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合弁企業とは?設立における手順・メリット・デメリットについて詳しく解説!

2023年02月24日

企業にはさまざまな設立形態が存在します。合弁企業や株式会社、合同会社、合資会社などそれぞれの形態に特徴があるため、会社設立の際には状況に応じた選択が必要になるでしょう。

一般的に、合弁企業を設立することで、資金や技術、人材、マーケットなどのリソースを共有できるとされていますが、デメリットもあります。

この記事では合弁企業の概要から設立のメリット、デメリット、手順まで詳しく解説します。

 

合弁企業とは

ここでは合弁企業の概要や仕組みについて解説します。基本的な知識を得てから、メリット、デメリットを比較するようにしましょう。

合弁企業とは?ジョイントベンチャーとの違い

合弁企業は、2つまたはそれ以上の会社が協力して新しい会社を設立する形態です。それぞれの会社が持っている資金や技術、人材などを組み合わせ、新しい事業を展開することを主な目的としています。また、2つ以上の会社が協力して事業を展開できるため、リスクを分担できるというメリットがあります。

 

よく比較されるものに、ジョイントベンチャーがあります。合弁企業との違いは、複数の企業が互いに出資し、ベンチャー企業を立ち上げて事業を行うという点です。明確な違いはないため、ジョイントベンチャーも含めて合弁企業と表すこともあります。

 

合弁企業の出資比率

 

合弁企業の出資比率は合意に基づいて決定され、資本金の比率で表されます。

例えば、A社が50%、B社が50%の比率で合弁企業を設立した場合、A社は合弁企業の資本金の50%、B社は合弁企業の資本金の50%を履行していることを意味します。

それぞれの合弁企業が負担した資金の比率に応じて、経営に対する権限や責任が異なるため、例えば50:50の比率など均衡のとれた比率では、意思決定が円滑に進まない可能性があるでしょう。

 

合弁企業と会社法で規定された法人形態の関係性

合弁企業は、会社法上に特別な分類規定が存在しません。複数の法人間の契約によって形成されるため、設立資金や責任など法人形態によって規定される会社法の基準に基づかず、合弁契約にのみ基づいて自由に決定できます。

 

ただし、合弁企業が事業を展開するためには、会社法に規定された法人形態に従って事業を展開する必要があります。そのため、合弁企業は一般的に株式会社や合同会社などの法人形態で設立され、事業を展開するという形をとります。

株式会社として設立した場合は、自己資金に加えて株主からの資本金を調達しながら合弁企業を形成できます。また、合同会社として設立した場合は、出資者自身の判断で自身や協力者を合同会社の経営者にすることができます。

 

合弁企業を設立する手順

 合弁企業を設立する場合、主に4つのステップを踏む必要があります。ただし、それぞれのステップでは法律に準拠した専門的な手続きはもちろん、状況や目的に応じた選択が求められます。

ここからは合弁企業を設立する手順を見ながら、具体的にどのような問題をクリアにしていかなければならないのかを、自身に当てはめながら考えていきましょう。

パートナー企業の選定

パートナーの選定方法には様々な方法がありますが、以下のような手順が一般的です。

1.目的や戦略企業を明確にする:

合弁を設立する目的や戦略を明確にします。これにより、適切なパートナーを選定するための基準が策定できます。

2.パートナー候補のリサーチ:

適切なパートナー候補をリサーチします。市場調査、競合関係の調査なども含まれます。

3.面談や交渉:

リサーチした候補との面談や交渉し、互いに納得できるパートナーを選定します。

4.協議や契約:

選定したパートナーと合弁契約を締結するための協議を行い、双方が納得すれば合弁契約を締結します

 

パートナーとなる企業の選定では、その企業について徹底したリサーチをすることが重要です。パートナーとなり得る企業が次の内容を満たしているか確認しましょう。

 

  • ビジネス理念や価値観が合致しているか
  • 事業領域や専門性が合っているか
  • 財務状況や実績が健全であるか
  • コミュニケーションや協力関係が円滑に展開できるか

 

合弁企業は2社以上の企業が協力して事業を展開する形態であるため、それぞれのパートナーの戦略や方針が合わない場合、経営に支障をきたします。また、出資比率や経営権限の配分、経営に対する考え方についても明確にする必要があるでしょう。

パートナー企業選びでは妥協せず、これら全ての条件をクリアした適切なパートナーを探しましょう。

 

基本合意の締結

基本合意書は、合弁企業の設立、運営、経営上の事項などを記載した文書で、合弁企業の設立に必要です。基本合意書には、次のような事項を記載します。

  • 合弁企業の名称や組織構造
  • 合弁企業の事業内容や事業目的
  • 比率や経営管理権​​限
  • 収益分配方法および財務管理方法
  • 退会や退会の方法など
  • 紛争解決方法

 

基本合意書は、合弁企業の設立に必要な文書の1つであり、合弁企業の運営においても重要な役割を担っています。

基本合意書に記載する内容は、合弁企業の事業目的、経営方針、資金調達方法、経営組織、経営管理などです。これらを記載した基本合意書によって基本指針が決定され、事業を進める際のガイドラインとして機能を果たします。

また、この段階で事業を進めるに当たり、リスクを事前に把握し、どのように対処するかを検討しておくことが大切です。

これら内容を共有し、基本合意書に記載しておくことで事業をスムーズに進めることができるでしょう。

各種条件の確認

合弁企業設立において必要な決定事項には以下が挙げられます。

  • 事業の目的や内容を明確に準拠する
  • 配分比率を決定し、配分額を調整する
  • 取締役や経営者の決定
  • 取締役会や総会の決議の決定
  • 経営方針や経営戦略の決定
  • 取締役会や総会の議事録の作成方法の決定
  • 経営におけるリスク管理方法の決定
  • 経営における監査制度の決定
  • 決算や月次報告などの決算管理方法の決定
  • 合弁関係終了時の事項の決定

これらは合弁契約書に記載されることが一般的です。

 

また、次の4つはどの合弁企業においても特に慎重に確認しておく必要があります。

  • 法人形態:株式会社や合同会社などの法人形態が選ばれることが多い
  • 出資比率:各パートナーが執行する比率を確認。この比率が経営権を握る要素となる。
  • 撤退条件:合弁企業を承認する条件。通常は合意によって承認するが、それ以外にも法律上の要件を満たさない場合がある。
  • 利益配分:合弁企業が収益を上げた場合、どのように配分するかを決定。通常は配分比率に基づきますが、稀に特別な条件がある。

この4つの項目はいずれも出資者や企業全体の利益に直結する要素を含んでいるため、認識に間違いがあるとトラブルに発展しやすくなります。パートナー企業と協議を始める段階から何度も確認をしましょう。

合弁契約の締結

最後に合弁契約の終了や、必要な手続きの完了が必要です。これらが終わった後、合弁企業の設立が確定して法的な拘束力を持つようになります。

合弁契約によって設立する法人形態が異なるため、各種条件については必ず確認が必要です。

 

合弁企業設立のメリット

 ここからは合弁企業を設立するメリットについて解説します。どのようなメリットがあるかを整理して、設立の際の参考にしましょう。

 

新規事業・新分野に挑戦しやすい

新規事業新規分野へ挑戦しやすくなります。

パートナー企業にも事業に必要な資金やノウハウがあるため、それらのリソースを共有することで、新しい事業をスムーズに立ち上げることができます。

 

加えて、海外進出のハードルが低くなる可能性があります。 パートナー企業がすでに海外で事業を展開している場合、その国や地域における知識やネットワークを活用でき、資金や人材を共有することで、海外進出に必要な経営資源の確保が容易になるでしょう。

 

設立コストや損失リスクを抑えることができる

 合弁企業は複数のパートナーが協力して事業を展開する形態であるため、設立コストや損失リスクを抑えることができます。互いに設備などを共有することで費用の削減が可能です。また、パートナー企業がすでにノウハウを持っている場合、事業のリスク軽減に役立ちます。

ただし、意見や戦略の相違などによってトラブルが発生する可能性もあり、事前に相互のニーズや目的を明確にすることが重要です。

 

パートナー企業とのシナジー効果に期待できる

 合弁企業を設立する企業が持っている技術や資源を組み合わせることで、新たな技術の開発や、新規顧客層へのアプローチなどが可能になります。

 

パートナー企業が保有している強みを活用して、シナジー効果を生み出すことが期待できるでしょう。

例えば、パートナー企業がある特定の分野に陥っているとします。その企業が特定の分野で上手く強みを活かせていなかったとしても、その分野に関する知識や技術をもう一方の企業に提供することで、双方の強みを活かした新しいサービスや製品の開発を行うことができるかもしれません。

 

合弁企業設立のデメリット

 ここからは合弁企業設立のデメリットについて解説します。先述した通り、複数の企業が集まることで多くのメリットを得ることができますが、デメリットもあります。

合弁企業を設立する際には、それらの点にも留意して慎重に検討しましょう。

経営資源流出のリスクがある

経営資源を共有することで、自社の技術やノウハウが外部に流出する可能性があります。

これを防ぐためには、事前にパートナー企業の信用状態や経営方針を調査し、秘密保持契約を締結することで、相手が自社の秘密情報を利用できないようにすることが必要です。

また、共有する経営資源について必要最小限の範囲で行うようにすることで、流出を防ぐことができます。経営資源を共有する際には細心の注意を払うようにしましょう。

意思決定が遅くなる可能性

複数存在するパートナー企業は異なる目的や利益を持っているため、議論や調整が重なり意思決定が遅れることがあります。スピード感が求められる分野においては、合弁企業による意思決定や行動の遅れは、事業に大きな支障をきたします。このような環境下では、単独での行動や決定が取れる独立した組織の方が、スピード感を持って対応することができる可能性が高い傾向にあります。

パートナー企業のマイナスの影響を受ける可能性

合弁企業を共に運営するパートナー企業が財務上の問題を抱えてしまった場合や、企業を維持するための投資が行われなくなった場合など、合弁企業の事業に支障が生じます。また、パートナー企業の不正により、合弁企業が訴えられる可能性も考えられます。

信用力の低下は、合弁企業が融資を受ける際にも障害をきたし、商談や取引先との関係、ブランドイメージにも影響を与える可能性があるでしょう。

 

このような事態を防ぐためには、パートナー企業の選定時に適切な事前調査やリスクアセスメントを行うことが大切です。常にパートナー企業の行動を確認し、情報収集や調査チームを組織しておくなど必要に応じた対応を行える準備を整えておきましょう。

 

 

合弁企業設立の際に決めておく3つのポイント

ここからは、合弁企業を設立する際必ずチェックすべきポイントについて解説します。

パートナー企業との関係構築にも大きな影響を及ぼすポイントとなるため、詳しく見ていきましょう。

法人形態

法人形態について考慮すべきポイントは次の通りです。

 

  • 責任の限定:

法人形態によっては、資本や責任について制限あり。会社の規模やリスクに応じて適切な法人形態を選択することが重要。

  • 税制: 

法人形態によっては、税制が異なる。

 

 

そのほか、事業計画書ビジネスプランを徹底的に作り上げることも必要です。事業内容や経営戦略などを明確にすることで、事業と将来の展望にマッチした法人形態を選択しましょう。

また、法人形態が決定すれば会社名を決めなければなりません。会社名は、事業内容やブランドイメージに合ったものを選ぶようにしましょう。

出資比率

 出資比率に均等性を持たせることも設立の際のポイントです。

均等性を持たせると、かえって協議が進まないというデメリットはありますが、共同経営者間の関係を良好に保つために重要です。

また、出資比率は、長期的な視点で考えることも大切です。合弁企業において、主導権を握るのは出資比率が高い会社になります。しかし、双方のニーズや将来のビジョンなどを考慮して、合理的な出資比率を決定するようにしましょう。

 

撤退条件・停止条件

合弁企業において、撤退条件停止条件の決定は重要です。これらを決めておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

一般的に撤退条件・停止条件には、以下のようなものがあります。

 

                      • 合弁企業の目標が達成できなかった場合(経営上の不持久性)
                      • どちらかのパートナーが合意した行動を行っていなかった場合(信用劣化)
                      • 紛争やトラブルが生じた場合(紛争の解消)
                      • 経営上の問題が発生した場合(外部要因)

 

デッドロックが発生した場合も、対応方法を明確にしておくことで事前にトラブルを防止できます。デッドロックとは、複数のプロセスが互いに待ち状態に陥って処理が進まなくなってしまう状態のことで、経営トラブルを引き起こす可能性があります。

デッドロックを回避するために、経営資源の共有方法を工夫したり、撤退条件を明確にしたり、万が一の事態への事前準備を入念に行うことが重要です。

 

 

まとめ

合弁企業を設立することで資金・技術・人材などのリソースを共有して、経営のリスクを分散しながら新しい事業に挑戦できるでしょう。ただし、意思決定が遅くなり、スピード感が求められる分野への展開には不向きのため、デメリットを理解して慎重に検討しましょう。

 

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