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10年赤字の会社をM&A後4ヶ月で黒字化!秘訣は収益改善ポイントの見極めと社員の意識改革

2020年10月29日

都内で輸送事業を行う株式会社カーレントサービス 代表取締役の保坂高広様は2年前、関東エリアに複数拠点がある運送会社を買収されました。対象会社は長年赤字が続いていましたが、保坂様は財務諸表を確認して直ぐに赤字の原因を見抜いたといいます。今回は徹底したマネジメント経営で買収後にスピード黒字化した裏側を伺いました。

 

決め手はマネジメントで改善できる確信があったこと

――まずは、これまでの事業内容とM&Aのご経歴を教えていただけますか?

最初は木枠の梱包をやる会社として創業しました。しかし、段々とものづくりが衰退していって事業が苦しくなっていた時期に、梱包だけをやっていてもしょうがないと、事業領域を広げていくため方向転換しました。その過程で営業スタッフを増強していたのですが、発展のスピードがどうしても遅いのが課題だったんです。

そこでM&Aに着目し、2013年に始めて買収しました。1社目はマシン輸送といって、荷台の温度調節ができるトラックを持っていて、更にクリーンルームの中まで搬入や据付ができる人材がいる会社だったのが大きな魅力でした。元々、うちも機械や装置、自動車の部品を運ぶ事業を行っていましたので、シナジーを見込めると考えました。それ以降も事業領域の拡大のためM&Aを行い、これまで5社の買収を行っています。

 

――バトンズでご成約されたのは2社目ですが、何が目に留まったのでしょう?

バトンズで成約した対象会社は、10年連続の赤字会社だったのですが、パッと財務状況を見てすぐに黒字化できると思いました。何故かというと、運送のみの事業なのに粗利が20%と非常に高かったんです。一般的に据付や搬入を行わず運送しかやっていない会社の粗利は大体10%前後です。この会社は20%以上あるのに10年赤字ということは、販管費に問題があると分かったので、我々のマネジメントで改善できると確信していました。結果的に買収後4ヶ月目に黒字化することに成功しました。

 

――速い!何を見直すべきかが分かれば、買収後の改善に着手しやすく効果も現れやすいということですね。

そうですね。ただそれだけでなく、自分でしっかりマネジメントできる確信が持てるのかどうかが重要なポイントです。そうでなければ、改善点が分かっていたとしても、闇雲に買うのはお勧めしません。

 

M&Aにおいて人の問題は当たり前。早期に信頼関係を築き解決

――トップ面談時、売り手社長や対象会社の印象はいかがでしたか?

初めて売り手社長にお会いした時は真摯でいい方だなと感じました。しかし、副業が本業になっている状況だったようです。それもあって、現場視察をした当時は従業員たちがきちんとマネジメントされていないような印象を受けました。ユニフォームも統一されていなかったし、しっかり面倒見られている状況とは真逆の状態だったのです。しかし、その部分しっかりとケアしていけばついてきてくれるだろうなと考えていました。

 

――マッチングされて成約するまでの期間は?論点はありましたか?

成約までの期間は約半年でした。交渉中の論点は、同族で社内にいた甥っ子さんが継ぐか継がないかという問題が浮上したことです。元々は甥っ子さんが継がないから売却する方向で話を進めていたのですが、実際に売却されるとなるとやっぱり継ぎたいという意向を示したため、途中で交渉がごちゃごちゃになったこともありました。

 

――やはり人の問題が交渉中は一番の難所なのですね。

いままでのM&Aもすべてそうでしたね。人間関係の問題は必ずあります。

 

――従業員とはどのようなコミュニケーションを取られたのですか?

20名前後いたのですが一人ずつ面談し、これから社長が変わることを丁寧に伝えていきました。同族の方が何名かいたので、その方達は辞めてしまいましたが、その他の従業員はみんな辞めずに続けてくれました。

 

――結構早い段階から信頼関係は築けていましたか?

そうですね。ただ現場運営に関しては、うちから誰かを送り込んだわけではなく、対象会社に既にいた従業員を一人引き上げて、彼にマネジメントさせました。

 

――なるほど。交渉時からその従業員はリーダーとしての素質のある方だと認識されていたのですか? 

実は、その人はM&Aの交渉中はキーマンでも何でもなかったんです。まだ甥っ子さんがいらっしゃったので。ただ、事業所を初めて視察した時、彼が外を歩いているのを見て、この人はいけるなと思って目に留めていました。そのため、甥っ子さんが最終的に辞めると申し出た時に、その人をすぐに引き上げ権限を与えました。

 

従業員の意識改革に取り組み、総合力の底上げに成功。全体売上は12年連続成長中

――2018年8月に最終契約。M&A後はまず何から変えていかれたのですか?

ボトルネックの一つとして、当時は従業員が変な自信を持っていたのです。自分たちにしかできないことをやっているんだと。そうした意識が起因となり、トラックの稼働率に余裕がなく忙しい時は依頼を断ってしまっていた。まずはその意識を変えるためにパートナーを上手く使うことを教育し、売上を一気にあげました。あとは、きちんとしたユニフォームを作り、トラックの整備も行い、従業員たちの意識を変えていくことに注力しました。

 

――徹底していますね。その後どのような効果が現れたのですか?

対象会社は拠点が相模原、鶴ヶ島、山梨にあるんですが、その拠点をうまく使わせてもらっているお陰でシナジーを発揮できています。2年目の今年は、買収費用を回収し終えることが出来ました。この会社を買収したことで、拠点と車両を一気に増やすことができ、粗利の高い顧客を得ることが出来たため、発展スピードを得るにはM&Aが一番いいということが改めて分かりましたね

引き続き、拠点・車両・人員を活用しながらグループとしてのシナジーを最大化できるよう、仲間としてやっていきたいです。

 

――今年はコロナによる影響は大きかったですか?

影響はありました。自動車関連や半導体関連は一瞬落ちたりしましたね。対象会社は自動車部品も扱っているので、5~7月は売上が落ちてきつかったのですが、幸い8~9月は戻してきました。グループ全体としては、対前年比は売上プラスです。実は当社は12年間、一度も売上を落としたことがないんです。

 

――12年連続はすごいことですね!最後に今後の展望を教えていただけますか?

今年年商が30億円になるのですが、10月末にクロージング予定の買収先の年商7億円を合わせると、グループ全体で37億円になります。2023年度が終わるまでに、年商50億円で営業利益率10%という目標を立てています。

今までは、輸送、倉庫、産廃、重量物の据付・搬入搬出、施工、内装デザイン、オフィス移転など、事業領域をがむしゃらに広げてきました。今後は電気工事などもう少し領域を広げることで年商50億円まで持っていき、その後は、利益率の低いものからは撤退し、ある程度の選択と集中を行っていく予定です。

 

――ありがとうございました。

 

 

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