ファッションが好きな方や、アパレル業界でのキャリアを活かしたいという方の中には、アパレルブランドの立ち上げを検討している方もいるのではないでしょうか。
今回は、アパレルブランドを立ち上げる際に必要なスキルや手順をご紹介します。
アパレルブランドの立ち上げに資格は必要?
アパレルブランドを立ち上げるのに、特別な資格や許可は必要ありません。独学でも、業界未経験でも可能です。
ただし事業としてブランドを立ち上げる場合、実店舗もしくは自宅の最寄りの税務署に開業届を提出する必要があります。手数料などの費用はかかりませんので、原則開業後1ヵ月以内に届け出るようにしましょう。書類は、国税庁のホームページからダウンロードするか、最寄りの税務署で直接入手することができます。
アパレルブランドを立ち上げるために必要なスキルや準備とは
アパレルブランドの立ち上げで求められるスキルは、どのようなものがあるのでしょうか。以下では準備するべきことを紹介していきます。
アイデアやデザインを生み出す発想力
アパレルブランドの立ち上げに資格は必要ありませんが、最新の流行をキャッチすることと、そこから生まれたアイデアをデザインに落とし込む能力が必要となります。また、ブランドの人気を高めるために、他ブランドとの差別化やターゲットを意識した服を作るブランディングのスキルも非常に重要になるでしょう。
開業資金
アパレルブランドの立ち上げには、開業資金が必要です。日本政策金融金庫の2020年度新規開業実態調査では、アパレルブランドの開業費用は平均で989万円にのぼるとされています。開業資金が手元にないという場合は融資のほか、クラウドファンディングを活用して出資を募るという手段もあります。
光産業創成大学院大学が行ったわが国における購入型クラウドファンディングの現状分析によると、クラウドファンディングのサービスを提供している3社(C社はオールラウンドのジャンル、M社はモノづくり系、R社は社会貢献系)のデータを合算し投稿されたプロジェクトのジャンルを分析すると、「開業・起業資金」は「商品開発」の次に来る人気のジャンルであることがわかります。
しかし活況なジャンルである一方、資金調達の達成率は低い数値になっています。資金を集めるのは簡単なことではないことを留意した上で、出資者に事業の成功を確信させる具体的なビジネスプランの提案を行い、開業資金を募りましょう。
仕入れ、生産ルートの確保
資金を用意することができたら、自分自身で作成したデザインを利用する場合は生産工場を探しましょう。
また、商品を仕入れて販売する場合は立ち上げるアパレルブランドのコンセプトに合った商品を仕入れることができるように仕入れ・生産ルートを確保しましょう。仕入れ・生産ルートの確保にはさまざまな方法がありますが、仕入れ専用サイトの利用や知人・友人からの紹介が一般的です。
商標登録
ブランド名を決めた際は、商標登録の出願も検討しましょう。商標登録とは、ネーミングやロゴを特許庁に登録することです。
出願時は特許庁へ支払う印紙代と、弁理士に弁理士手数料を支払う必要があります。また、自身で申請する場合でも、特許庁への支払いは必須です。特許庁に支払う費用には、出願時に支払う費用と、登録時に支払う費用があり、最低でも合わせて29,200円必要です。これに加えて電子手数料が3,200円ほどかかる場合があるため商標登録の費用は最低でも33,000円程度必要となります。
出願が義務付けられているわけではないものの、商標登録をせずにいると、もし後から同じブランド名が商標登録されてしまった場合に、ブランド名を使用できなくなるため注意が必要です。
実店舗設立かECショップ構築
次に、店舗の運営形態についても検討します。
主に実店舗を構えて運営するか、ECショップを構築するかの2択になるでしょう。
東京都では実店舗を構える場合、最低でも1,000万円はかかると想定されます。一例ですが、会社の設立に30万円、敷金礼金を加えた家賃が半年分でも約400万円、改装費・設備費用に300万円、仕入れ費用で300万円、さらにその他の諸費用が発生するという計算です。
実店舗設立の資金(東京) | |
---|---|
会社の設立費 | 30万円 |
家賃 | 400万円(半年分) |
改装・設備費用 | 300万円 |
仕入れ費 | 300万円 |
その他諸費用 | 10〜50万円 |
一方でECショップであれば、数万円ほどで事業を始めることができます。
ECサイトへの出店費、インターネット使用費、仕入れ費用などが内訳です。ECショップを選ぶ場合は、自宅にいながら出店することもできるので、家賃や光熱費などの大きな固定がかからず安価で開業できます。実際、昨今は下図にあるように実店舗を持たないECショップの市場規模が増加しています。
※経済産業省:電子商取引実態調査より作成
さらに最近では、自社サイトから直接消費者に販売する「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」のビジネス形態をとったアパレルブランドも多く存在します。SNSを通じてブランドコンセプトを発信したり、商品開発の背景を紹介したりして、お客様と密にコミュニケーションを取りながらファンを獲得することができます。まさに新時代型のビジネスモデルだといえるでしょう。
アパレルブランドの立ち上げにM&Aを利用する
アパレルブランドの立ち上げを成功させたい場合は、M&Aを行うのもおすすめです。
ゼロから始める必要がないので安心できる
M&Aを活用したアパレルブランドの立ち上げは既存の企業を引き継ぎ経営を行えるため、安心して自身の思い描くビジネスを始めることができます。開業にはまとまった資金が必要なうえ、事業が軌道に乗るかどうかは実際に経営してみなければわかりません。
しかし売上や顧客基盤が安定している企業をM&Aで買収することで、成功の道筋が立ちやすくなり、安心して事業を始めることができます。開業にかかるさまざまな費用を節約することにも繋がり、節約した資金をプロジェクト資金に回すことで事業内容をより充実させることができるでしょう。
整った環境で事業を進めることができる
整った環境の中で事業をスタートできることがM&Aを活用したアパレルブランド立ち上げの長所です。
アパレルブランドの場合、商品の生産ルートは売り手企業が既に確立しているというケースがほとんどでしょう。つまりM&Aを行うことで、それらを新しく買い手が開拓・確保する手間が省くことができます。またM&Aの契約内容によっては、アパレル業界や製品への知識が豊富にある従業員を引き続き雇用できる可能性もあります。
バトンズでアパレルブランドのM&Aが成功した事例
納得のいくM&Aを行いたい場合は、バトンズの利用がおすすめです。
バトンズは、国内最大級のM&A総合支援プラットフォームで全国規模で案件を揃えており、6,000件以上の案件を見ることができます。成約までのスピードも速く、平均3ヵ月、最短1週間で成約した事例があります。
ご利用の際は、専門スタッフが成約まで無料でサポートするので、初心者でも安心して行うことができます。ここからは、実際にバトンズを利用してアパレルブランドのM&Aに成功した事例を紹介します。
UVカットウェア輸入販売事業を事業譲渡した例
UVカットウェアの輸入販売事業を営んでいた経営者が、不動産事業を営む企業へ事業を譲渡した事例です。売り手側は、新たに始めた事業に力を入れていくために事業譲渡を検討。「新しくビジネスを始めたい方に役立てて欲しい」という思いで、譲渡先を探しました。
バトンズへ掲載すると、すぐに複数件のアプローチを受け取ります。まずは3社と交渉し、最終的に最初にアプローチのあった買い手への譲渡が決定しました。信頼の置ける誠実な買い手と出会うことができ、スピード感のある成約が実現しました。
看護師から転身しドレスショップの経営に挑戦した例
2人目の子どもを出産するタイミングで看護師からキャリアを大きく転換し、ドレスショップを事業継承することにした女性の事例です。女性は、たまたまアクセスしたバトンズのサイトでウェディングドレスの販売・レンタルの案件を見つけます。経営も販売業務も未経験でしたが、人の夢をお手伝いできる仕事への強い熱意があり、事業継承に応募しました。
直接売り手側と対面し情熱を伝えたことで、事業継承はスムーズに成立。新経営者として、リブランディングに挑みながら、今までの強みを活かした経営を行っています。
IT起業に勤める女性が中古ブランド品を取り扱うECサイトを継承した例
IT企業勤務の女性が、中古ブランド品を取り扱うECサイトを引き継いだ事例です。女性は、産休をきっかけにキャリアプランを再考し「何か始めたい」とバトンズや他のプラットフォームを通じて案件を探し始めました。
事業譲渡が完了した後には売り手企業の経営者にご家族で会いに行き、一緒に食事を楽しんだそう。良好な関係のもと、事業を永続的にサポートするとの嬉しい言葉をもらうことができました。今後はこれまで培われた仕組みを安定稼働させ、SNSや自社サイトを活用した販売に力を入れる予定です。
【まとめ】
アパレルブランドの立ち上げには、資金調達をはじめさまざまなハードルがあるものです。M&Aによって整った環境を手に入れ、そこから事業を発展させるのも、ひとつの手でしょう。
国内最大級のM&A総合支援プラットフォーム「バトンズ」では、初心者でも安心してM&A成約まで達成できるよう、手厚くサポートします。お気軽にお問い合わせください。
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