ニーズがあるイベントと絡めたポータルサイトを立ち上げて、レンタル事業を拡大していく計画です。

浴衣や着物などの和装業界は経営者の高齢化が進んでおり、またITやマーケティングの分野では他のどの業界よりも遅れをとっています。そのため、当社が軸となりこの業界のIT・マーケティング分野を発展させていきたいと考えています。若年層の市場拡大、和装業界の発展を目指し、更なる事業展開を狙っていきたいです。」

株式会社NEW HORIZONと有限会社ベベノジマの今後の発展を、バトンズ一同、心から応援しています!

 

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