M&A
43
2023/07/10

失敗しない事業承継・M&Aの労務リスク対策

記載者情報
ーーはじめに
事業承継・M&Aで承継するものは「資産」「知的財産」「人」です。 その中でも「人の承継」は安易にはいきません。 そして、人口減少傾向にある日本においては、「人の承継」は今後ますます注目され、最も重要視されると予想されます。 M&Aにおいては、買収後のトラブルの内容のうち85%は人事・労務問題と言われています。 では、買い手企業がM&Aの際、人事・労務問題のトラブルを回避するために、何をすれば良いのでしょう。 株式会社あしたのチーム様✖️社会保険労務士法人 アウルス様が開催された勉強会にオンラインで参加させて頂きました。 「失敗しない事業承継2つの視点」という表題で、労務リスク対策と権限委譲のノウハウを学ばせてもらいましたので、皆様にもシェアしたいと思います。 全文はこちらから https://jigyou-syoukei.com/2022/09/11/3104/
ーー人事・労務DDとは
人事・労務DDとは、人事労務分野において、法令違反がないか調査し、チェックすることです。 法令遵守状況を報告するとともに、簿外債務がどれくらいあるのか具体的な数字をだします。 DDについて詳しくはこちらの記事へ https://jigyou-syoukei.com/2021/05/18/2514/
ーーM&A 買収後の労務トラブルの一例【簿外債務の一例】
人事・労務DDを行なわず、大きな簿外債務を見抜けなかった場合、買収後、経営が行き詰まる恐れもあります。 一例: ①未払い残業代発覚 未払い残業代があることに気づかず、譲渡後に労働基準監督署の臨検を受けた。 ②労働争議・労働組合とのトラブル発生 一見問題が無いように見えたが、労働争議・労働組合とのトラブルがあり、買収後に顕在化した。 ③うつ病や過労自殺、セクハラ、パワハラの問題発生 各問題で損害賠償請求される。
ーー人事・労務DDの重要性
①企業価値の向上(離職や労働条件等の改善) 経営陣が変わったM&Aの期に従業員の意識が変化し、勤労意欲の低下等が起きやすくなります。 退職者が続出したり、未払い賃金や残業手当の請求が急増したりする可能性もあります。 このような潜在リスクを人事・労務DDにより、把握しておく必要性があり、簿外債務も見極めなければなりません。 積極的に、法令遵守、適法な経営がなされれば、働く人々の労働条件の改善につながり、企業価値も向上すると思われます。 ②M&A成立後のPMI 人事・労務DDで発覚した就業規則、賃金制度等の問題点を整理し、改善することで、前向きなマインドを持ち、離職を防ぎ、買い手企業と手を取り、統合プロセスを歩んでいけると思います。
関連コラム