中小企業支援
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2021/03/08

従来の営業は問題だらけ、数十年何も改善されていない②

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従来の営業は問題だらけ、数十年何も改善されていない②
 前回に引き続き、営業の様々な問題についてお伝えします。  まずは指導・育成面ですが、個人任せの営業のため、管理者が営業成績不振者に対して的確な指導やアドバイスができません。  OJTで先輩や上司から営業指導を受けることが多いと思いますが、前回示したとおり、元々営業は個人任せで属人的なものであり、指導する側が質の高いノウハウを持っていないケースが多いのです。  また、多くの営業マンが、OFF-JTで営業研修を受講した経験を持っていると思います。  しかし、研修で習ったことを実務で活かせている人はごくわずかです。営業の書籍を読んで個人的に勉強している人も多いと思いますが、元々属人的な手法であるため自社に応用できず、また営業マン個人のスキルアップに焦点が当たっているため、現場でなかなか再現できません。  その他、営業強化のために、実績のある営業マンを採用するケースもよく見受けられます。  しかし、いくら前職で実績があっても、自社で成績が上がらないことも多くあります。  例えば、保険会社の営業マンで、地域No.1の経験を持つ人を、メーカーが営業職として雇っても、半年経過してもまったく成果がでなかったというケースもあります。  これは、商品(サービス)自体が異なり、ターゲットもBtoBとBtoCでまったく異なる中では、営業のノウハウは異なってくるからです。  このように商品前職の営業で成果を出していても、業種や商品が変更になると結果が出ないというケースは非常に多いのです。  さらに、営業マン個人については、組織の中で個人差が大きく、伸び悩む人も多く、その中には、そもそも顧客とのコミュニケーションの方法がわからないという人も依然として多くいます。  また、以前訪問した会社の再訪問では、以前の訪問内容を忘れてしまい、以前の訪問結果を次に活かしていません。  その他、そもそも商品自体が技術的に難しいなどで営業マンが理解しきれず、理解が不十分なまま営業活動をして、内容が顧客に伝わらないこともあります。  このように、営業の問題は非常に多く、内容も様々です。そのため、これらの問題を解決せずに従来のやり方を繰り返しても、売上アップは実現しません。  大量生産大量消費の時代では、情報が少なく、競合も少ないため、飛び込み営業したら相手は「教えてくれてありがとう!」と言わんばかりに接してくれました。  しかし現在、ネットを見れば情報はすぐに入手でき、ニーズも多様化し、競争も激しくなっています。  そのような中で、これらの営業の問題を解決せずに、以前と変わらない営業を繰り返しても、成果は期待できないのです。
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