半導体製造設備用部品の試作・製造事業など、50年以上に渡って経営されている「グリッターテクノ株式会社」を引き継ぎされたのは、産業機械の技術営業職として勤務されていた個人の買い手様。新たに経営者としての道を歩む決断をされた山下様に、M&Aに至った背景や今後のビジョンについて、お話を伺いしました。
譲渡企業 | |
---|---|
社名 | グリッターテクノ株式会社 |
業種 | 製造業 |
拠点 | 東京都 |
譲渡理由 | 体調不安 |
譲受企業 | |
---|---|
区分 | 個人 |
業種 | 製造業 |
拠点 | 東京都 |
譲受理由 | 新規事業への参入 |
“ものづくり産業で起業したい“という想いを、M&Aによって実現
産業機械を製造・販売する外資系企業で技術営業として従事されていた山下様は、今回のM&Aで長年努められた会社を退職し、経営者としての道を進み始めました。もともと、ものづくり産業で起業したいという想いがあったという山下様は、今から3年ほど前に三戸政和さんが運営するオンラインサロンにご入会。M&Aに関する勉強に励んでおられました。
「ずっと自分で作りたいものがあって、起業を考えていました。ただ、資金調達を含め様々な要因があって諦めていたころに、三戸政和さんが書いた“サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい”という本に出会いました。個人で事業承継をする道があるんだということを知り、その日のうちにオンラインサロンに入会させていただきました。」
オンラインサロンのご入会をきっかけに、株式会社新家製作所の代表取締役である山下公彦様と出会われた山下様。この出会いが、今回のM&Aを実現する大きな転機となりました。
「公彦さんは、私がいたオンラインサロンでは有名な方でM&Aの実績もあり、前職の大手重工業メーカーで培われた高い技術もあるので、たくさん学ばせていただきました。実際に、実践の場として公彦さんの会社で事業改善のお手伝いをさせてもらったりもしていました。そういった経緯もあり、今回のご成約の際にもお力を貸していただきました」とのこと。
会社を発展させるビジネスプランで、譲渡企業様の心を掴む
バトンズでは、自身がこれまでプラント関連企業を取引先としていたこともあり、製缶業や金属加工業など、金属加工をベースとしたものづくり産業を軸に事業を探されていました。
そんな中で交渉に進まれたグリッターテクノ株式会社は、創立50年以上の歴史ある会社。超精密機械部品の開発・設計・製造を手がけ、大手メーカーに金型、治工具、製品を納入してこられた実績ある会社であり、これまで山下様が経験を積まれてきた業務とも近しい業種・業態であったため、交渉依頼に踏み切りました。
交渉にあたっては、創業社長である前会長(現相談役)様とおもにお話を進められていたそうで「会長様は柔軟性もありながら、芯の強さを感じる方でした。交渉の際には、これまでの想いを継いだ上で、より会社を発展させることができるということについて、ビジネスプランを作ってプレゼンさせていただきました。過去に勤められていた営業の方が、体調面を理由に退職されてから売上が下がっていた経緯があったので、その部分を自分が立て直せるということをお話した内容等々が、先方にも伝わったんじゃないかなと思っています」とおっしゃっておられました。
また、交渉時にスーパーバイズとしてサポートされた山下公彦様が、株式を10%取得して本企業の取締役に入られるそう。営業面に加えて技術面でも強化できることは、本成約の後押しとなりました。
技術面・営業面から更なる強化を図り、事業拡大を目指す
今回、売り手様の成約サポートとしてバトンズの辻本がやり取りをしておりました。そのことについて、山下様は「必要な書類等のアドバイスをしていただいたり、細かい気配りをしていただいたりと、交渉をスムーズに進めるよう動いていただいていたので、大変助かりました。会社がある高尾までも何度も足を運んでいただいたそうで、そのおかげもあって交渉がうまくいったと思っています」とお話しいただきました。
引き継ぎ後は、もともと社長をされていた会長の息子様が工場長として会社に残られるとのこと。技術面で信頼のおける方に現場を任せることができることも、山下様がM&Aを決断する上で大きな要因だったそうです。
営業面・技術面で更なる強化を図っていくと話す山下様に、今後の経営ビジョンについて最後にお伺いすると「まずは、既存のお客さまの受注を上げること。更には、私がこれまで培ってきた人脈をもとに営業活動を行うことで、新規顧客の獲得にも力を入れていきたいと思っています。また、今はものづくりの担い手が1名しかいないので、こちらも新たな人材を雇って活性化をしていければと思います」とおっしゃっておられました。
長期的には、更なるM&Aによって事業拡大していくことも構想にあると話す山下様。SaaSなどのシステムツールが充実化している現代は、ノーコードで簡単にシステム開発ができる時代。M&Aで事業拡大をする際には、そういったものをうまく活用しながら共通インフラを整えつつ、効率化を図っていくことも考えているそうです。
すでに経営者としての思考をもって経営に取り組まれている山下様。今後の事業展開に、期待が膨らみます。
山下様とグリッターテクノ株式会社の今後のご活躍を、バトンズ一同、心より応援しております!
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