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2024/04/08

倒産防止共済、解約するなら10月までに?

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倒産防止共済とは?
弊社でよくご紹介してきた倒産防止共済の取扱いが、今年の10月から改正になるのをご存じですか? 倒産防止共済をよく知らないという方のために、概要をご説明しておきます。正式名称を中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)といいます。運営元は中小企業基盤整備機構です。 毎月掛金を支払って、この共済に加入しておくと、取引先が倒産等した場合に、掛金合計の10倍までの金額について借入することができます。 この借入に対する直接的な利息は無利息となっていますが、借入すると積み立ててきた掛金が取り崩されますので、間接的にはこの取り崩された掛金が実質的な利息となります。 この事実上の借入金利が結構高いのと、夜逃げなどの場合は倒産に含まれないという事情もあり、本来の連鎖倒産防止の目的で加入される方はそれほど多くありません。
倒産防止共済の本当の実力
実は、この倒産防止共済の魅力は、別のところにあります。 掛金は月額最高20万円で、支払った掛金は全額損金になり、掛金の合計が800万円になるまで積み立てることができます。 全損になる生命保険がほぼなくなってしまった今となっては、貴重な存在となりました。 不動産業の個人事業主が加入した場合は、損金として認められないなどの制約はありますが、期首に月払で加入し、決算月に年払に変更すれば、 20万円×11ヶ月+20万円×年払12ヶ月=460万円 を経費にすることができます。 さらに、40ヶ月以上掛け続ければ、その後はいつ解約しても支払った掛金が全額戻ってくるという、なかなか使い勝手のよい制度となっています。
解約後の再加入が規制されます
この倒産防止共済が、10月以降改正になります。 制度がなくなるわけではありませんし、全損が1/2損金になるわけでもありませんし、全額戻ってこなくなるわけでもありません。 何が変わるかというと、いったん解約した後の再加入について、2年間は掛金を支払っても、損金として認められなくなる、という改正が行われます。 この倒産防止共済は、満額800万円の積立が終わると解約して、大きな修繕費や退職金などの支払に充て、またすぐに再加入するという方がおられます。 積立が終わってしまうと、毎月20万円の損金枠を使えなくなるためです。 もし、現段階で解約後の再加入を検討されておられるなら、それは今年の10月までに実行してください。 ただし、実際に解約して再加入するには、2~3ヶ月は手続期間として見ておいた方が良いかと思いますので、7~8月ぐらいまでには、解約された方がいいでしょう。 この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
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