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2021/02/26

M&Aのニーズが高まっている理由/個人M&Aのススメ

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M&Aのニーズが高まっている理由/個人M&Aのススメ
■M&Aのニーズが高まる理由①:後継者難  近年、中小企業でもM&Aのニーズが非常に高まってきています。  その大きな理由の1つが、中小企業の後継者難です。   かつてのM&Aのイメージは「敵対買収」「乗っ取り」「経営不振」「マネーゲーム」「ハゲタカ」など、ネガティブな印象が多かったのですが、最近は「事業承継や経営戦略の一つの手法」というイメージが完全に定着したと言っても過言ではありません。  その大きな理由が、今の日本の中小企業の多くが「後継者不足」に悩んでいて、M&Aを検討せざるを得ない状況に陥っているためです。  そして事業継続のためには外部の人間に経営を任せるしか選択肢がない、という状況に追い込まれているためです。  中小企業の多くは社長自身が株主であり、かつ負債の連帯保証人になっています。 そして後継者は同様に株主かつ連帯保証人になることが求められます。  いくら経営幹部でも、個人で数千万円から数億円の借金を自ら背負うリスクはなかなか取れません。そのため、おのずと後継者候補は、親族か外部の人間になるのです。  帝国データバンクによると、2019年の倒産件数は8,354件です。  この中で「後継者難倒産」は460件と、過去最高を記録しています。  一方で東京商工リサーチによると、2019年に事業承継を断念して休廃業・解散を選択した企業の件数は43,348件にものぼります。  そして、休廃業企業の代表者の約4割が70代で、60代以上でみると8割(構成比83.5%)を超えています。  代表者の高齢化が休廃業・解散を加速する要因になっていることは間違いありません。  かつては、親族が承継するのは当然でした。  もし長男が継がなくても、昔は子供の数が多かったため、次男、三男が継ぐことができました。  しかし現在は、少子化でそれが難しくなっています。  しかも、高度成長期の時のように業績の良い会社は少なくなっており、コロナの影響も大きく、様々な業界全体で不況となっています。  このように、これからますます倒産の危機に陥る企業が増えると思われ、今後さらに売却を希望する企業が増えていくでしょう。 ■M&Aのニーズが高まる理由②:個人の買い手が増加  もう1つの大きな理由は、買い手として個人が増加してきていることです。  近年、生き方や嗜好が多様化しています。  今回のコロナでその流れは加速しているように思えます。  かつての企業では、サービス残業が当たり前で、パワハラなども日常的に行われていました。  しかし働き方改革で、サービス残業やパワハラが厳しく取り締まられるようになりました。  また、SNSで個人の発信力、発言権が増してきており、個人のアイデンティティを大切にする人が増えてきています。  そして、個人が自分らしく自由に生きたい、会社に縛られたくない、上司にこき使われたくない、と考えるようになったのです。  こうした背景の中で、自身で起業するのはゼロからのスタートのためハードルが高いため、事業を買い取って経営者になるという選択肢が増えているのです。  また、M&Aをネットで売買する動きも急激に増えてきており、コストも大きく下がりました。  現在では小さな会社では数百万円で購入できる場合も少なくありません。  かつてのM&Aは規模の大きい企業が中心であり、仲介料で数千万円から数億円もかかるケースがほとんどでした。  打ち合わせだけで数十万もかかる場合もありました。そのため、中小企業や小規模企業が企業を売買するのはとてもハードルが高かったのです。  しかし最近では、車などを買うように、ネットで低価格で企業を売り買いすることができるようになったのです。  このように、これからますます個人の買い手が増えると思われ、中小企業のM&Aである「スモールM&A」の市場はますます拡大していくものと思われます。
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