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ベンチャーキャピタル(VC)とファンド(投資ファンド)の違いを解説!

2022年07月08日

創業間も無いベンチャー企業にとって最大の悩みは、資金調達ではないでしょうか。ベンチャーキャピタル(VC)とファンド(投資ファンド)は、どちらもベンチャー企業にとって、資金を提供してくれる可能性がある重要な存在です。この記事では、それぞれの違いや特徴について詳しく解説します。

ベンチャーキャピタル(VC)とファンド(投資ファンド)の違いについて

ベンチャーキャピタル(VC)とは

ベンチャーキャピタルは、将来成長が見込めるベンチャー企業に投資する組織です。企業の株式に出資することによって資金を提供します。冒頭でも述べましたが、創業間もないベンチャー企業にとっては資金を受けられる可能性がある、重要な存在と言えます。

ベンチャーキャピタルのビジネスモデルは、出資先が株式公開(IPO)にこぎつけたり、M&Aを受けたりした際に、株を売却し大きな利益を上げることです。

ベンチャーキャピタルは運営母体(金融機関や事業会社)や投資家などから資金を集め、ファンドを組成します。ファンドは集まった資金をベンチャー企業などに出資します。

また、ベンチャーキャピタルは株式出資を行うだけではなく、経営助言や役員派遣をはじめとした、企業価値を高めるための活動も行います。

 

ファンド(投資ファンド)とは

ファンドとは、複数の投資家から資金を集めて企業に投資を行い、利益が出た分を投資家に分配する仕組みのことを指します。

ベンチャー企業の未公開株、上場企業の株式などに出資し、場合によっては経営のアドバイスを行い、企業価値を高めてM&Aや株式公開による利益を狙うことが多いです。

 

ベンチャーキャピタル(VC)とファンド(投資ファンド)の違いは

ベンチャーキャピタルとファンドの違いのひとつは投資先企業のステージです。

ファンドは主に成熟した企業に投資を行うのに対して 、ベンチャーキャピタルは創業間もないベンチャー企業を投資の対象とします。

ベンチャーキャピタルは投資対象を絞っているため、出資もさることながら経営支援についてもベンチャーキャピタルならではのノウハウを持っていることが多く、まさにベンチャー企業の企業価値を高めるのに適した存在といえるでしょう。

 

ベンチャーキャピタル(VC)とファンド(投資ファンド)の役割

ベンチャーキャピタルは運営母体や投資家を募り、ファンドを組成して、ベンチャー企業などへ投資を行い、投資先企業の成長により株式公開(IPO)もしくはM&Aを受け、株の売却により収益をあげると解説してきました。

では、ベンチャーキャピタルや投資ファンドがM&Aを実行する際、どのような仕組みで資金を集め、運営していくのか、実際に投資ファンドから出資を受けることも視野に入れた注意点も含め、解説していきます。

 

M&Aにおけるベンチャーキャピタル(VC)の仕組み

ベンチャーキャピタルが企業に出資をする方法は、資金源という視点からふたつに分けて考えることができます。

 

自己資金での運営

1つはベンチャーキャピタルが自身の資金を使うスキームです。借り入れや投資家からの出資ではないので、ベンチャーキャピタルが比較的自由に投資の意思決定をすることができます。

 

ファンドを組織しての運営

もう1つはファンドを組織して、投資家から資金を集めて出資を行うスキームです。投資家を募ることから出資の金額は自己資金によるスキームよりも大きくなることがあります。また、株式公開やM&Aといった投資の出口を求める度合いも強くなりがちです。

 

M&Aにおける投資ファンドの役割

投資ファンドは、どのようにM&Aに関わるのか、ファンドの種類や活用時の注意点を解説します。

M&Aにおけるファンドの種類

ファンドが投資する企業のステージは様々で、それによってファンドも数種類あります。

 

・未公開株や社債に投資を行うプライベートファンド

・比較的成熟した企業への投資を行うバイアウトファンド

・破綻した企業へ投資を行い、安値で債権や社債を買い取り企業再生により利益を狙うディストレスファンド

 

 

M&Aにおけるファンド活用時の注意点

M&Aにおいてファンドの活用は有効な選択肢の1つですが、以下の点に注意する必要があります。今回資金を提供しようとしてくれている投資ファンドは、これまで企業を成長させた実績を持っているか?という点です。

投資ファンドは、ファンドマネージャーや運営者によって専門分野が異なります。また、ベンチャーやスタートアップなどのアーリーステージの企業、大企業のような成熟した企業など、企業のステージによって得意不得意が出てきます。そのため、投資ファンドの実績を見極めることは非常に重要です。

その他にも、今回の投資ファンドは企業をうまく引継げるノウハウや考え方を有しているか、投資ファンドが事業を引き継ぐ場合、適切な後継者や事業のノウハウを有しているかも確認しておきたいポイントです。

このような点については、起業家だけで適切な判断を下すのが難しいケースが多く、M&A仲介会社やアドバイザリーに頼ることも検討してみましょう。

 

投資ファンドに買われた企業のその後

投資ファンドによるM&Aは、企業にどのような影響をもたらすのでしょうか。

買収した投資ファンドに実績があれば、企業の信用力の向上につながります。また、資金の出資を受けることにより財務基盤の改善につながるでしょう。同じ業種の経営に知見があれば、経営ノウハウの提供や人材の派遣を受けることができます。

ファンドが不動産や設備を持っていれば、割安な値段もしくは無料で使用できることもあるでしょう。人材や取引先の紹介など、投資ファンドの有形無形の持っているリソースやネットワークの恩恵が見込めるでしょう。

 

一方で、デメリットも発生する可能性があります。

買収された企業の拠点を統廃合しながら、人員の再配置などのリストラが行われることもあります。また、ファンド傘下の企業との合併を行う場合は、本社部門などと重複する組織はリストラの可能性もあるでしょう。

そして、ファンドや合併先企業との社内カルチャーが大きく異なる場合もあります。ベンチャー企業の経営者は、投資ファンドによるM&Aによるメリット・デメリットを考えながら、最善の判断を常にしていくことが求められます。

 

アクセラレーターとインキュベーターの違い

ベンチャーキャピタルと投資ファンドについて解説してきましたが、その他にもベンチャー企業をソフト面で支援してくれる組織もあります。創成期の企業は資金以外にも人材や設備などのリソースが不足しています。これらを補ってサポートしてくれるのがアクセラレーターとインキュベーターです。

アクセラレーターとは?

アクセラレートとは「加速させる」という意味です。文字通りスタートアップ企業の事業を加速させるよう、経営ノウハウの伝授や少額の出資、設備や不動産施設の貸し出し、他の事業者とのパートナーマッチングなどを提供しています。

国内でアクセラレーターは「アクセラレータープログラム」と呼ばれる期間を定めたプログラムを用いて、経営アドバイスやサポートを行います。また、大企業が将来のイノベーションや新規事業のきっかけとするため、アクセラレータープログラムを主催する事例もあります。対象企業はビジネスプランコンテストのような募集形式により選考されます。

大企業は自社にない研究機関や技術を持つスタートアップ企業と接点を持つことで、自社の事業との連携や相乗効果を生むことができます。一方で支援を受けるスタートアップ企業は大企業のノウハウや人材、出資などのリソース提供を受けることができ、双方にメリットがあるといえます。

近年ではAI や 5G など第4次産業革命ともいえる新技術へのシフトが進み、既存の産業が再定義されているため、このような動きが活発化しています。

 

インキュベーターとは?

インキュベーターとは「生み出す」という意味です。アクセラレーターと同様に、スタートアップ段階の企業に対して少額出資や経営ノウハウの伝授、アドバイス、不動産や設備の貸し出し、パートナー・マッチングなどのサポートを行います。

インキュベーターは各地に拠点があり、起業家に対してレンタルオフィスの提供なども行っています。このような施設には、インキュベーションマネージャーとよばれる専門家が常在していることが多く、起業家は経営サポートやコンサルティングなどを受けることができます。

アクセラレーターとインキュベーターの違い

このようにアクセラレーターとインキュベーターはスタートアップ段階の企業をサポートしてくれる存在ですが、両者には違いがあります。

1つは運営主体です。アクセラレーターの運営主体は大企業であることが多く、自社の事業に対してイノベーションや新しいビジネスモデルをもたらしてくれることを期待して支援を行っています。

一方で、インキュベーターの運営主体は地方自治体や大学などの教育機関であることが多く、地方創生や産学連携といった立場から支援を行っています。インキュベーターが支援する企業は、ベンチャー企業よりも創成期のシード(種)とよばれる起業直後や起業直前のスタートアップ企業であることも多く、まさに「企業を生み出す」ことを支援しています。

 

日本におけるベンチャーキャピタル(VC)について

日本の ベンチャーキャピタル(VC)の歴史

日本のベンチャーキャピタルの歴史は 40 年以上にも及びます。

日本初のベンチャーキャピタルは1972年に創設された「京都エンタープライズディベロップメント(KED)」です。その後、大手金融機関により、いくつかのベンチャーキャピタルが創設されました。

70年代当時設立された「日本合同ファイナンス」というベンチャーキャピタルは、現在「ジャフコ」に改名しており、現存する最古のベンチャーキャピタルです。その後、80年代にも新興企業が上場する店頭市場のスタートなどもあり、ベンチャーキャピタル設立のブームが起こりました。

90年後半から2000年代前半にかけて、起業ブームが起こり若手企業家やベンチャー企業が台頭しました。しかし、ライブドア事件やリーマンショックを経て以降は、ベンチャーキャピタルの市況は大きく冷え込みました。

しかし、2010 年以降は、日銀の金融緩和によるリスクマネーの増大や大企業によるコーポレートベンチャーキャピタルの広がりもあり、足元では着実に広がりを見せています。

 

日本における代表的なベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャーキャピタルはその運営主体により、いくつかの種類に分かれています。

政府系の有名なベンチャーキャピタルには「 INCJ」があります。INCJは旧産業革新機構から新設分割して発足したベンチャーキャピタルです。

旧産業革新機構は日本の産業振興のため、民間ではできない投資を行う官民ファンドとして活動を行っており、主な出資先に半導体メーカーの「ルネサスエレクトロニクス」や液晶メーカーの「ジャパンディスプレイ」などがあります。また、独立資本で有名なベンチャーキャピタル(VC)としては、先述した「ジャフコ」があります。

国内だけでなくグローバルにベンチャーキャピタル投資を行っており、東証1部に上場しています。直近でも、ITサービスや医療・バイオなど技術革新の進む業種へ出資しています。

日本におけるファンド(投資ファンド)について

日本のファンドの歴史

いわゆる未公開株に投資するプライベート・エクイティ・ファンドを中心に見てみると、1990年代末から投資が始まっており、2000 年中頃はリーマンショックなどもあり、投資が低迷しました。

しかし、近年では「東芝メモリ」や「日立工機」などの大型案件に「プライベート・エクイティ・ファンド」が関与を深めており、投資金額は増加しています。

日本における代表的なファンド

日本国内では、近年で資金量のもっとも大きなファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」があります。ソフトバンク・ビジョン・ファンドはソフトバンクグループが運営する投資ファンドで、世界の名だたる投資家から資金を集めており、10兆円ファンドとしても有名です。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、 AI(人工知能)を使ったサービスや技術を持っている企業に投資をしています。投資のステージもスタートアップから上場株式までさまざまですが、テクノロジー業界にとって大きな存在となっています。

その他、国内で活動する大手の投資ファンドとして、米国の「ベインキャピタル」も有名です。運用資産は日本円で 10 兆円超と巨額の資産を運用しています。米国のファンドですが、日本国内の投資案件も多く、代表的なところでは「すかいらーく」や「東芝メモリ」への投資も行っています。

また、比較的歴史が長いファンドに、金融系の「みずほキャピタル」などがあります。1983年に設立され今に至りますが、みずほフィナンシャルグループのネットワークを生かした経営支援などを行っています。

 

まとめ

ベンチャーキャピタルと投資ファンドは、どちらも資金の出し手として大きな存在です。また、資金だけでなく経営アドバイスや取引先の紹介、設備の提供など様々なサポートも期待できます。

ベンチャーの起業家として資金調達を考えるのであれば、まずはベンチャーキャピタルを検討しましょう。これまでのベンチャー企業への投資実績で自社に合うものがあれば、投資ファンドを視野に入れても良いかもしれません。その際、検討が難しいようであれば、M&A 仲介会社やアドバイザリーの活用を視野に入れておくことをおすすめします。

また、ソフト面でのサポートが受けられるアクセラレーターやインキュベーターも、ベンチャー企業にとっては助けになる存在です。

アクセラレーターの場合、選考を通過しなければサポートが受けられないなど、一定のハードルはあるものの「アクセラレータープログラム」などのサポートで、企業の成長スピードを大幅に加速できる可能性があるため、資金の調達先として検討してみてはいかがでしょうか。

ベンチャーキャピタルや投資ファンドから支援を受けることはメリットだけでなく、経営の自由度が低下する可能性もあることや周囲から出資母体の色がついて見られるなどのデメリットも存在します。

出資を視野にいれている創業者や経営者は、ベンチャーキャピタルやファンドから出資をうけるメリットやデメリット、特徴などをしっかりと理解した上で、検討をしていきましょう。

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