M&A
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2022/02/09

企業の評価額の決め方

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企業の評価額の決め方
M&Aで事業承継を検討する場合、まず今の会社の企業価値を検討するところが必要となってきます。 例えば相続における財産評価においては、国税庁の「財産評価基本通達」に従って算定します。 そのため、人によって金額が大きく動くということは少ないため、おおよその企業評価額というものが見えてきます。 しかしながら、M&Aに関しては企業の評価額、株価算定する方法は一種類ではありません。 そのため、同じ企業の評価額を算定しようとしても、その人によって金額に差がついてしまうことがあります。 どのような算出方法があって、自社の本当の評価額を表すことができるものはどれなのか、 その知識を得ることで、M&Aで企業を譲り渡す際に不当に低い評価額で売却をしないで済むかもしれません。 M&Aにおける株価算定方法には、大きく分けると以下の3種類があります。 1.ネットセット・アプローチ 2.マーケット・アプローチ 3.インカム・アプローチ そしてそれぞれのアプローチにも、さらに細かい算定手法が存在しています。 1.ネットセット・アプローチ 時価純資産法、簿価純資産法、清算価値法、再調達原価法etc. 2.マーケット・アプローチ 類似会社比較法、市場株価法、類似取引比準法、類似業種比準法etc. 3.インカム・アプローチ DCF法、収益還元法、配当還元法、残余利益法etc. それぞれ4つ、計12の手法を挙げました。 今回は各アプローチから一つずつ、代表的なものを紹介していきます。 1.時価純資産法(ネットセット・アプローチ) 決算書の貸借対照表から「時価純資産額」を計算します。 「総資産時価総額」から「負債時価総額」を差し引いて「時価純資産額」を算出します。 次に損益計算書から過去3年間の「営業利益」の平均値を計算します。 「営業利益の平均値」に3~5年(業種による)の倍率を掛けて、先ほどの「時価純資産額」を加算します。 この算出方法は決算書があれば簡単に算出できますが、将来性や人材や組織の強みといった無形資産は反映されないというデメリットがあります。 そのため成長期にある企業には向かない手法です。 2.類似会社比較法(マーケット・アプローチ) まず自社と似ている上場企業を選びます。 「売上高」や「EBITDA」など比較する指標と、業種ごとに定められた倍率を掛けて算出します。 こちらも、業種によっては類似する会社が探しにくいことや、無形資産が反映されないなどの課題があります。 3.DCF法(インカム・アプローチ) 【ディスカウント・キャッシュ・フロー法】略してDCF法です。 こちらはまず、事業計画を策定して将来にわたって稼ぐであろう「フリーキャッシュフロー」を算出します。 将来稼ぐキャッシュフローは現時点でのお金に換算すると時間的な価値を割り引いて考えなければなりません。(利息の逆と考えてください) このように将来的なキャッシュフローを割り引いて(ディスカウントして)加算することによって、企業の事業価値を算出します。 この手法は将来性を加味した評価額を算出することができますが、無形資産を数値化して組み込むことなど、説得力のある事業計画の策定が必要となります。 評価方法には、このような評価手法の中から一つを選んで用いる「単独法」、 複数の評価手法の重なりから判断する「併用法」、 複数の評価結果を加重平均する「折衷法」などがあります。 一つ一つを理解するのは難しいですが、これだけの評価方法があるということを覚えていただければ、 それが自分の会社を評価するのに相応しい手法かどうかと考えることができると思います。 以上、参考になれば幸いです。 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★ 事業承継・M&Aの無料相談窓口のご案内 https://batonz.jp/counters/150 無料オンラインセミナーなどの最新情報 https://jadestar.co.jp/news/ お問い合わせはこちらから https://jadestar.co.jp/contact/ ☆運営会社☆ 「絶対に失敗できないときの頼れるパートナー」 翠星企画株式会社 https://jadestar.co.jp/ 最後までお読みいただきありがとうございます。
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