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放課後等デイサービス事業の譲渡を決めた社長が語る、短期決戦M&Aの心構え

2022年04月11日

ここは、某所で放課後デイサービスを運営する学童保育「たんぽぽ」(匿名)。そして、そこの責任者であり、合同会社たんぽぽの経営者である玉木様(匿名)は、建設業界出身者という珍しい経歴の持ち主でいらっしゃいます。そんな玉木様が、人生初のM&Aを通じて感じたこと、気づいたことは何だったのか。お話をうかがってまいりました。

「人に喜んでもらえる仕事がしたい」そんな理由で始めた、放課後等デイサービス事業

Photo by Aaron Burden

もとは建設業界で設計会社を営んでいたという玉木様は、行政機関からの受託案件を中心に請け負っておられたそうです。そして、「まちづくり」ひいては「くにづくり」の一翼を担う仕事に遣り甲斐を感じながらも、発注側である行政機関との一方通行的な関係性に対する物足りなさやもどかしさが募るようになり、ドラスティックなキャリアチェンジを決行されます。

そこで足を踏み入れたのは、建設業界とは重なる部分が全くないといってもよい教育業界。「人に喜んでもらえる仕事がしたかったんです」とおっしゃる玉木様は、何かができなかった子どもたちが第三者の介在によって、それを克服して自信を取り戻し、笑顔になっていくのを見ることに新たな遣り甲斐を見出されて、今から13年前に学習塾を立ち上げられます。

ご自身は講師というよりも管理者として従事しながら安定した塾運営を実現していたものの、物件の貸主の都合により学習塾を閉鎖しても6ケ月間物件を賃貸しなければならない状況にあったときに、知り合いの方から自閉症やダウン症の子どもたちを預かる放課後デイサービスの話を聞いた玉木様。その事業に非常に興味が湧いたそうで、心機一転、支援学校に通う子供たちを対象とした児童保育施設として再スタートを切ることにされたのだそうです。

「自閉症の子どもたちは、共通して胃腸が悪く便秘気味の子が多いです。そうなると、脳内の圧力が上がってしまい、それが転じて多動症などをはじめとした発達障害を引き起こしてしまうと言われています。逆にいえば、腸をきちんと動かして便通を整え、腸内フローラと呼ばれる1000兆個を超える腸内細菌の住処の環境が改善すれば、自然と症状は軽くなっていくんです。そうすると、その子たちは周囲とコミュニケーションが取れるようになり、だんだんとイキイキした顔になっていくんですよ。できることが増えて、自信が出てきて、周囲と関わりを持ちながら社会的な営みを通じて、子どもたちが輝き始める。これこそが、まさに“人を育てる・育む”ということだと思っていますし、そこに大きな遣り甲斐を感じています。
また、褒め方も非常に大切なんです。自閉症の子どもたちは、心が遠くにあると考えてもらったらいいと思います。だから、普通に褒めてもダメなんです。それだけでは、彼らの心には届かないんです。時間をかけて大袈裟に、諦めずに何度も繰り返しながら褒めてあげないと、自分が褒められていること、認めてもらえていることを理解できないんです。だから、彼らの保護者の方々は大変な部分もあると思います。
そんなご家族の方々の助力になれれば嬉しいですし、一緒に力を合わせて子どもたちにどう向き合い、どう育んでいくのか、ということを考えていくことにも遣り甲斐を感じています」とおっしゃる玉木様は、繰り返し「育む」という言葉を使われており、国語や算数といった教科書を使って行う「教育」とは異なる次元の「教育」というものに身を投じていらっしゃるご様子が印象的でした。

人間関係ではなく条件のクリアが全てのM&Aは、短期決戦ならドライさも大切

Photo by Markus Spiske

 そんな玉木様にとって、今回のM&Aはもちろん初めてのご経験ということで、印象に残ったことは何だったのかをお伺いすると「もともとは、投資案件としてコンサルティング会社から封書が届き、ちょうど体調を崩していたこともあって、その話に乗ったことから法人譲渡の検討がスタートしたんです。その際には営業の方がついてくださり、3ヶ月くらいの間で3〜4件の買い手候補と接点を持ちました。

ですが、途中まで上手くいっていたと思いきや、突然候補者の方と連絡が取れなくなることが続いて、はじめは戸惑う一方でした。しかしながら、時間の経過とともにM&Aを合意に至らしめるためには、個人間の信頼関係よりお互いの条件をクリアしているかどうかの方が重要なんだということに気がついたんです。ゆっくり相手のことを理解しながら進めていく、という感じではないんですよね。短期決戦を望むなら尚更のこと、時にはドライになって機械的にイエス・ノーを判断していく必要があると思うんです。それに気がついたんで、オンラインのM&Aマッチングサイトへの登録に踏み切り、そのうちのひとつがバトンズだったんです」とのこと。

「それからは、非常にスムーズでした。問い合わせの件数も1ヶ月で10件くらい来ましたし、基本的に当事者同士で物事を進めていけるので、わずか1ヶ月で契約を成立させることができました。使い勝手も良かったですし、会社の規模も問われないですし、リーズナブルなのも魅力的でした。当初、話を持ち込んできてくれたコンサルティング会社は、コンサル料として200万くらい支払わなければならなかったので」とも。

反応は冷ややかなれども、細心の注意を払った従業員への告知

Photo by Chi Lok TSANG

こうして、見事に短期決戦を収められた玉木様ですが、従業員への告知に関しては非常に難しいと感じられたそうです。前述のとおり、現在は症状が安定しているとはいえ、体調を崩されてから現場に足を運んで従業員と対話する機会が減ってしまったことで、彼らとの心的距離ができてしまっていた玉木様は、事業譲渡という事実を伝えるにあたって細心の注意を払われたとのこと。

そこで玉木様は、まずは従業員の中でも信頼のおけるメンバーに個別に時間をとって理解を仰ぎ、彼らを通じて、それとなく状況を現場に伝えてもらった上で、最終的に全員を集めてご自身の口から告知するというステップを踏まれたそうです。

残念ながら、現場の反応は冷ややかなものだったそうなのですが、「身勝手だと言われれば、返す言葉はありませんし、そう思ってしまうのは仕方がないと思います。ですが、自分は譲渡先を決める際に、これまで現場が大切にしてきた社風ややり方を引き継いでくれるかどうか、従業員たちの雇用を守ってもらえるかどうかを最重要視してきました。彼らがこれまで築いてきたものが経営者の変更によって崩れることのないように、できる限りのことはやったつもりです。それが伝わらないのは残念ですが、遠くから彼らの活躍を願っています」と、少し寂しそうに語られていらっしゃいました。

これから何をしていくのかは、これから考えようと思っているという玉木様ですが、そのお顔は非常に明るくスッキリとされておりました。

玉木様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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