譲渡
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2020/07/21

中小企業事業承継の選択肢の1つとしてM&A

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中小企業事業承継の選択肢の1つとしてM&A
中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化が急速に進むなか、少子化等の影響から、親族内での後継者の確保が厳しさを増しています。 事業承継方法として、親族内承継がベストかもしれませんが、なかなか理想どおりにはいきません。 では、他にどのような事業承継方法があるかというと、「従業員等への承継」が考えられます。 長年勤めてくれて、社長が最も信頼している番頭格の従業員等に承継したいと考えられるのは自然ですが、果たして可能なのでしょうか? 中小企業の事業承継は、「経営の承継」と「株式の承継」という両面を同時にクリアする必要があります。 後継者候補者である従業員等に株式取得等の資金力が無い場合が多く、また、中小企業のオーナー社長の場合は会社の借入に際し、個人債務保証をされていることも多いため、金融機関が納得されない等、従業員等への事業承継は現実的に困難なことが多いです。 親族内も無理、従業員等も無理、もう廃業しかないかというと、最近注目されている「M&A」という方法があるので、ご紹介します。 「M&A」と聞くと、「身売り」「マネーゲーム」「冷たい」「専門的で分からない」などのマイナスイメージを持つ方も多いと思います。事実、株式を自由に売買できる上場企業の場合は敵対的買収ということもあります。 しかし、株式を公開していない中小企業においては、ほぼ「友好的M&A」しか存在しませんので、安心してください。 中小企業におけるM&Aについては、平成23年から国(中小企業庁)が主体となって「事業引継ぎ支援事業」を開始しました。また、小規模M&Aを取り扱う新たな民間業者(金融機関、税理士事務所等を含む)も増えており、物理的にもM&Aに対するハードルが下がってきています。
社外に後継者を求める「M&A」
親族内や従業員など身近なところに後継者が見つからない場合、社外に後継者(社)を求めるのです。 それが、中小企業におけるM&Aの一側面です。 M&Aには、会社売却による創業者利潤のほか、次のようなメリットが期待できます。 1.後継者候補を広く外部に求めることができる 2.従業員の雇用や取引先との関係をそのまま継続できる 3.譲り受け先と一緒になることで、その事業のさらなる発展が期待できる 4.譲り受け先は、一般的に財務状態が安定しているため、会社の財務状態が安定する可能性がある 5.会社を売却した資金で負債の清算ができるかもしれない 6.不動産などの会社の資産を残せば、その後の生活資金を確保できる可能性がある(家賃収入)
売れる会社にする
このようにメリットがたくさんあるM&Aですが、買い手企業がないと成立しません。 つまり、他社からして買いたいと思える優良な会社しか使えない、事業承継方法なのです。 まず、M&Aで事業を引き継ぐには準備が必要ですが、その準備の一つが「磨き上げ」です。磨き上げとは、売却前に企業価値を高める取り組みのことです。 磨き上げを行うことで、より良い買い手が見つかる可能性や、譲渡価格が上がる可能性が高まります。 1.会社の「強み」を作り、「弱み」を改善する (他社との違いを明確にする、従業員のスキルを向上させる等) 2.ガバナンス・内部統制を向上させる (オーナーと企業の線引きを明確化する等) 3.経営資源をスリムにする (事業と関係性の薄い株主を整理しておく等) これらの「磨き上げ」には、時間がかかることから、事業引継ぎのタイミングから逆算して、できるだけ早めに着手されることをお勧めします。 この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。 ※上記は執筆現在(2015.04.27)での情報です。
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