製造業（機械・電機・電子部品）のM&A案件一覧

技術革新のスピードが速いため、経過により在庫の価値が大きく変わってくることがあります。生産機械についても同様で、加速償却が認められている業種も多くあります。M&A前のに在庫価値の見極めや、減価償却の方法について確認しておきましょう。また、半導体、電子部品の生産工程で過去にフロンガスや有機溶剤が使用されていたケースも見受けられるため、工場の土壌汚染や環境対策には注意をする必要があります。

電子部品設計事業は、技術者なしでは成り立ちません。そのため、案件先が保有している技術、技術者の層、年齢など、人を中心にしっかりと確認することが極めて重要です。また、大半は取引先が多岐に渡っていますが、中には一社に集中しているケースも見られるため、M&A後もその企業と取引が継続できるのか、自社の設計を回す余裕があるのか、きちんと見極める必要があります。

産業用機械の製造では必要な設備が多いため、1つ1つの設備について減価償却が適正に行われているかを確認しましょう。受注に関しては、山と谷が大きいため、資金繰りの安定性、M&A後の運転資金の調達など、余力の確保が重要になります。景気先行的に受注が動くため、顧客の属する業界動向をチェックすることが重要になります。また、大手企業の協力会社や下請けのケースでは、大手企業の海外生産動向に十分注意を払う必要があります。また、金属加工が多くなるため、洗浄用薬品の使用履歴のチェックが必要です。工場の土壌汚染、環境対策には注意をする必要があります。

当事業は、制御盤内の配線工事などの労働集約産業的な要素があるため、熟練した技術者、労働力が必要になってきます。そのため、作業員の確保は非常に重要なテーマです。特に細かい作業が多いので、近隣のパートなど人材確保ルートがしっかり作られているかどうか、それは安定しているのか見極める必要があります。また、取引先は多岐に渡りますが、どのような分野を得意としているのかを事前に確認した方がよいでしょう。

半導体関連事業は、技術進歩が著しく進む業界であり、知らずのうちに他社の特許を侵害している可能性もあります。従って、そのようなトラブル、侵害の事実、訴訟の有無など法務面から、過去に遡って漏れなく確認する必要があります。また、ある日突然、製造上のコペルニクス的変化が起きる可能性もあります。その際、非常に収益性の高かった供給材が無価値になるといった事象もあり得ます。半導体製造業者は比較的コストに緩い体質があるものの、それらを踏まえて業界の技術動向には十分注意を払うべきです。

ベルトコンベアー・搬送装置業では、ある特定の工場に取引を依存しているケースが散見されます。よって、その工場との関係性や周辺情報の聴取には十分注意を払う必要があります。加えて、設計者や技術者等人的資源が豊富かどうかも確認した方が良いでしょう。技術優先の事業ですので、設計が社長に依存している場合は引継ぎ体制が万全かどうか、しっかり見極めることが重要です。

当事業は、製造・加工に高度な技術が必要となるため、熟練した労働者が存在しているか、定年間近の技術者への依存度が高くないかといった生産面でのチェックが重要となります。また、メンテナンス事業まで手を出しているかどうかで収益性が変わってくるのも特長のひとつです。手が回らないという理由でやっていないケースも目立ちますが、もしメンテナンス事業をやっている場合には、それがきちんと収益化されているか確認することが、将来の収益増を見極める上でも必要となります。

基板設計・実装事業において確認すべきは、生産ラインに纏わるポイントです。事業者によっては、新規設備投資ができず古い機械を使い続け、生産効率が非常に悪いケースも存在するので、まずは生産設備に関して十分な注意を払う必要があります。次いで、生産面での段取りに関しても確認が必要です。多品種かつ少量での生産に対応している場合には、発注数、生産効率などが妥当かどうか、きちんと把握して見極めなければなりません。

売上高だけで一概に事業規模を判断しないことも必要です。修理・メンテナンスは専門サービス提供工賃という側面があるため、人件費を変動費化していなければ原価のない売上総利益とみれます。売上高が小さくても多数の熟練技術者を抱え、収益性の高い仕事をしている事業者も多数あります。在庫や保有資産は少ないことが多く、修理器具や自動車といった程度が多くなります。ただし、調達納期が長くなる等の理由から必要になるメンテナンス部品等の在庫を抱えているケースもあるため確認が必要です。労務面では、工場や機械が停止する休日や年末年始などの時期にサービス提供することが多く、遠隔地での作業なども多くなります。労働時間の管理体制や、未払い賃金・未払い残業代の有無などを確認しておきましょう。