公開日 | 2024/03/22 |
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記載者 | 株式会社3Rマネジメント |
事業再生
【書評コラム】「「超」入門 失敗の本質」から知る、戦略策定や課題解決のポイント
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目次
1. 日本的戦略の「特徴」と「対応」
2. 日本的解決方法の特徴とは?
3. まとめ
日本的戦略の「特徴」と「対応」
1980年代、日本は「JAPAN AS No.1」と賞賛され、特に製造業を中心にして世界市場を席巻していました。自動車、半導体、電化製品などがその代表格でした。同時に、金融や商社など、これらの業界を支える分野も大きく発展していました。しかし、次なる展望が見えないとの懸念も広がりました。
この時期を「マラソン」に例え、日本の経済が前を走るランナーを失ったとし、「これからどのような戦略をとり、どこに進むべきか」が重要な課題として取り上げられました。しかし、その後、日本経済は「失われた何十年」と呼ばれ、以前の輝きを取り戻せない状況に陥りました。その一因として「日本的戦略」が指摘されることがあります。
著者は、「日本的戦略」の問題点の一つとして、立案プロセスを挙げています。このプロセスは、体験的な学習の中で偶然に発見されることが多く、それが成功に結びつくことがあると述べています。著者は、ホンダが米国でスーパーカブを成功させた事例を取り上げ、このような経験的な学習が戦略の本質を理解せず、戦略化できない問題を指摘しています。
本書は、このような組織学習の課題が、組織内で本質的でない「型」や「主義」として伝承され、戦略の再現性を損なうだけでなく、変化への対応を難しくしていると指摘しています。そして、これが「JAPAN AS No.1」時代の成功体験を追体験するだけでなく、未来においても成功に繋がりにくくなる原因であると論じています。
一方で、欧米は競合が成功している理由や本質を曖昧にせず、学術的なテーマとして扱い、それを敷衍化して戦略化することが多いと著者は指摘します。例えば、「マーケットシェア追及」や「かんばん方式」などがその代表例であり、これらは欧米でビジネス戦略として広く受け入れられています。この差異が、なぜ日本企業が失速する要因となったのかを本書は考察しています。
また、近年注目されている「デザイン思考」も、トヨタやソニーが過去にどのように素早くニーズに合った製品を開発できたかを学び、その結果として生まれたものであるとされています。
日本的解決方法とは?
失われた10年が経過すると同時に、「現場力」や「匠」といった言葉が頻繁に耳にされるようになりました。これはまさに、日本の製造業などでの組織の力強さや、そこで働く人々の卓越な技術が大きな差別化の源として認識され、これを更に発展・磨き上げ、伝承していくことを重視する動きであったと考えられます。
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