公開日 | 2023/02/20 |
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記載者 | 翠星企画株式会社 |
M&A
「第二会社方式」によるM&Aとは
「第二会社方式」によるM&Aとは
「第二会社方式」とは財務状況が悪化している中小企業が、
収益性がある事業のみを事業譲渡や会社分割によって切り離して、「第二会社」に承継させるとともに
不採算部門の残った旧会社を、特別清算や破産手続を通して金融機関から債務放棄を受け事業再生を図る手法となります。
この手法は、そのままでは収益性の高い事業も抱えたまま会社が特別清算や破産によって失われてしまうことを防ぐために
平成26年に施行された産業競争力強化法に基づき、
第二会社方式による「中小企業承継事業再生計画」の認定制度として設けられました。
ちなみに部門として1事業部門しかない場合でも、「第二会社方式」は利用可能であり、
資産:事業用の不動産・設備、売掛債権等
負債:買掛債権、有利子負債等
を選定して第二会社に承継できます。
第二会社方式を用いるメリット
第二会社方式を用いることのメリットとしては以下の点があります。
1.収益性の高い事業が継続でき、従業員の雇用も維持が可能となる。
2.債権者がそのまま会社全体が清算・破産するよりも、多くの金額が回収できる。
収益性のある事業が事業譲渡やM&Aで得た金額は旧会社に入るため、債権者の負担も軽減されることとなります。
3.不採算部門に係るリスクを回避できる。
不採算部門が抱えていた過大債務や簿外債務、偶発債務などを切り離すことでリスクを回避できます。
また、収益性のある事業だけが残ることで、スポンサーの協力が得やすくなります。
第二会社方式を用いるデメリット
また、デメリットとして以下の3点があります。
1.旧会社が保有していた許認可の再取得を必要とするが、手続きに時間と費用がかかり、許認可を得られない可能性がある。
2.不動産移転の際に不動産取得税、登録免許税がかかる
3.旧会社で取引していた金融機関からの資金調達が難しい
しかし、この3点については「中小企業承継事業再生計画」の認定を受けることで支援を得ることが出来ます。
1.営業上必要な許認可を承継
2.税負担の軽減措置
3. 日本政策金融公庫の低利融資等による金融支援
「中小企業承継事業再生計画」の認定要件
この認定を受けることで先のデメリットを緩和することができますが、
認定を受けるためには下記の認定要件を満たす必要があります。
1.計画申請時点で基準財務悪化の基準を満たすこと
2.原則5年以内の計画終了時点で財務状況が改善すること
3.第二会社へ事業を承継するとともに、事業承継後、旧会社を2年以内に清算すること
4.公正な債権者調整プロセスを経ていること
5.第二会社の事業実施に係る資金調達計画が適切に作成されていること
6.営業に必要な許認可について、保有又は取得見込みがあること
7.承継される事業に係る従業員の8割以上の雇用を計画期間中確保すること
8.従業員との適切な調整が図られていること
9.旧会社の取引先企業の売掛債権を毀損させないこと
また、認定申請書や添付書類などを作成し提出することが必要となりますが、
各都道府県にそれぞれ中小企業再生支援協議会が設置されており
弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士等からなる個別支援チームによる再生計画の策定支援を受けられます。
この制度は事業再生を通じて地域の雇用や取引先を守ることを目的にしていますので
財務状況の悪化している事業がある場合は、まずは専門家や支援機関までご連絡ください。
以上、参考になれば幸いです。
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