M&A
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2024/09/11

売主様による自社事業のアピール方法について

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自社事業のアピール方法の王道とは?
上場企業の経営企画(M&A担当者)として、無数の企業概要書を拝見して参りました。 財務的魅力はPLやBSの「数字」を見れば、ある程度の想像は付きますが、事業の魅力という「非財務」の魅力をアピールすること工夫が必要であると思います。 本コラムでは、売主様が良いM&Aプロセスのスタートを切るために必要となる「魅力的な」企業概要説明書の作成方法のコツを共有できればと思います。
王道パターンは「業界の魅力」→「特定セグメントの魅力」→「貴社の強み」という順序による説明
結論は上記の通りです。具体的な内容は以下の通りです。 ①:貴社の「事業」が属する業界について、市場規模は拡大基調なのか否かについて論じます。 ②:業界だと粒度が粗いため、売主様の事業経験に基づいて、所蔵する業界を数パターンに分類することを推奨します。そのセグメントは拡大基調なのか否かについて論じます。 ③:最後に、貴社の強みを論じます。理想的な内容は、①と②の「商機」を捉えられる事業内容や仕組みを備えている旨を、貴社の強みとして表現することにあります。 では、具体的に①と②について、どのように効率的に調べれば良いのでしょうか? 今話題のChatGPT(特に、GPT 4-o、無料利用可能)が絶大な威力を発揮します。
①の調査を目的としたChatGPTの利活用方法について
無料アカウントでChatGPTをご用意ください。 その後、以下の様な文言でChatGPTに質問文を送信してみて下さい。 「XXX事業は、日本ではどのような業界に分類されるのでしょうか?」 →「AAA業界の過去5年の市場規模の推移について教えてください。」 →「AAA業界の市場規模の縮小について想定される原因について教えてください」 →「上記の回答に関連して、AAA産業に属する事業について、直近で市場成長が期待されている分野について教えてください。」 ここまでで、恐らく、10分程度で調査方法の「当たり」が付けられると思います。 貴社の事業が属する業界の成長性が確認できたあと、「その想定される原因は何でしょうか?」と原因に関する質問を重ねることで、業界の魅力を記述する「ネタ」が得られると思います。
②の調査を目的としたChatGPTの利活用方法について
①と同様に、「市場規模の推移」や「その変化の原因」について質問を重ねると、貴社事業が属するセグメントの魅力を記述する「ネタ」が得られると思います。
①と②を踏まえた貴社の魅力を記述する
事業の魅力を記述する観点は、(簡易的ですが)主に以下の項目が挙げられます。 ・貴社事業の販売先 ・貴社事業のサービス/製品 ・貴社の営業チーム(人的組織の魅力・営業方法の仕組みの魅力) ・貴社の製造チーム(人的組織の魅力・製造方法の仕組みの魅力) ・貴社の調達チーム(人的組織の魅力・調達方法の仕組みの魅力) ・貴社の無形資産(ブランド・認知度) ①と②を踏まえると、以下の様な記述になります。 「弊社はAAA事業を展開しております。AAA事業が属するXXX業界は直近でaaa億円の市場規模が存在し、市場全体の成長率は鈍化しているものの、日本国内では、総じて魅力的なマーケットである認識です。XXX業界の中でも、近年、bbbというセグメントは相対的に市場が成長しており、この背景には、cccやdddがあると言われており、今後も成長が持続することが期待されている認識です。このような事業環境下で、弊社のAAA事業は、顧客基盤としてbbbに関連するお客様より長年ご愛顧頂いております。また、当該顧客ニーズにお応えするために品質の高い製品を製造することに注力して参りましたが、弊社製造チームにノウハウがございます。現状は、積極的に事業投資や展開が出来ていないものの、弊社の強みを活用しbbbセグメントに注力するような事業展開が実現されれば、弊社の更なる成長が実現できるものと目されます」
終わりに
少々形式的な説明になってしまいましたが、経営企画担当者が、対象会社様の投資を進行するに当たり、会議体(経営会議や取締役会)にて、「非財務」である事業の魅力を合理的に調査し、表現しなければなりません。 時間的な制約もあり、全ての案件を担当者が確実に検討できていない可能性もあります。 しかしながら、上記の様な「体系的に記述された貴社の魅力」が企業概要書に記載されていると、経営企画担当者として「より深く業界や事業について調査してみたい」という興味関心を喚起する契機になると思います。
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