公開日 | 2021/09/13 |
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記載者 | 株式会社レヴィング・パー... |
M&A
個人M&A失敗の要因④/ビジョンが不明確
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個人M&A失敗の要因④/ビジョンが不明確
M&Aでは、小規模なものから大規模なものまで、実は多くの買収企業の社長が「M&Aは失敗した」と感じているのが現状です。
失敗の原因は様々ですが、本章では特に、個人M&Aでの中小企業の買収で失敗する要因と思われる内容について、7回に分けてご紹介します。
個人M&A失敗要因の4つめは、ビジョンが不明確であることです。
経営の基本概念には、ビジョンの他に、経営理念やミッションがよく活用されます。
「経営理念」とは、経営者が考える会社の存在意義や価値観のことです。
経営理念は長年引き継がれたものが多く、浸透すれば団結力は強固になります。
また、様々な書籍で「経営を行うには、まず経営理念を明確にすることが重要である」といった類のことがよく書かれています。
そして経営理念の浸透した会社には、良い人材が集まりやすいといえ、カリスマ経営者や超優良企業では、従業員に浸透しているケースが多いといえます。
一方で課題としては、従業員への浸透が難しいことが挙げられます。
経営理念は重要であることは否定しませんが、実際にはほとんどの従業員は、自社の経営理念を知りません。
そのため、経営理念は重要であると言われている一方で、機能していない企業が圧倒的に多いのが現状なのです。
この理由は、経営理念は「経営者が考えるもの」であって、一般社員はあまり関心がないものだからといえます。
また、どこの企業も同じようなありふれた経営理念が多いのも、従業員が関心を持てない理由の一つです。
次に「ミッション」とは、使命のことで、地域やその業界などの社会にどのように貢献するのかを示すものです。
ミッションの優位性は、企業活動の意義を認識しやすくなるため、従業員は働く意義を見出しやすく、使命感のある、士気の高い人材が集まりやすくなります。
反対に、企業自体に業界や社会を変える要素がなければ、インパクトのある、従業員に働く意義を見出させるほどのミッションを構築することは難しくなります。
また、同業種や同地域の企業とミッションが重複するケースが多くなり、オリジナリティを見出すことが難しいのも課題の一つです。
続いて「ビジョン」とは、会社の目指す将来の姿、目指すべきゴールです。
ビジョンは、短期的なゴールでも、中長期的なゴールでも、経営者や従業員一人ひとりが目指せるゴールとして明確に描けるものであれば問題ありません。
ビジョンの有効性としては、それ自体が会社全体の目指すべきゴール(目標)であるため、従業員全体のベクトルが合わせやすくなることです。
また、会社が目指すゴールであるため、柔軟な設定が可能です。
例えば、「3年後に店舗を5店舗増やす」「5年後に売上高を2割増やす」といった定量的な内容や、「ワクワク・ドキドキする新たな商品を生み出していく」という定性的なビジョンもあります。
これら経営理念・ミッション・ビジョンの中で、その企業にとって何が最も重要なのかは、各々の経営者の考えによります。
ただし、どのような企業でも有効に働くのが「ビジョン」です。
なぜなら、従業員一人ひとりの力を経営に活かすためには、従業員全体のベクトルを合わせる必要があり、そのためには共通のゴールを明確にする必要があるからです。
従業員はみな個性があり、スキルや得意分野、性格、年齢など、何もかもが異なります。
そのため、ビジョンが不明確であれば、各従業員が、自分の都合に合わせて業務を行うようになります。
そして会社の考えとは異なる方向性を向いて業務を行うことにもなりかねません。
そうなると、いくら個人が優秀であっても、会社全体ではマイナスに働いてしまうケースも出てきてしまいます。
スキルや個性がバラバラな人材が集まった組織の力を、効率よく効果的に経営に活かすためには、組織全体のベクトルを一方向に合わせ、従業員一人ひとりが、企業が示すゴールに向かって仕事を行うことです。