「廃業」とは、経営者が自らの意思で会社をたたむことを指しますが、最近は経営者の高齢化が進んでいることやコロナウイルスの影響でたくさんの会社がやむを得ない廃業に追い込まれています。会社買収は廃業する会社に対してよりも、成長している会社に行うことの方が一般的ですが、実は廃業する会社を買うことにも大きなメリットがあります。
今回は廃業する会社の買収で得られるメリットと、初心者でも会社を簡単に買える方法を紹介します。成功事例もいくつかお見せしますので、ぜひ参考にしてください。
廃業する会社の実態とは
まずは会社がどのような理由で廃業してしまうのか、その実態を解説します。
後継者不在で廃業する会社
会社が廃業する理由として多いのが、経営者の高齢化です。
高齢に伴った健康上の理由などで引退を考えた際、後継者が見つからない場合そのまま会社の廃業を選んでしまいます。実際、中小企業に「廃業の可能性を感じたきっかけ」を尋ねた調査では、回答の4割程度が「経営者の高齢化、健康(体力・気力)の問題」でした。※1)また、60歳以上の経営者のうち、50%を超える人々が廃業を予定しているというデータもあります。※2)
このような経営者の高齢化および後継者の不在を理由にした廃業では、好業績企業であるにも関わらず廃業を余儀なくさせられるケースも少なくありません。
※1:中小企業庁「2. 廃業の実態」, 図29 廃業の可能性を感じたきっかけ
※2:中小企業庁「事業継承に関する現状と課題について」, 後継者難による廃業の可能性(p.5)
経営不振で廃業する会社
経営者の高齢化および後継者の不在に次いで多い廃業のきっかけが、売り上げの減少です。実際にある調査では、廃業した中小企業の3割弱が、経営不振をきっかけに廃業を考えるようになったと回答しています。※1)
特に昨今はコロナウイルスの影響で売り上げの減少に見舞われることが急激に増加しています。※2)会社の買収を行うM&Aの基本は、事業拡大に向けて勢いのある会社を買うことですが、経営不振で廃業した企業でも、経営を立て直すことができれば大きな利益を上げることは十分に可能です。またそうした経営改革に成功すれば、経営者としての自信にもつながります。
※1:中小企業庁「2. 廃業の実態」, 図29 廃業の可能性を感じたきっかけ
※2:東京商工リサーチ調査(内閣府請負調査)「新型コロナウイルス感染症の影響下における中小企業の経営意識調査」, コロナ感染症拡大による経営への影響(p.2)
廃業する会社を買うメリット
ここでは廃業する会社を買うことのメリットについて紹介します。廃業する会社を買うことで成長企業を買収するよりも大きな恩恵を受けられる可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
低コストでM&Aが可能
廃業する会社を買う最大のメリットは、普通のM&Aよりも「会社を安く買える」ことです。
通常、M&Aでは勢いのある成長企業を買うため、売り手からそれなりのコストを要求されます。一方で廃業する会社を買う場合、売り手には「後継者を見つけたい」「会社を倒産させたくない」といった思惑があるので、安値で譲ってもらえるケースがあります。
低コストで会社を買うことができれば、買収後の事業資金に充てることができるので、会社経営や事業拡大がスムーズに行えます。
従業員や顧客の確保が可能
廃業する会社を買うと、会社だけでなく従業員や顧客まで確保することができます。
一から自分で事業を起こす場合、従業員を雇ったり顧客を獲得したりするのに相当な時間と労力が必要ですが、廃業する会社を買う場合は、従業員と顧客をある程度確保した状態から事業を始めることができます。
また従業員はその会社の事業に慣れており、すでに取引先を含めた顧客との一定の信頼関係もあるため、一からの起業に比べ、スタートダッシュが切りやすいでしょう。
廃業する会社を買うデメリット
ここまででお伝えしたように廃業する会社の買収は多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあるので注意が必要です。
簿外債務があった場合は買い手側に返済責任が移る
廃業する会社には財務管理がずさんなところもしばしばあります。特に賃借対照表に記載されていない「簿外債務」には要注意です。
簿外債務とは公には記録されていない借金のことで、簿外債務のある会社を買収すると、その借金を背負わなければいけなくなります。例えば、前経営者がひそかに銀行から借り入れをしていた場合、買収によってその返済義務は買い手に移ってしまいます。
よって、廃業する会社を買う前には必ず、帳簿に載っていない簿外債務がないかを確認してください。
従業員や取引先との関係維持に気を配らなくてはいけない
買収先の従業員や取引先は、前経営者との信頼関係によって会社とつながっており、本来買い手とは何の関係もありません。そのため、買収後は従業員や取引先と積極的にコミュニケーションを取り、新たに良好な関係を作る努力をする必要があります。
例えば従業員に対しては、なぜ会社を買収したのか、これからどのような会社にしていきたいのかなどを丁寧に説明することが大切です。長年勤めてきた会社に愛着を持っている従業員は、自分勝手に会社の方針や取り組み方を変えてしまうと、愛想を尽かして辞めてしまう恐れもあります。
取引先についても同様で、誠意を持って対応しないと関係を続けてもらうことはできないでしょう。会社を買ったからといって、自分のペースや意思だけで経営することはできないと理解しておくことが大切です。
廃業する会社を買うならBATONZ(バトンズ)
廃業する会社の買収に興味がある方は、バトンズの利用を検討してください。
初心者にもおススメ
バトンズは、M&Aの売り手と買い手をマッチングさせるサービスで、売り手・買い手の双方に向けた情報提供や手厚いサポートを行っています。廃業する会社を買う場合も、専門のスタッフが丁寧にサポートしてくれるため、M&Aの知識や経験がない初心者でも問題なく会社を売り買いすることができます。
また業種や地域、譲渡希望額などで絞り込んで検索できるので、ご自身の希望にぴったりの会社を見つけることが可能です。
豊富な選択肢から選ぶことができる
バトンズはM&Aのマッチングを全国規模で支援しており、買い手は常時6,000件以上の案件から買いたい会社を選ぶことができます。豊富な選択肢から自分に合った会社を見つけたい場合に最適です。
またバトンズは国内No.1の成約実績を誇るため、会社を買収することに不安がある方でも安心して利用できます。
バトンズを利用し廃業の可能性がある会社を買収した事例
以下では、バトンズを利用することによって、廃業する会社の買収に成功した事例を紹介します。
収益改善をして10年赤字の会社を4ヶ月で黒字化したM&A
都内で輸送事業を行うHさんは、10年間赤字が続いて廃業寸前だった運送会社をバトンズで買収し、わずか4カ月での黒字化に成功しました。Hさんは売り手会社の財務諸表を見て赤字の原因を発見し、「ここを改善すれば黒字化できる!」と確信したといいます。そして実際にスピーディな黒字化に成功し、事業の拡大につなげました。
このように廃業する会社であっても、ワンポイントを改善することで黒字化できることもあるため、ぜひ一度バトンズで目ぼしい会社がないかチェックしてみてください。
参考:バトンズ「10年赤字の会社をM&A後4ヶ月で黒字化!秘訣は収益改善ポイントの見極めと社員の意識改革」
熟練した職人の技術を守るM&A
埼玉県で建設や機械保全の事業を行うJ社は、バトンズを利用して機械修理やメンテナンスを行う会社の事業を引き継ぎました。
売り手会社の前経営者は、事業承継を諦めかけており、自身の引退とともに「会社をやめよう」と考えていたそうです。そのような時、J社がバトンズを通じて事業承継に名乗りを上げ、M&Aが成立しました。このM&Aによって、売り手会社の職人たちが持つ熟練の技術が未来へと継承されました。
後継者のいない会社を買収するM&Aは、売り手の経営資源やノウハウを守り、、買い手はそれらを事業の拡大に役立てることができるため双方にとって大きな利益のある取り引きです。
参考:バトンズ「10年連続売上拡大。機械修理・メンテナンス業を引き継いでさらなる成長を目指す。」
まとめ
廃業する会社を買えば、低コストで従業員や顧客を獲得でき、一から事業を起こすよりも簡単に経営を始められます。また後継者不在のため廃業しようとしていた好業績企業の優れた経営資源やノウハウを引き継ぐことができるのも大きなメリットです。
廃業する会社の買収に興味のある方は、M&Aのマッチングサービスである「バトンズ」をご活用ください。バトンズでは、豊富な選択肢から自分に合った会社を選ぶことができ、初心者の方やM&Aが不安な方でも安心して利用できるような丁寧なサポートを心がけています。無料で会員になることができますので、お気軽にご相談ください。
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累計5,000件以上の売買を成立させています。
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