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シーシャ・バーが、オープン1年で譲渡された理由

2021年12月17日

ご家族もご親戚も、ほぼ全員が自営業を営んでいるという“商売の家系”に生まれ、幼い頃から「お金というものは、自分でビジネスを興して稼ぐもの」だと思っていたと語るのは、シーシャ・バーを経営されていた山田様(仮名)。飲食店の経営を中心とした事業の多角化を通じて、既に多くの成功体験を積まれている若手の敏腕実業家である山田様が、今回、事業譲渡に踏み切ったのは、オープン1年目の駅近バー。その背景や、この事業譲渡を通じて感じたことなど、いろいろとお話を伺ってまいりました。

 


 

譲渡事業
事業名 シーシャバー
業種 飲食業
拠点 大阪府
譲渡理由 選択と集中

 

 

譲受企業
社名 匿名
業種 EC事業
拠点 兵庫県
譲受理由 新規事業への参入

 


会社全体の労働分配率を優先するという冷静な判断の下、事業譲渡へと踏み切る

駅から徒歩30秒という好立地にシーシャ・バーを開業したのは、コロナ禍で飲食事業部の売上が3分の1になったのがきっかけ。「シーシャ」とは、別名「水タバコ」とも呼ばれる煙草の一種で、もともとはイスラム圏で愛されていた娯楽の一種。近年では、欧米の若者の間でもファッションのひとつとして非常に人気が高まってきているようで、そんなシーシャをまだ白地の多い日本に持ち込んだというのが、この事業のコンセプトです。

一方で、もとより飲食業を主軸においた事業展開をされていた山田様は、コロナ禍で経営戦略を変える必要性を感じ、低投資で早期にスタートできるような事業を始めたかったとのこと。そんな折り、このシーシャ・バーの開業を決めたのだそうです。

それから1年、バーの経営状況は決して悪くなかったそうなのですが、会社全体で見た時の労働分配率が目標としている一定の基準を超えておらず「これなら、社員を他の事業に充てた方が、労働分配率が上がる」と考え、本事業の譲渡を決めたのだとか。

「株式売却よりもやり易かった」成約までの3ヶ月の道 

既に、実業家としては10年以上ものキャリアをお持ちの山田様にとって、もちろん、今回のような事業譲渡は初めてのことではありませんでした。過去には、株式売却のご経験もあるそうで、「それに比べたら、とてもやり易かった」とのこと。

詳しく理由をお伺いすると、「株式売却となると、過去の契約の洗い出しを厳密に行う必要があるので、基本的には司法書士を入れないと話が前に進みません。また、株主たちとの調整など、細かくデリケートなステップを数多く踏まなければなりません。一方で、今回のような株式が絡まない譲渡は、ホームページを作成して売るのと似たようなものです。法人を作った際に作った約款をクリアする必要もなければ、ステークホルダーたちの反応を過度に窺う必要もありません。そう考えると、プロセス自体はとてもシンプル。なので、特に大きな問題を抱えることなくスムーズに進めることができました」とのこと。

そんな山田様が今回、このシーシャバーを譲渡する先に選ばれたのは、株式会社SISRの代表取締役 田中様(会社・個人名ともに仮名)でした。「田中さんは、とにかく“すぐに会いましょう!”、“家の近くまで行きます!”、“飲みましょう!奢ります!”という感じで、初めから買う気マンマンなのが伝わってきたんです。問い合わせ自体は全部で50件くらい来たのですが、半分くらいは資料を送って終わり、という具合で、その先に続きませんでした。

こんなことを言ったら失礼かもしれませんが、事業譲渡先を探してみて思ったのは、案外、M&Aという響きのカッコ良さに惹かれてきている人が多いのかな、ということです。クロージングしてもイエスかノーで答えられない方が多かったり、どこかで読んだマニュアルみたいな質問がきたり。本気で買収先を探しているのかな、と思ってしまうようなシーンにもよく出会いました。その点、田中さんは意気込みがすごくて、トントン拍子に物事が進んでいったので。きっと相性もよかったんだと思います」とのこと。

事業経営に明るい山田様なので、当時を振り返った時に、大変だったことなどないのだろうと感じたのですが、「もし、もう一度同じような案件が出てきたら、今度はアドバイザーをつけると思います。とにかくメッセージのやり取りが多くて、資料を送るだけの簡単なやりとりに多くの時間を取られたので。最後の交渉については、自分でもできると思うのですが、それに至るまではアドバイザーのサポートがあった方が、生産性は高いと感じました」とのこと。常に、ご自身に対しても効率や生産性という観点でシビアであるところは、さすが敏腕実業家という印象を受けました。

ダイナミックなのに繊細、そんな遣り手の若き実業家が描く次の未来

そんな左脳派である山田様の判断基準は、とてもシンプルで明快。たとえば、バトンズへの掲載を始めてから2ヶ月間は、最終の譲渡金額よりも高い金額設定だったらしいのですが、いよいよ本格的に人材構成を変えなければいけないタイミングが来た時、「一人当たりの労働生産性が良いか、悪いか」という観点で判断し、思い切って金額を下げる判断を下されています。また、同時に、それを一度お問合せがあった買い手候補の方々ひとりひとりに、丁寧にメールでご連絡されたのも、わずか30分で終わる事でマッチング出来ない機会損失になる方が勿体無いと判断されたからだそうです。

「ダラダラして何かを損失しているのは、勿体無いから嫌なんです。早く動かしたいなって思います。大切なのは、早く仕事を終わらせて家族との時間を作ったり、自分の好きな事に時間を使ったり、次のやりたい事を考えたり、情報収集したり、弊社の従業員と次の会社の未来を考えたり駄弁ったりする時間に使いたいという目標。それが、私の判断基準で、私の人生の使い方です。そんな哀愁漂う、昭和の経営スタイルが好きです。それでもひとりで外注を駆使しながらサイトを作って売る事業も好きだし。トレンドを見極めて、そういうことも手掛けます。ですが、大きくやる方は、今の(昭和の)スタイルを選びたいと思うんです」とのこと。

「譲渡はしましたが、譲渡したシーシャバーは思い入れのある店舗で1年と少ししかやっておりませんが、その場面では大きく会社に貢献してくれたお店です。これからもお客さんとして通いながら、田中さんをサポートしたいと思っています。そういうつながりが、未来のビジネスにいつか繋がっていくものなので、大切にしていきたいです」

合理的で行動力があり、一見、とてもダイナミックにビジネスを動かされている印象の山田様は、同時にとても緻密で繊細な一面を持っておられるバランス感覚に富んだ実業家でした。

山田様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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