財務・税務
69
2024/10/07

石破新総理で税制はどう変わる?

記載者情報
石破新総理誕生!
自民党総裁選で石破氏が勝利し、10月1日に石破内閣が発足しました。 色々と税制にも影響が出てくるかもしれません。 そこで、あくまでマスコミの情報が中心となりますが、現時点で予想される 今後の税制の方向性について、まとめてみたいと思います(執筆時点10/2)。 総裁選の決選投票で敗れた高市氏は、安倍路線を継承する意向でしたので、 アベノミクスに象徴される積極財政派とされていました。 他方、石破首相は、財政再建や金融引き締めを重視し、財政健全派とされて います。 アベノミクスで行われてきたような、大幅なバラマキはあまり行われないの かもしれません。 ※10/1の記者会見では、消費を後押しするため食料品やエネルギー価格の上 昇に対応する経済対策を打つ、物価高の影響を受けやすい低所得者に給付金 を支給すると表明されました。
法人税は増税路線か?
石破首相は、総裁選前の討論会で「法人税は引き上げる余地がある」「税負 担する能力がある法人はまだある。もう少し負担をお願いしたい」などと発 言されています。 また、法人税増税については、既に令和6年度税制改正大綱の中で、「今後、 法人税率の引上げも視野に入れた検討が必要である」との方針が示されてい ます。 石破首相は、経済政策においては、基本的に岸田元首相の路線を承継すると ころから始めると思われますので、法人税も増税路線で進める可能性が高そ うです。
どうなる金融所得課税?
所得税についても、法人税と同様、事前の討論会では負担能力のある個人へ の所得増税に言及されていたようです。 ある程度の高額所得者に対する増税をイメージされているのかもしれません が、恐らく念頭にあったのは、金融所得課税だと思われます。 現在、株式配当や株式売却益などの金融所得に対する税金は分離課税となっ ており、給与所得や事業所得などの他の所得と合算されない上に、所得税、 住民税合わせて20%という低税率になっています。 石破首相から、この金融所得に対する課税強化の発言もあったのですが、最 近のNISAやiDeCoの人気という流れもあり、世間での反発が強く、その後は トーンダウンしています。 「新NISA、iDeCoへの課税強化は毛頭考えていない」という発言も後日されて いますが、市場は警戒し、9/30の株式市場では日経平均が約1,900円の大幅安 となっています。
消費税その他
消費税の引上げについては、現時点では考えていない、としています。 ただ、教育無償化の拡大を目指されているようですので、その財源との関係 では、消費税増税が連想されるところではあります。 増税については、防衛増税という論点もあります。 2022年、政府は防衛力の抜本的な強化に必要な財源として、法人税、所得税、 たばこ税の3つの税目で増税などの措置を複数年かけて実施する方針を決めま した。 ただ、増税の時期については「2024年以降の適切な時期」ということで、延 期されています。 これについては、「基本的に現行方針を維持するが、増税については不断に 検討、見直しをする」と発言されており、上記の法人税等の増税などと合わ せて、見直しなどがあるかもしれません。 いずれにしても、税制全体について、基本的には自民党の税制調査会での議 論に委ねる旨の発言をされており、これから年末にかけて行われる自民党の 税制調査会を中心とした議論を注視していくことになりそうです。
石破新総理誕生!
自民党総裁選で石破氏が勝利し、10月1日に石破内閣が発足しました。 色々と税制にも影響が出てくるかもしれません。 そこで、あくまでマスコミの情報が中心となりますが、現時点で予想される 今後の税制の方向性について、まとめてみたいと思います(執筆時点10/2)。 総裁選の決選投票で敗れた高市氏は、安倍路線を継承する意向でしたので、 アベノミクスに象徴される積極財政派とされていました。 他方、石破首相は、財政再建や金融引き締めを重視し、財政健全派とされて います。 アベノミクスで行われてきたような、大幅なバラマキはあまり行われないの かもしれません。 ※10/1の記者会見では、消費を後押しするため食料品やエネルギー価格の上 昇に対応する経済対策を打つ、物価高の影響を受けやすい低所得者に給付金 を支給すると表明されました。
法人税は増税路線か?
石破首相は、総裁選前の討論会で「法人税は引き上げる余地がある」「税負 担する能力がある法人はまだある。もう少し負担をお願いしたい」などと発 言されています。 また、法人税増税については、既に令和6年度税制改正大綱の中で、「今後、 法人税率の引上げも視野に入れた検討が必要である」との方針が示されてい ます。 石破首相は、経済政策においては、基本的に岸田元首相の路線を承継すると ころから始めると思われますので、法人税も増税路線で進める可能性が高そ うです。
どうなる金融所得課税?
所得税についても、法人税と同様、事前の討論会では負担能力のある個人へ の所得増税に言及されていたようです。 ある程度の高額所得者に対する増税をイメージされているのかもしれません が、恐らく念頭にあったのは、金融所得課税だと思われます。 現在、株式配当や株式売却益などの金融所得に対する税金は分離課税となっ ており、給与所得や事業所得などの他の所得と合算されない上に、所得税、 住民税合わせて20%という低税率になっています。 石破首相から、この金融所得に対する課税強化の発言もあったのですが、最 近のNISAやiDeCoの人気という流れもあり、世間での反発が強く、その後は トーンダウンしています。 「新NISA、iDeCoへの課税強化は毛頭考えていない」という発言も後日されて いますが、市場は警戒し、9/30の株式市場では日経平均が約1,900円の大幅安 となっています。
消費税その他
消費税の引上げについては、現時点では考えていない、としています。 ただ、教育無償化の拡大を目指されているようですので、その財源との関係 では、消費税増税が連想されるところではあります。 増税については、防衛増税という論点もあります。 2022年、政府は防衛力の抜本的な強化に必要な財源として、法人税、所得税、 たばこ税の3つの税目で増税などの措置を複数年かけて実施する方針を決めま した。 ただ、増税の時期については「2024年以降の適切な時期」ということで、延 期されています。 これについては、「基本的に現行方針を維持するが、増税については不断に 検討、見直しをする」と発言されており、上記の法人税等の増税などと合わ せて、見直しなどがあるかもしれません。 いずれにしても、税制全体について、基本的には自民党の税制調査会での議 論に委ねる旨の発言をされており、これから年末にかけて行われる自民党の 税制調査会を中心とした議論を注視していくことになりそうです。
関連コラム