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シード期の資金調達を支える投資家の役割や事例、シード投資家を紹介!

2022年03月29日

IPOを目指す企業が成長していく過程を各ステージに分けて表現することがよくあります。人によって分け方や呼び方は多少異なる場合もありますが、本記事では、一般的に使われることの多い4つステージのうちの1つ、シード期における投資家からの資金調達、シード期に投資する投資家の特長、シード投資の事例について解説していきます。

 

シード期は起業のはじまり

まずはシード期について解説していきます。ベンチャー企業の創業から、成長していく過程は4つのステージに分類されます。それぞれのステージの違いについて解説していきますので、ぜひ、参考にしてください。

 

起業前から上場直前までの各ステージ(シード,アーリー、ミドル、レイター)を解説! 

ベンチャー企業の置かれているステージはシード期に始まり、アーリー期、ミドル期、レイター期の4つのステージに分類されます。まずはシード期について解説をしていき、他3つのステージについても解説をしていきます。

シード期

シード期は、事業を立ち上げる前段階から起業直後までの時期を指しており、まだ取り組もうとしている事業も構想段階か事業を開始し始めた直後の時期であると言えます。事業計画も作成中であり、仮に製品を製造して販売する事業であれば、まだ試作品の段階となります。一般的に創業当初は多額の資金を必要としないので、ベンチャーキャピタル等の大口の資金調達よりは、自己資金で事業を運営するか、エンジェル投資家から資金調達をするケースが多くなります。

アーリー期

 アーリー期は、シード期の次のステージであり、起業してから軌道に乗るまでの5年前後の時期のことを意味します。会社の経営状態としてはまだ赤字の状態で、設備投資や設立資金回収に奔走している時期とも言えます。アーリー期の企業は設備投資等で多額の資金を必要とする企業がほとんどとなりますので、ベンチャーキャピタル等を活用して資金調達をするケースが多くなります。

ミドル期

ミドル期は、企業の更なる成長を見据えて事業展開を本格的に進めていく段階のことを指します。企業としても、提供しているサービスとしても、世間的に認知をされ始める段階となりますが、利益はあまり出ておらず低収益の状態が続きます。アーリー期同様、多額の資金を必要とするため、資金調達について常に頭を悩ませている状態になります。社会的信用も上がってくる時期なので、この段階から金融機関からの融資についても検討をし始めます。

レイター期

レイター期は、株式上場を検討し始める時期となります。業種やビジネスモデルによっても変わりますが、事業が拡大し、収益も安定してくる時期でもあり、社会的信用も確立されている時期となります。このため、融資での資金調達についても、大きく頭を悩ませることは少なくなってきます。

以上がベンチャー企業の成長過程における4つのステージになります。シード期はその中でも創業前から起業直後までを指す時期となります。

 

事業計画からはじめよう

シード期では、綿密な事業計画を作成することから全てが始まります。これからの成長分野が何なのか、どのようなサービス・製品を提供していくのか、また提供するサービスや製品は顧客に対してどのような価値を提供できるのかなど、しっかりと事業計画を作成することが今後の企業の成長に大きく影響すると言われています。サービスや製品の試作品を実際に作ってみて、検証した後、問題がなければサービス開始や製品販売の準備に取り掛かります。

創業メンバーを集めよう

創業当時は1人で事業計画を考え起業準備を行うケースもありますが、今後の企業経営を考える上で、一緒にビジネスをしていく創業メンバーを集めることも重要です。今後、何十年と一緒に会社を経営していくパートナーとなりますので、本当に信頼のおけるメンバーを集める必要があります。また、知人や友人などと一緒に創業することもあります。この場合は、事業計画や会社のビジョン、目指すべき方向性など、しっかりとすり合わせを行い、目線を合わせておくことも重要です。

資金調達も検討しよう

前述した通りシード期においては多額の資金を必要とするケースは少ないので、自己資金や親族から資金を借りて運転資金とする場合が多くなります。しかし、今後、資金が必要になってくる可能性は大きく、資金調達により成長スピードを加速させることもできるので、シード期の段階で資金調達を選択肢として考えておくのは有効です。すでに違う事業を行っており、売上などがある場合は、銀行や公庫などからの融資も視野に入れて検討することができます。

シード期でサービスや製品を形にするプロトタイプ

プロトタイプとは、事業計画で考えたサービスや製品が狙い通りの価値を提供できるのかを確認するために、簡易的にサービスや製品を形にしたものです。いわゆる試作品です。事業計画の段階で想定していた価値や効果が得られると判断できれば、そのまま形にしていくことができますし、プロトタイプを制作する過程で事業計画で想定していたものと違うことがわかれば、修正をすることもできます。サービスを本格的に始動するにあたって、プロトタイプによる検証は行なっておくべきことの1つであり、今後の事業計画のブラッシュアップに有効です。また、ベンチャーキャピタルなどから資金調達する際にプロトタイプがあることで、資金調達が有利になる場合もあるので、事業計画の次のステップとしてプロトタイプを作ることを考えましょう。

 

投資家についての基礎知識

これまで解説してきた通り、ベンチャー企業にはシード期を含め4つの成長ステージがありましたが、いずれのステージにおいても多かれ少なかれ資金が必要になってきます。資金調達を考えるうえで、話題によく出てくる投資家ですが、そもそも投資家とはどういったことをしている人なのでしょうか。ここからは、投資家について解説をしていきます。

投資家と投資家の種類について

投資家は、投資を目的として株や債券、不動産または通貨等に資金を投入する個人や団体のことを指します。投資家は、個人投資家、機関投資家、海外投資家の大きく3つに分かれます。

個人投資家は、証券会社等の金融機関を介して金融市場で投資をする投資家や豊富な自己資金を元手にベンチャー企業に対して出資をするエンジェル投資家等がいます。機関投資家は、銀行や保険会社等の金融機関やベンチャーキャピタル、年金機構等の団体および組織で投資を行う投資家のこと指します。海外投資家は、海外在住で日本の株式市場で売買をしてる個人投資家や機関投資家のことを指し、海外年金基金や投資信託会社、ヘッジファンド、その他、外資系運用会社の日本支社も含まれ、これらを指して海外投資家と言います。  

投資家のビジネスモデル

投資家のビジネスモデルは、どんな商材でも基本的に安い価値の時に購入し、価値が高くなった時に売ることにより生じる価格差によって収益をあげることです。ベンチャー企業に投資する場合で考えると、シード期やアーリー期など、まだあまり世に知られていないタイミングで出資を行い出資した会社の株式を入手し、IPOなどで株の価値が上がったタイミングで株を売却することで、大きな利益を得ます。

投資家とベンチャーキャピタルの違い

資金調達先として有力な候補となる、投資家とベンチャーキャピタルの違いについて解説していきます。先程、投資家は3種類のタイプがあると説明しました。個人投資家と機関投資家、海外投資家です。

ベンチャーキャピタルは、機関投資家が所属する組織の1つであり、単に投資家という場合はベンチャーキャピタルの中の個人を指すか、組織に所属していない個人投資家を指す場合が多いです。今回は、個人投資家とベンチャーキャピタルの違いという視点で解説していきます。

まずは投資金額の差です。ベンチャーキャピタルの投資額は個人投資家に比べて多額になります。1つのファンドを運用するにあたって、ベンチャーキャピタルの場合は、10億円〜100億円規模(ファンドごとに差分があるため、この限りではありません)を運用しますが、個人投資家は個人差はあるものの規模としてはさくなります。また、出資の際の審査にも大きな違いがあります。ベンチャーキャピタルは出資までに組織内でいくつかの審査のステップがあり、出資が叶わない場合もありますが、個人投資家の場合は投資家の意志で出資を決めることができます。

 

シード期を支援する投資家

投資家の中には企業の創業当初であるシード期に特化して支援をする投資家がいます。シード投資家です。ここからはシード投資家について解説をしていきます。

シード投資家とは?

シード投資家は、個人で投資を行うエンジェル投資家とベンチャーキャピタルとして組織で投資を行う機関投資家に大きく分かれます。投資金額は1件あたり、100万〜1,000万円程度が多くなっています。

シード投資家はなぜ出資するのか?

シード投資家が出資する一番の理由は投資することで利益を出すためです。つまり、まだ世に出ていない無名の企業に対し、将来の成長性にかけて投資をすることでリターンを得ることを目的とします。また、純粋にその起業家のビジネスに共感し、社会や世の中の課題解決の手助けをしたいという強い思いで出資をしているシード投資家も存在します。投資家によって投資に対するスタンスや思いに違いがあり、投資を受けたい起業家は自社の未来に共感を持ってもらえる投資家、業界やビジネスモデル、事業を応援してくれる投資家と巡り合うことで、投資を受けられる可能性が高まります。

日本を代表するシード投資家

ここからは日本を代表するシード投資家について紹介していきます。

有安伸宏氏

有安伸宏氏は、Tokyo Funders Fund創業者であり、エンジェル投資家です。投資先として、マネーフォワード、Anypay、ママリなど約50社。1社あたり、500〜5000万の投資で年間15社程度出資しています。

榊原健太郎氏

榊原健太郎氏は、サムライインキュベート代表取締役です。創業から11年で約160社のシード投資を実行されています。サムライインキュベートでは、資金の提供以外に積極的にスタートアップ向けのオフィスを運営し、様々な角度からスタートアップの支援活動をしています。

木下慶彦氏

木下慶彦氏は、スカイランドベンチャーズ代表パートナーです。スカイランドベンチャーズは、U25のベンチャー企業・スタートアップ企業をメインにシード投資を行っています。スカイランドベンチャーズでは、国内を中心に40社超へ投資し、総額14億円を運用しています。

竹川裕也氏

竹川裕也氏は、サイバーエージェント・キャピタルが運営する「SEED GENERATOR FUND」の統括責任者です。2019年7月末現在26社を担当。起業前・起業後のシード期の企業や起業家に出資しています。SEED GENERATOR FUNDでは、出資の条件として創業から1年未満であることや創業チームに1名以上エンジニアがいること、設立時に自己資金があることなどがあります。

松山大河氏

松山大河氏は、イーストベンチャーズ共同代表パートナーです。シード投資家としてのキャリアは長く、ベンチャー企業やスタートアップ企業に15年以上投資されています。これまでの主な投資先は、メルカリ、フリークアウト、Gunosyなどがあります。イーストベンチャーズは1,000〜2,000万円の投資をメインとして行なっており、国内のみならず、海外も対象にしています。

 

シード期への投資事例

ここからはシード期への投資事例についてご紹介していきます。実際にシード期の企業がどのように資金調達を行い、事業を大きくしてきたのかについて具体的に解説していきます。

株式会社メルカリの事例

資金調達を力に大きな成長を果たした企業の代表といえばメルカリです。メルカリは創業から3年足らずで企業価値を1,000億円とし、わずか5年で上場したベンチャー企業の成功事例の代表例と言えます。上場当時の終値ベースでの時価総額が7,000億円にもなり、投資家やベンチャーキャピタル、メルカリの役員のみならず、従業員中からも億万長者が出てくる事態となりました。メルカリは創業1年で14億5000万円もの資金調達をしており、スピードも調達額も破格の数字でした。その後、メルカリは新規上場を迎えるまでに約176億円の資金調達を実現しており、2000年以降に上場した他企業の平均調達額5〜6億円に比べて、いかに突出した金額であったがわかります。まさにベンチャー企業のスタートアップドリームを実現した事例と言えます。

株式会社おかんの事例

株式会社おかんは「オフィスおかん」というサービスを提供している会社です。「オフィスおかん」は法人向けのぷち社食サービスです。おかん社もサービス開始前で、まだ創業者1人のシード期にサイバーエージェント・キャピタルより5000万円弱の出資を受けています。2015年には導入企業200社、2018年には1200社とその後順調に成長を果たし、2015年に数億規模の調達、2018年には7億円の資金調達に成功し、創業からの合計金額では約10.5億の資金を調達しています。

株式会社OLTAの事例

株式会社OLTAはオンライン完結型のファクタリングサービスを提供している企業で「オフィスにいながら資金調達」をモットーに事業を行なっています。過去3回の資金調達を行なっており、合計で約30億円の資金調達を実現しています。シード期にはシード投資家の有安伸宏氏から1,000万円の出資を獲得しましたが、その出資はTwitterからはじまりました。Twitterをきっかけに出会ったOLTA社に対し、有安氏はプロダクトなしのピッチ資料のみの状態で出資を決めました。単なる出資に留まらず、有安氏はプロダクトの仮設検証から資金調達まで支援しました。その後OLTAは順調に成長し、2回目の資金調達ではエンジェル投資家の支援もあってベンチャーキャピタルより5億円の出資を獲得しています。

株式会社フラミンゴの事例

株式会社フラミンゴは、カフェで気軽に外国人と語学レッスンができるスマートフォン向けのアプリを運営している企業です。フラミンゴは立命館大学在学中に代表の金村氏が立ち上げました。シード期の資金調達額は公表されていませんが、プロトタイプのベータ版をローンチした時点で資金調達に成功しました。当時はイーストベンチャーズが主導し、パーティーファクトリーも参画し出資を行いました。出資を受けたのに合わせてイーストベンチャーズが管理・運営しているインキュベーションオフィスである「Hive Shibuya」やリクルート・ホールディングスが管理・運営するコワーキングスペース「TECH LAB PAAK」を東京進出に向けた拠点とすることも決定しました。その後2017年には、1.7億円の資金調達に成功しています。

 

シード期の資金調達は非常に大事なポイントになる

いかがでしたでしょうか。今回はシード期の解説から投資家の基礎知識、シード投資家や具体的事例について解説をしてきました。

シード期の資金調達は今後の企業の成長スピードを占う上で非常に大事なポイントになります。それぞれのステージに合わせて、適切な投資家を選び、円滑な資金調達を実現していきましょう。

 

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